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    好きを積み重ね、30代を私らしく。高山都さんに聞く本作りと毎日の暮らし

    2017年6月に出版された『高山都の美 食 姿「したたかに」「自分らしく」過ごすコツ。』。

    モデル・女優として活躍する高山都さんが、自分らしく毎日を楽しむコツを綴る本で、発売から1年が経つ今も書店やSNSを中心に人気が広がっています。そして今月31日、待望の第2弾『高山都の美 食 姿 2 「日々のコツコツ」続いてます。』が発売になります。「この本は大人女子のためのヒント集」そう柔らかく語る高山都さんに、2冊目の制作秘話や日々の暮らしについてたっぷりお話を伺いました。

    高山 都(たかやま みやこ)

    1982年生まれ。大阪府出身。ファッション誌のビューティーモデル、ドラマや舞台の出演、ラジオ番組のパーソナリティなど幅広く活動。趣味はランニングと料理。フルマラソンを3時間41分で完走の記録を持つ。自身のインスタグラムでは「#みやれゴハン」として日々のごはんを投稿している。美味しいものと音楽、お酒とランニングをこよなく愛す。

     

    別に素敵じゃなくていい。私のリアルをぎゅっとつめこんだ第2弾

    ―昨年出版された『高山都の美 食 姿「したたかに」「自分らしく」過ごすコツ。』は、日々の暮らしに取り入れられるヒントがぎゅっとつまっていて、スルスルっと読めたのが印象的でした。

    高山都さん(以下、敬称略):ありがとうございます。この世界に入って15年、初めての著書でした。読んでくださる方の気持ちに寄り添って、言葉・写真・タイトル・表紙など1つひとつこだわって制作しました。

    『高山都の美 食 姿 2 「日々のコツコツ」続いてます。』

    ―そして第2弾『高山都の美 食 姿 2 「日々のコツコツ」続いてます。』が今月8月31日に出版されますね。今日はじっくり2冊目の制作や最近の暮らしぶりについてお話を伺えればと思います。まず、2冊目を作ることになったきっかけを教えてください。

    高山:今年2月、1冊目を作りあげた編集チームと我が家で打ち上げをしていたとき、突然編集者さんから「実は…続編の出版が決まりました!」と言われたんです。うれしかったけれど第2弾が出せるなんて思ってもみなかったから、すごく驚きました。正直、1冊目で私の全て出し切ったんです。だから「2冊目を作れるほど、私、そんなに変わってないかも…」ってちょっぴり不安で…。

    高山:そこで「美」「食」「姿」という3つのカテゴリはそのままにして、内容をアップデートしました。たとえば「食」はページ数を増やしています。皆さんから要望が多かった時短レシピや缶詰レシピ、ホームパーティーの準備プロセスなども公開する予定です。「姿」では気持ちの整え方や自宅のインテリア、1冊目には掲載しきれなかった私のファッションなども新たに紹介しています。

    ―2冊目を制作する上でこだわったポイントを教えてください。

    高山:今回、私がいつも使っている愛用品を紹介しているんですけど、ただモノを紹介するのではなく、モノの選び方や付き合い方について書いています。たとえばファッションページではお洋服に加えて「バランス良く見える着こなし」を紹介したり。着こなしのポイントがあれば、みなさん真似しやすいじゃないですか。

    ―たしかに高山さんの書籍に載っていることは、どれも真似できそうなんです。

    高山:「どんどん真似しちゃって!」という気持ちです(笑)。別に「モノを使う私が素敵」ということが言いたいわけじゃないんです。あくまで1つのヒントとしてモノの使い方を紹介したい。そのヒントを真似してもらって、みなさんの悩みやコンプレックスが打破できたら最高にうれしいです。

    高山:あとは料理写真のライブ感にもこだわっています。

    ―ライブ感というのは?

    高山:たとえばカトラリーを入れて少し料理を崩したり、湯気を入れたり、食べているシーンを入れたりして、実際の食卓をイメージしやすいようにページを作っています。あえてぬけ感のある写真・スタイリングにするよう心がけてました。

    『高山都の美 食 姿 2 「日々のコツコツ」続いてます。』より

    ―たしかに1冊目の料理写真がどれもリアルで。「私でも作れるかも?」と思い、実際作りました(笑)。

    高山:ありがとうございます!ただ、実際の撮影現場は戦場でした(笑)。料理も作る、調理風景も撮影する、料理ができたそばからスタイリングするというハードっぷりで!「料理が冷めちゃう!」「この瞬間、撮りたい!」って声が飛び交っていましたね。

     

    とにかくハードルは低く。好きを積み重ねれば個性になる

    ―1冊目、2冊目と作る中で、気持ちの変化はありましたか?

