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    行列のできるイタリアン『Don Bravo』が手がけるカジュアルピザ。国領『CRAZY PIZZA』

    地域の人たちはもちろん、数々の食通にも愛される東京・国領のイタリアン『Don Bravo(ドンブラボー)』。都心から少し離れた場所にありながら多くの人々を惹きつけてやまない同店のオーナーシェフ・平雅一さんが、新店舗となる『CRAZY PIZZA(クレイジーピザ)』を2020年6月にオープン。料理に込めた想いやこの町にレストランを構える理由、東京のレストランシーンをさらに盛り上げるために今後挑戦したいことについてお話を聞きました。

     

    店を構えるのは、平さんが通った母校の目の前

    新宿から京王線でおよそ30分、国領駅から5分ほど歩いた場所に『CRAZY PIZZA』はあります。店の目の前には保育園と中学校があり、明るくのどかな雰囲気。キャッチーなロゴと、ニューヨークのピザスタンドのようなスタイリッシュな店構えが目印です。

    『CRAZY PIZZA』と『Don Bravo』を手がけるオーナーシェフ・平雅一さん

    「この保育園と中学校は僕の母校なんです」と話すオーナーシェフの平さん。

    「僕が独立して初めてのお店『Don Bravo』では、自分たちのやりたい料理を追求するうちにコースの価格が上がってしまったんです。地元の方々にとっては“ハレの日のレストラン”という印象に。しかも今では遠方からのお客さんが多く、地元の人たちがなかなか予約できない状況になってしまいました。

    多くの方に来ていただけるのはうれしい反面、やっぱり近所の人たちに身近な存在でありたい。そこで、オープン当時に来てくれていた地元の人たちにも喜んでもらえるような、カジュアルな店を改めて作りたいと思い『CRAZY PIZZA』を始めたんです」。

     

    生地に独自の素材をプラスし、より深みのある味わいに

    人気の「マヨコーン」(左)と「クレイジーマルゲリータ」(右)のハーフ&ハーフ。オーガニックのとうもろこしペーストと自家製焼肉ソースが相性抜群のマヨコーンは、上にかかった山椒がピリッとアクセントに!

    「本物の味をカジュアルに」という平さんのピザにはどんなこだわりがあるのでしょうか?まずピザの要となる生地には、三重県産の国産小麦『ニシノカオリ』の強力粉と茨城県産の全粒粉を使用。鮮度を考えて全粒粉は2週間ごとに挽きたてを届けてもらっているため、常にフレッシュで香りが豊かなのだそう。

    生地は粉に天然水を加えて作るのが一般的ですが、『CRAZY PIZZA』では“玉ねぎ水”を使用しているのも特徴。“玉ねぎ水”とは、生の玉ねぎと天然水をミキサーで回して、何日か寝かせた後に裏ごししたもの。平さんがイタリアの調味料「ソフリット」から着想を得たこの水が、生地に奥深い風味を加えてくれるそうです。

    「クレイジーマルゲリータ」には、なんと通常の約3倍のモッツァレラチーズが!ボリューム満点ですが、次から次へと食べられてしまうおいしさです

    「以前、代々木上原のレストラン『sio』の鳥羽周作シェフとコラボして、那須のゲストハウス『chaus』で牛一頭を料理するイベントをしました。その際、どうしてもホエーが余ってしまうという話を聞いて、どうにか使いたいなと思いました。試しにホエーをピザ生地に入れてみたら、同じ乳製品であるチーズとすごく相性が良かったんです!」と平さん。試行錯誤を繰り返し生地は今なお進化し続けていて、現在は一番だしや麹を使った生地作りにチャレンジ中なのだとか。

    テイクアウトの際に使用するピザ箱もチャーミング

    一方で、生地の上にのせる野菜やチーズにはそこまで強くこだわっていないと平さんは話します。

    「自分の目で見ていいなと感じたものであれば、普通にスーパーの野菜を使ったりもしますよ。極上の食材ばかり使うと値段が上がってしまうし、そうではない食材でもおいしく料理するのが僕らみたいな価格帯の飲食店の仕事だと思うんです。

    例えば、コースの中の1品や2品で旬の食材を使ったものを出して、その前後には手ごろな食材をおいしく料理したものを出す。そういうふうに、全体のバランスを見て満足してもらう料理を作っていきたいんです」。

     

    カジュアルなピザスタンドでオーセンティックなイタリアン

    「魚介のすり身とブイヤベース」。リヨンの郷土料理「クネル」の下に焼きリゾットが敷かれていて、ひと口味わうごとに奥深い風味が広がります。ハリッサで味変も楽しめます!

