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    赤でも白でもロゼでもない!?人気急上昇中のオレンジワイン

    最近よく聞くオレンジワインってご存知ですか?赤ワインとも白ワインとも、ロゼワインともちょっと色合いが違う、オレンジ色のワインのことです。名前と色からオレンジを原料に造られたお酒かな?と思われるかもしれませんが、実はブドウから造られるれっきとしたワインです。今回はそんなオレンジワインについて詳しくご紹介します。

     

    オレンジワインは白ワインの仲間

    オレンジワインは皮が黄緑色のブドウ(=ワイン用語では白ブドウと言います)から造られるので、白ワインの仲間になります。

    通常、白ワインは収穫した白ブドウをできるだけ速やかに圧搾して果汁だけを抽出しますが、オレンジワインの場合は、白ブドウの皮を果汁と一緒に長時間漬け込んで造ります。そのため、果皮の色素やエキス分がしっかりとブドウ果汁に抽出され、通常の白ワインより色合いの濃いオレンジ色のワインができ上がるのです。

    ちなみに、赤ワインは、皮の黒いブドウを皮や種と一緒に果汁に漬け込んで醸し、色素や渋みを抽出します。つまり、オレンジワインは白ワイン用のブドウを使って、赤ワインの造り方で造られたワインと言えますね。

     

    新しいようで実は伝統的なワイン

    オレンジワインのルーツはジョージア(グルジア)。ジョージアは黒海とカスピ海の間に挟まれた東コーカサス地方にある国で、実はワイン造りは紀元前6000年頃にこの地域で始まったとされています。

    その頃のワインは、クヴェヴリと言われる大きな粘土でできた壺にブドウ果汁を果皮、果梗、種とともに漬け込んで造られていました。そう、オレンジワインの造り方と同じです。今でもジョージアではクヴェヴリを使ってワインが造られており、この地で脈々と引き継がれてきた伝統製法は、2013年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。

     

    オレンジワインが注目される理由

    左の黒いボトルはイタリアにおけるオレンジワインの開祖的な生産者ラディコンのワイン

    では、なぜ今オレンジワインが注目されているのでしょうか?それは、農薬や添加物をできるだけ使用せずにワインを造ろうとする自然派ワインの生産者が、酸化防止剤を使用せずにブドウ果汁を発酵させる*にはどうしたら良いかと考えた時、果皮で果汁に蓋をして酸化を抑制する方法を思いついたのです。添加物のなかった大昔の造り方にヒントを得たのでしょう。

    そういうわけで、近年の自然派ワインブームと共にオレンジワインも各国で造られるようになり人気となりました。

    一般的に白ワインを造る際は酸化を防ぐ目的でブドウ圧搾時に少量の二酸化硫黄(=酸化防止剤)を果汁に添加します。

     

    アペロからメイン、デザートまで合わせられるオレンジワイン

    白ワインの清涼感と赤ワインのコクを合わせ持つオレンジワインは、どんなお料理にも合わせやすいのが魅力です。白ワインと赤ワイン両方の要素をもつオレンジワインは、白ワインに比べると酸味が、赤ワインに比べると渋みが控えめなので、前菜からメインディッシュの肉や魚料理、アイスクリームなどのデザートとも合わせられます。

    でも実は、旨味が強いオレンジワインはおつまみなしでもおいしく飲めてしまいます。ちょっと危険ですね。私はいつも、料理をしながら、または食前に軽く1杯いただきつつ、できあがった料理と合わせて飲んでいます。もちろん普通の家庭料理と合わせていますが、「相性がよくないな…」と思ったおかずはないほどのオールラウンダー。いずれにしても、白ワイン同様しっかり冷やして飲むのがポイントです。

    最近はフランス産やイタリア産はもちろん、ジョージア産のオレンジワインもワインショップでよく見かけますし、日本でもおいしいオレンジワインが造られています。ぜひ一度お試し下さいね。

     

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