    高山:「自分を良く見せよう」っていう気持ちを捨てられた気がします。編集チームが、はっきり意見を言ってくれる人ばかりで。“素敵な私”ではなく“等身大の私”を届けたいという強い意志がありました。

    個人的には「ありのままの私を見せると、ダサいんだけど大丈夫かな…」という葛藤もありましたが「そんな私も私」と割り切ったら、自分を伝えるのがすごく楽になりました。みんなに素敵って思ってもらいたいわけじゃないし、ひとりの女性の1つのヒントとして読んでもらいたいだけですから。

    ―高山さんの飾らない姿がつまっているから、きっと私たちも構えずに読めるのだと感じます。

    高山:本を作るときに意識しているのが「ハードルを低く、間口を広げる」こと。世の中には美容家、料理人などのプロフェッショナルはたくさんいます。私はプロではないけれど、簡単に真似できそうなコツを紹介して「この分野は意外と楽しいよ〜!」ってみんなに伝えることはできると思うんです。

    ―なぜ、そう伝えたいと思うのでしょう?

    高山:私は19歳の時に大阪から上京したのですが、30歳手前までやりたいこと・好きなことが分からずもがいていました。そこからなんとか抜け出したくてまず情熱を注いだのが「音楽」。いろんなアーティストの音楽を聴き、毎週のようにライブに足を運んでいたら、なんとなく答えが見えてきたんです。

    高山:それは幼い頃から1つのことに打ち込んできた人にはかなわなくても、何か1つを長く続ければ自信となり、自分の柱となってブレなくなるということ。

    私の柱は音楽、ランニング、料理。どれも20代後半から本格的に始め、続けてきたものばかりです。小さなことの積み重ねが仕事、そして書籍の出版につながりました。だから私はみんなが何かを始め、好きになるきっかけを作りたい。結果的にその人自身の魅力につながったり、昔の自分のようにモヤモヤ悩む人の突破口になればうれしいんです。

    ―では好きへの入口が本の中にたくさん散りばめられているんですね。

    高山:そうそう!この本を読んで好きの芽を見つけられたらラッキーじゃない?と思っていて。そのくらい軽い気持ちで読んでもらえたらいいな。

     

    私は私。悩みはチャームポイントに変換していけばOK!

    ―第2弾『高山都の美 食 姿 2 「日々のコツコツ」続いてます。』でも紹介されるそうですが、昨年、新しい家にお引越ししたんですよね。

    高山:そうなんです。窓が大きくて、部屋にたっぷり光が入る所がお気に入りです。朝起きてダイニングで「今日は何しよう?」って考える時間が好き。原稿を書いたり、ごはんを食べたり、夜はひとりでお酒を飲んだり。満喫しています。

    ―最近大事にしている日々の習慣をぜひ、聞かせてください。

    高山:最近、日本茶に夢中です。日本茶をいただいたり、旅先で急須を買ったことを機にお茶を淹れるようになりました。執筆の合間や、友人が来てくれたときにちょうど良いんです。今年6月、佐賀の茶畑で茶摘みをしたり、作る過程を見学したりして、さらに好きになりました。

    あと、旅先から器やお茶などを持ち帰り、日々の暮らしに取り入れることが好きです。たとえば旅先で買った器を普段使うと、その時の空気感を思い出して日常が楽しくなる気がして。私にとって旅は現実逃避ではなく、今の暮らしを好きでいるためのもの。東京で楽しく生きていくために旅をしているんです。

    ―東京を楽しむために旅をするという観点が新鮮です。

    高山:旅をすることで、興味や行動範囲が広がり、それが東京の暮らしや仕事につながっていく気がするんです。最近、点と点がつながってご縁になることが多くて。だからピンと来たことや「好き」と思ったことは、フットワーク軽く行動するよう心がけています。

