PARISmagが気になる方々へ会いに行き、「小さなしあわせ」のヒントを教えてもらうインタビュー企画。今回は、短編ドラマ『青葉家のテーブル』でシングルマザーの青葉春子を演じる西田尚美さんです。
『青葉家のテーブル』は「北欧、暮らしの道具店」が手がけるオリジナル短編ドラマ。2018年春に第1話が公開され話題に。そしてこの秋、第2話が完成&公開となったということで、完成披露試写会にお邪魔し、西田さんにお話を伺ってきました。
ドラマについてのお話はもちろん、西田さんの日々の暮らしやリフレッシュする方法、小さなしあわせについても教えてもらいました。
西田尚美(にしだ なおみ)
1970年2月16日生まれ、広島県出身。モデルを経て女優に転身。近年の出演作に映画『友罪』『美知の通勤電車』『生きてるだけで、愛。』、ドラマ『三匹のおっさん シリーズ』『監査役 野崎修平』など。ほかにもCM出演やWEBマガジン『marble』で書き手を務めるなど幅広く活躍する。2008年には第一子を出産し、育児と女優業の両立に奮闘するママでもある。
食卓を囲むと家族みたい『青葉家のテーブル』
―『青葉家のテーブル』では、西田さん演じられる青葉春子とリクの親子、友人のめいこ、その彼氏のソラオというユニークな4人暮らしが新鮮ですよね。
西田尚美さん(以下、敬称略):春子とリクは親子なのですが、そこには家族じゃない人たちも一緒に住んでいて、不思議な人の集まり。でも、テーブルを囲んで衣食住を一緒にしているとだんだん本当の家族みたいになるんですよね。不思議な距離感で、居心地が良くって。その中で、私は家長みたいな存在なんです(笑)。それを気負わずにごはんを作って、それでみんなの会話が弾んだり、幸せになったり。春子は、そういうみんなの姿を見ているのが好きな人なんだなと思いました。
―西田さんご自身と春子が似ている部分はありましたか?
西田:お母さんという部分では、子どもを思う気持ちなど似ている部分もありました。逆に、春子みたいになりたいと思う部分もあります。でもあれほど立派な料理は作れないので…(笑)。
―春子が料理をするシーンやみんなで食卓を囲むシーンは、料理をするときの音や揚げ物をサクッと頬張る音も印象的で、見ているこちらもお腹が空いてしまいました。
西田:撮影で使用している料理はどれも美味しくて、ご飯のシーンが楽しみになっていました。カットがかかった後も「もうこれ食べていいんだよね」と聞いて食べていました。ローストビーフやカツもおいしかったですし、サラダもビーツなど私の家では作らない組み合わせで、「こういうのもおいしい!」といい刺激を受けています。
―今回の撮影に登場する、調理道具や食器、家具やインテリアなどいろんなところにこだわりが詰まっていましたね。西田さんはプライベートで食器やインテリアにこだわっていることはありますか?
西田:どうでしょう…。こだわっていると言っていいのかどうか(笑)。でも器は好きです。
ロケで地方に行く機会があると器を買って帰ることもあります。波佐見焼や民藝、沖縄のやちむんなどが好きなので、地方で窯を見に行って注文することもあります。最近ですと、九谷焼という色彩豊かで絵柄が特徴的な器を買って帰りました。
「おいしい」がパワーの源。家族と過ごす時間
―今回、『青葉家のテーブル』を見ていて、食事のシーンがやはり印象的ですよね。食事には、一歩踏み出す勇気みたいなものをくれる力があるのかなと感じました。西田さんにとって、そういった活力になるものはありますか?