    『CRAZY PIZZA』では、イタリアで4年ほど修行した柴田正幸シェフによるアラカルトメニューも楽しめます。昔から愛されるクラシックなイタリア料理を中心に、煮込み料理やラザニアなど、ここでしか味わえない本格的なメニューが揃っています。『Don Bravo』のコース料理で余ってしまった食材を活用することも多く、食品ロスを避けるためにも役立っているのだとか。

    左から、みかんと青柚子を使った「発酵ジュース」と優しい甘みと香ばしさが特徴の「ほうじ茶コーラ」。

    そしてお客さんの間でも話題になっているのが、「ほうじ茶コーラ」や「台湾茶」、「発酵ジュース」といったユニークなドリンクメニュー。ピザといえばコーラやビールというイメージが強いですが、生地との相性を考えて“香ばしさ”を持つドリンクが揃っています。コーラにはほうじ茶を、レモンサワーには麦焼酎を加えることで、ピザとよくマッチしています。

     

    子どもたちに食材や料理について学ぶきっかけを与える

    平さんのこの町に対する温かい想いは、料理にも表れています。15歳以下向けに100円で提供しているキッズピザは、“子どもたちにちゃんとしたものを食べてもらいたい”という願いを込めて誕生したメニュー。そこには、大きく分けて3つのコンセプトがあるのだと言います。

    「1つ目は、農家さんが無償で提供してくれた“訳あり野菜”を使うことです。傷がついていたり小さかったりすると捨てられちゃうこともあるけど、ピザにすればこうやって食べられることを子どもたちに伝えたいんです。

    2つ目は、嫌いな食材を食べられるようになってもらうこと。例えば、ピーマンを嫌いな子どもに対して細かく切ってカレーに入れる方も多いと思います。でも僕は、ちゃんとピーマンの見た目が残った状態で食べられたらいいなと思っています。ピザってキャッチーな食べ物だから、子どもたちも『ちょっと試しみようかな』と思ってくれるんですよ。まずはピザをおいしいと思ってもらって、苦手な野菜にまた挑戦してみようかなと思うきっかけになったらいいなって(笑)」。

    「3つ目は、“本物の味”を知ってもらうこと。恵比寿のミシュラン1つ星レストラン『TACUBO』のオーナーシェフ・田窪大祐さんが、キッズピザ用にボロネーズソースを提供してくれているんです。全国からめちゃくちゃいい肉を仕入れているから、ものすごくおいしいんですよ!

    SNSで紹介すると、全国のグルメな人たちが『食べたい!』とコメントをくれるんですけど、これは子どもだけのメニュー。子どもに本物の味を食べてもらうためにやっているので、ご了承ください(笑)。大人と子どもが一緒に安心でおいしい料理をカジュアルに食べられるお店が近所にあると、外食することが少し楽になるのではないでしょうか」。

     

    “この場所でやる意味”を軸に、地域に密着した店づくりを

    楽しそうな雰囲気で店を盛り上げているスタッフのみなさん

    2019年末から店の構想を練り始め、開店予定だった2020年4月は新型コロナウイルスによる外出自粛の最中。予定を変更して6月にオープンした『CRAZY PIZZA』の今後について、平さんはこう語ります。

    「『CRAZY PIZZA』はここでやる意味を大切にしながらゆっくり成長していきたいなと思っています。それとは別に、他の会社と協力してもう少しスピード感を持った店舗展開も計画中。そっちが軌道に乗ったら、僕の目指す“地域密着型”の店作りに注力していきたいですね。僕は自分のやりたいことをもうやれてるんですよ。好きな人たちと好きな料理を作って、お客さんとスタッフに喜んでもらえればそれでいいんです」。

    料理と地域、お客さんへのピュアな愛情にあふれる『CRAZY PIZZA』。温かい情熱を持ったこの店が、今後どのように進化して、東京のレストランシーンに変化をもたらすのか、これからますます目が離せません!

     

    • ■お店情報
    • 『CRAZY PIZZA(クレイジーピザ)』
    • 住所:東京駅調布市国領町3-10-37 メゾンあいだ
    • 営業時間:Lunch 11:30-14:00 / Dinner 17:00-22:00
      定休日:水曜日
    • HP:https://crazypizza.donbravo.net/

     

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