シンプルで上質なライフスタイルを提案するWEBマガジン “パリマグ”
  • BREAD

    西京味噌に漬け込んだレーズンがぎっしり!地域に根差したパン屋『イチカベーカリー』の「もっちりコク甘みそレーズン」

    北千住駅西口から歩いて約15分。賑やかな商店街を抜けて日光街道を渡れば、お店の数はぐっと減り、住宅街が広がります。2018年3月に千住寿町にオープンし、夫婦二人三脚で経営する地域密着のパン屋さん『イチカベーカリー』を取材しました。

     

    たくさんの種類を少しずつ。お客さんのニーズに合わせたバリエーションが魅力

    両手を広げたくらいの大きさのショーケースには、クリームパンやメロンパンなどの菓子パンから、バゲットやカンパーニュといったハード系パンまで、約40種類が所狭しと並びます。

    「小さい頃から、将来はものづくりの仕事がしたいと考えていました。学生時代に住んでいた三軒茶屋に、個人経営のベーカリーがあって。そこで買ったパンがおいしくて、レシピ本を読んだりしながら自宅でパン作りを試してみたところ全くうまくできなくて…(笑)。パン作りの難しさとおもしろさを目の当たりにした瞬間でした」。

    こう話してくれたのは、『イチカベーカリー』の店長でパン職人の尾関智之さん。大学卒業後、大手ベーカリーに約12年間勤め、パン作りの技術を身に付けました。独立後、自宅の1階部分をパン工房に改装。住宅地にひっそりと佇む小さなお店ですが、開店と同時に次々とお客さんが集まり、販売を担当する奥さんの沙織さんの明るい接客と、香ばしいパンの香りに道ゆく人の足が止まります。

    当初、バゲットなどの欧風のハード系パンをメインにしようと考えていた尾関さんですが、いざ開店してみれば、お子さん連れのお客さんが多く、菓子パンや、アレルギー対応の米粉パンなど、ニーズに合わせて品数を充実させていったそうです。

    「できることはなんでもやりますよ」と笑顔を見せる尾関さんのこだわりは、パン生地の風味と食感。自家製のルヴァン種を起こして全てのパンに使用し、生地を長時間発酵させて仕上げます。棚に並べられる数が限られているため、中には3個しか作らないという種類もあるそう。

    もっちり、しっとり、サクサク、ふわふわ。パンの種類によって、さまざまな食感が楽しめるうえに、スイーツ系の甘いパンから、シンプルな食事パンなどの多彩な品揃えからは、「どんなお客さんのニーズにも応えたい」というパン職人としてのこだわりが感じられます。

     

    大賞受賞の「もっちりコク甘みそレーズン」と、地域コラボから生まれた「Tamaカフェオレあんぱん」が人気商品

    尾関さんが開発した「もっちりコク甘みそレーズン」は、「カリフォルニア・レーズン・ベーカリーコンテスト」の大賞を受賞した自信作。粉の量に対して120%のレーズンをたっぷりと混ぜ込み、玄米を入れてもっちりとした食感に仕上げています。

    ひと口頬張れば、外側がパリッと、中はしっとり、もっちりとした食感で、西京味噌に漬け込んだレーズンの甘じょっぱさが、後を引く味わいです。そのままはもちろん、スライスして軽くトーストしてからバターやクリームチーズをのせて食べてもおいしい一品です。

    また、今年9月に店頭に登場して以来、完売必須の人気商品となっている「Tamaカフェオレあんぱん」は、お店から徒歩圏内にあるコーヒーロースター「Tama Coffee Roaster」とのコラボ商品です。デニッシュあんぱんの中に、細かく挽いたコーヒーを混ぜ込んだカフェオレクリームがたっぷり。あんこの優しい甘さにコーヒーの香りがマッチしたスイーツパンに、早くもファンが付いている様子。

    「Tama Coffeeさんは、今年の6月にオープンした新店です。開店してすぐの頃、コーヒーを飲みに行って、店長さんと話しているうちに『何かコラボしてみましょうか!』ということに。コーヒーの香りがしっかり感じられる商品にするために、何度も試作を繰り返し、試行錯誤の末に生まれたパンです」。

    他にも「プルーン・クルミ・クリームチーズのバトン」や「チーズカレーフランス」など気になる商品がたくさん!どのパンも少量ずつの仕込みのため、夕方には売り切れてしまう日も多いとのこと。手に入れたい商品がある場合は、午前中早めの来店か、予約しておくのが良さそうです。

     

    冷凍パンの発送サービスで、3000円相当のパンセットをお得にゲット!

    『イチカベーカリー』では、1年前から冷凍パンの発送サービスをスタート。デニッシュや菓子パン、ライ麦パン、フランスパンなど内容はお任せで3000円相当のパンを一箱に詰め込んで2500円+送料で冷凍発送してくれます。

    「余ってしまったパンがもったいなくて始めたサービスです。今は注文を受けてからの受注販売が中心。雨天時などでパンが余りそうなときは、SNSで募集をかけることもあります」。

    宣伝よりもおいしいパン作りに力を入れていたところ、小学校が近くにある立地から子連れのお母さんも多く、ママ友同士の口コミで徐々にお客さんが増えてきたそうです。オープンからまもなく3年。最近では平日の昼間でも、パンを買い求めるお客さんが列を作ることも珍しくありません。

    小学1年生と3年生のお子さんのパパ、ママでもある尾関さん夫婦。子育てがひと段落したら、イートインスペースを設けた店舗も考えたいとのこと。

    最後に店名の由来を伺うと、「娘の名前の漢字の読み方を変えたものです。子どもを大事にするように、パン1つひとつを大切においしく作っていきたいという思いを込めました」との答え。

     

    アットホームな雰囲気と、また食べたくなる優しい味わいの理由がわかったような気がしました。

     

    • ■お店情報
    • イチカベーカリー
    • 住所:東京都足立区千住寿町27-5
    • TEL:03-5244-2340
    • 営業時間:10:00〜 売り切れ次第終了
    • 定休日:日、月、木曜日(他、不定休あり)
    • Instagram:@ichikabakery

    ※記事の内容は取材当時のものです。 最新の情報は、お店のHP、SNSなどをご確認ください。

     

    ■一緒に読みたい記事

    アールグレイの豊かな香りとなめらかな口どけにうっとり!北千住『SUZA bistro』の紅茶クリームパン

    リンゴ本来のおいしさをギュッと凝縮!『リンゴリらっぱ』のリンゴジュース

    10種類以上の小麦粉を巧みに使い分け。“小麦粉マニア”の店主が焼き上げるパンやお菓子と出会える下北沢『boulangerie l’anis』

    PARIS mag OFFICIAL Instagram
    キャラWalker