西田:そうだなあ…。やっぱりおいしいものを食べると元気が出ますよね。私は麺類が好きなので、ひとりでお蕎麦屋さんやおいしい麺類のお店を発掘できるとすごくうれしくなります。あとは、家でたまたま作ったごはんが子どもに好評だったりすると、「こういうのが好きなんだ〜!」と発見があって。ちょっとしたことですけど、それがうれしいです。
―なるほど。おいしいものを食べる喜びと、逆に家族にごはんを作って「おいしい」と言われる喜びがあるんですね。
西田:おいしいと言われるとついうれしくなり、毎回たくさん作ってしまいます。
―楽しそうな食卓が目に浮かびます。ご家族で食卓を囲まれるときや一緒に過ごすときに大切にしていることはありますか?
西田:ごはんを食べるときは、なるべく家族全員で食べるようにしています。どうしても仕事があるときは、私と娘だったり、夫と娘だったりしますが、3人そろうとやっぱり楽しくて、会話も弾みますね。夫と娘もすごく仲が良くて、二人で釣りに出かけたりキャンプに行ったりしています。これから反抗期も来るのかな…とも思いますが変わらず仲良くしていたいですね。
ひとりの時間は、思いつくまま自由に
―女優としてのお仕事はもちろん、母親として子育てに家事と日々忙しいかと思います。西田さんがひとりの時間を過ごすときの気分転換の方法などがあれば教えてください。
西田:私は車の運転が好きなので、仕事がオフの日は車に乗ってぶらぶら出かけています。車の中でセリフを覚えることも多いですし、車でデパートに行ってみたり、いろんな街に出没したりしています。
―車の運転がリフレッシュになるんですね。
西田:そうですね。家にいると、いろんなことが目について「あれもやらなきゃ」「これもやらなきゃ」と、やることがどうしても多くなってしまいますが、車の中は、誰にも邪魔されない個室感がありますし、セリフを覚えるとか、目的があるときはそうしますがあとは自由なので、知らない街のどこかの駐車場に車を停めて思いつくまま行動できるというのが楽しいです。
―最後になりますが、西田さんにとっての小さなしあわせを教えてください。
西田:家事の中だと、洗濯が好きです。洗濯機から洗濯物を出したときの洗剤の匂いも好きですし、外に干したあとの乾いたときの香りもそれだけですごく幸せな気持ちになるというか。だから洗濯物を畳むのも全然嫌じゃないんですよね、無心でできますし。
―香りで気持ちが切り替わるのでしょうか?
西田:なんだろう、「ふあー」って顔をうずめたくなるみたいな、気持ちいいなって思います(笑)。お天気の日だと、よりお洗濯が楽しくなります。
―西田さん、素敵なお話ありがとうございました!今後のドラマの展開も楽しみです。
photo by 忠地七緒
- ■ドラマ情報
- 『青葉家のテーブル』
- ・第一話「トモダチのつくりかた」
- 【ストーリー】
- ⻘葉家はちょっと複雑だ。シングルマザーの⻘葉春⼦(⻄⽥尚美)、その息⼦のリク(寄川歌太)、春⼦の歳の離れた友達めいこ(久保陽⾹)とめいこの彼⽒ソラオ(忍成修吾)が同居している。⻘葉家の家訓は「何をしてもいいから、夜ごはんは家族そろって」。今⽇もテーブルを囲んで⾊んな話をする。春⼦は “中学2 年で友達0⼈・思春期まっただ中のリク” の⼦育てに苦戦しつつも楽しんでいる。そんなある⽇、リクが「学校に⾯⽩そうな⼦がいた」と⾔い出し……。
- ・第二話「君の好きなとこ」
- 【ストーリー】
- 「そういやウチ、こないだプロポーズされちゃった」 平和な青葉家の土曜日の朝、納豆ごはんをかき混ぜるめいこ(久保陽⾹)から突然の報告が。「ただのデートやん」と言い放ち颯爽と出掛けてしまうめいこ。困惑する春子(⻄⽥尚美)とリク(寄川歌太)親子、そしてめいこの彼氏ソラオ(忍成修吾)…。波乱の土曜日がはじまる。
- 「北欧、暮らしの道具店」のYouTubeチャンネルにて配信中。
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- 北欧、暮らしの道具店
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