    ―自分の気持ちに正直になり、行動に移すことって大切ですよね。

    高山:最近さらに「好き」という気持ちを大事にするようになりました。今の家に引っ越したとき、本当にゼロから始めて…。ひとりでたくさんは所有できないから、色んなモノを捨てたし、捨てたことで改めて「こんなにたくさん捨てるものがあったのか…」と気づきました。

    だから「これからは好きなものだけを大事に集めよう」と決めて。欲しいか、似合うか、使いこなせるかを考えてからモノを買うようにしています。フィットするものだけを買うという線引きができたことで、お金の無駄遣いが減りました。

    ―心地良く生きるために、他にも実践していることがあれば教えてください。

    高山:たとえば普段、マニキュアを塗ることをやめました。ネイルに気を配ることはすごく素敵ですが、日が経つにつれて剥げていくのが気になってしまって。その代わり、お気に入りの指輪をつけて指先のおしゃれを楽しんでいます。

    ―今日の指輪もとっても素敵です。

    高山:料理をするから手もボロボロになっちゃって、おばあちゃんみたいな手だな〜って思うこともあるんですけど(笑)。じゃあそのすっぴんの爪をどう楽しもう?と考え方をスイッチすると結構楽しいんです。一見ネガティブに思えることは全部ポジティブに変換していけばいい。その結果、自分が選ぶことに対して堂々としていればいい。

    ―そう思えるようになったきっかけは何でしょうか。

    高山:年を重ねるにつれて自信がついてきた部分はあると思います。もちろん、悩みもあるんです。体力が落ちてきたとか、ほうれい線が消えないとか…でもその悩みもチャームポイントに変えていければいい。

    あとは自分の役割に気付けたことも大きいかもしれません。私には一途に打ち込めることはなかったけれど、一途に作られたモノの魅力を伝え、届けることはできる。そんな自分の持ち味に気付いたとき、堂々とできるようになった気がします。誰かと比べるのではなく、私は私で良い。目の前のことに対して夢中になっていれば誰だって魅力的なはずだから。

     

    書籍、イベント、プロデュース…ジャンルレスな自分でいたい。

    ―高山さんが、今後挑戦したいことがあれば教えてください。

    高山:9月1日から〜28日まで、代官山 蔦屋書店の1階で『「高山都の美 食 姿」展』というフェアを開くことになりました。テーマは「私の部屋」。器、洋服、食品など、私が普段使っていたり2冊目で紹介したりするモノを集め、ポップアップストアを開きます。それがこの夏いちばんの挑戦です。

    ―なんて素敵なんでしょう!

    高山:実際に窯元や工場に足を運び、モノを目で見て感じて、心から素敵と思ったモノを紹介する予定です。今はSNSで情報を得られる時代だけど、わざわざお店に足を運びたくなって、ワクワクを共有できる場を作りたいです。もちろん私も店頭に立ちますよ〜!

    今まで長くモデル・女優として表に出る仕事をしてきましたが、最近は裏方として、モノの魅力を伝え、届けることがすごく面白い。今後はお店のプロデュースや買い付けなどにも興味があります。ジャンルや肩書にこだわらず、ひとりの人間・高山都として挑戦していきたいです。

    ―ますます活躍の幅が広がりますね。最後に『高山都の美 食 姿 2 「日々のコツコツ」続いてます。』をどんな方に読んでもらいたいか教えてください。

    高山:たくさんの人に読んでもらいたいですが、中でも人生の方向性や自分の居場所に悩んでいる人に読んでほしいです。この本はヒント集なので、1つのコツ、1つの生き方、1つの暮らしをちょっと試してみるくらいの気持ちで、気楽にページを開いてもらえたらうれしいです。

    あと、本ではSNSに載せないリアルな葛藤や想いも書いています。1冊目では昔、モデルをしながらバイトをかけもちしていたことを、2冊目では引越しをして新たな生活を始めて感じたことを綴っています。どんな人生にも岐路はありますよね。そこも包み隠さず書くことで、「悲しい想いをしたとしても、元気に生きていけるよ」ってメッセージを伝えられると良いなと思います。

    ―そんな姿に共感する人もたくさんいると思います。

    高山:ありがとうございます。皆さん、書店で見かけたらぜひ手に取ってみてくださいね。

    高山都さん、ありがとうございました!

     

    • ■書籍情報
    • 高山都の美 食 姿 2 「日々のコツコツ」続いてます。
    • 著者:高山都
    • 出版社:双葉社

     

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