世界一のワイン消費国フランスでは、白ワインよりロゼワインの方が多く飲まれているのをご存知ですか?また、アメリカでもここ数年、ロゼワインの売上が伸びているとのこと。そして、最近は日本でもワインショップやレストランでロゼワインの取り扱いが増えました。今、世界的にロゼワインが人気なのです。でも、なぜ今ロゼワインがブームなのでしょうか?
今日は改めてロゼワインについておさらいするとともに、ロゼワインのおいしい飲み方をご紹介したいと思います。
ロゼワインが流行しているわけ
今、ロゼワインが流行している理由はいくつか考えられますが、まずはやはり、一昔前よりロゼワインが断然おいしくなったからでしょう。もちろん以前からおいしいロゼワインはありました。でも、日本で見かけるロゼワインは甘口が多く、また、赤ワインを造る過程でできた副産物というイメージが強かったと思います。
けれども最近は、食事に合わせるのはもちろん、ワインだけで飲んでもおいしいロゼワインが増えました。その理由のひとつに、生産者の意識が時代とともに変化したことがあげられます。原料となるブドウ本来の美味しさを、ワインにストレートに表現しようとする造り方に変わってきたのです。これはロゼワインに限ったことではありませんが、特にロゼワインの品質にこの変化が顕著に現れたのだと思います。芳醇で、色は薄いピンク色ながらひと口に飲めば凝縮した果実の味わいがしっかりと感じられる、華やかな風味のロゼワインが増えたのです。
また、近年のロゼワインブームは世界的な日本食ブームや健康志向に見られる食のライト化、オーガニック市場の広まりなどが要因とも言われています。特にアメリカではこういった理由からロゼワインが流行していると言われています。
そもそもロゼワインって何?
今さらですが、ロゼワインは赤ワインと何が違うのでしょうか?色の濃淡だけでしょうか?
ロゼワインは基本的に赤ワインと同じ、皮が黒いブドウを原料として造られます。ワインを赤く染めるのは主に原料となるブドウの皮ですから、ロゼワインを造る場合は、赤ワインを造る時と同じ要領でブドウの皮や種と一緒にしばらくブドウの身を漬け込み、ほんのり色付いたところで搾汁します。主に濃い色合いのロゼワインはこの方法で造られています。
また、黒ブドウを使って白ワインと同じ要領でロゼワインを造る方法もあります。白ワインは皮と種を取り除いてから発酵させますから、ロゼワインを造る場合は、黒い皮がついたままのブドウを直接圧搾すれば、ジュースに自然と色が付くというわけです。この方法では、比較的色の薄いロゼワインができあがります。
いずれにせよ、ロゼワインはその造り方からも想像できるように、一般的に赤ワインほど渋みがなく白ワインより酸味がおだやかなバランスのとれた味わいになるのです。
ちなみに、フランスでは赤ワインと白ワインを混ぜ合わせてロゼワインを造ることは禁止されています。許されているのはシャンパーニュのみ。ロゼのシャンパーニュに限って、白ワインと赤ワインを混ぜて造っても良いことになっています。
ロゼワインのおいしい飲み方
ロゼワインは白ワインと同じようにしっかり冷やして飲みましょう。グラスの中で少しずつ温度が上がってくると、また違う香りや味わいを楽しめることがあります。
そして、ロゼワインはどんなお料理とも合わせられる万能選手。特に夏に食べたくなるレモンやビネガーを使ったさっぱりした味付けのお料理や、スパイスの効いたアジア料理などと相性がとてもよいのです。夏場にロゼワインをおすすめする理由がここにあります。
また、日本の家庭料理ともよく合います。肉や魚、野菜料理が同時にならぶ日本の家庭の食卓には、赤ワインと白ワインの両方の要素を兼ね備えたロゼワインがぴったりなのです。
なお、ロゼワインを選ぶ時は色合いで判断するとよいでしょう。淡い色合いのロゼワインは、出汁で味付けした薄味のおかずや、洋風ならフレッシュトマトのソース、チーズなら熟成の若いカマンベールやシェーブルチーズと。
濃い色合いのロゼワインには、醤油などでしっかり煮込んだおかずや、煮詰めたトマトソース、熟成したハードタイプのチーズとよく合うでしょう。暑い夏はしっかり冷やしたロゼワインをご家庭でも気軽に楽しんで下さいね。
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