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    授業で描いた “理想のパン屋さん”が現実に。夫婦二人三脚で営む『三角屋根 パンとコーヒー』

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    今回は、おしゃれエリアとして人気な葉山にある『三角屋根 パンとコーヒー』をご紹介します。地元の方々から愛されるこのパン屋さんですが、最近では逗子・葉山エリアの観光帰りに訪れるお客さんも増えているんだそう。実際に訪れてみると、わざわざ足を運びたくなるおいしいパンとコーヒー、そして癒しの空間が広がっていました。

     

    妻はパン、旦那はコーヒー。夫婦二人三脚で営む『三角屋根 パンとコーヒー』

    逗子駅からバスにゆらゆらと揺られて約20分。森戸神社のバス停を降りると、すぐ目の前に大きな三角屋根のパン屋さんがあります。その名も『三角屋根 パンとコーヒー』。まるで絵本に出てくるようなかわいらしい外観。平日にも関わらず、オープン直後の12時にはすでに多くの地元の方が訪れていました。

    左がコーヒー担当の一道さん、右がパン担当のゆかさん

    『三角屋根 パンとコーヒー』を経営するのはこちらのご夫婦。パンを担当しているのがゆかさん、コーヒーを担当しているのが一道さんと、夫婦二人三脚で経営されているとのこと。「私はコーヒーが苦手だし、旦那さんはパンの焼き方を知らない。だから、どっちかがいないとできないんです。それぞれができることを集めて、ここで一緒にやっているって感じです」とゆかさん。

    専門学校で出会ったおふたりは、2017年に『三角屋根 パンとコーヒー』をオープンしました。まるで絵本に出てくるような三角屋根の外観は、ゆかさんが専門学生時代に授業で描いた“理想のパン屋さん”をそのまま再現したのだそう。
    「バス停はもともと、もう少し離れた場所にあったんですけど、開店と同時に、気づいたら目の前に移動していました(笑)。本当に絵に描いたようなパン屋になりました」と、笑顔でおっしゃるゆかさんの夢がたっぷり詰まったお店です。

     

    毎日食べられる“シンプルな定番品”をコンセプトに

    お店のコンセプトを伺うと“シンプル”のひと言。季節や流行に左右されず、毎日食べられる定番のパン作りを意識しているそうです。「今は20〜30種類のパンを置いています。季節によって変わるのはフルーツサンドの中身くらいで、意図的に“シンプルな定番品”を作るようにしています」とゆかさん。

    人気の商品は毎日の朝ごはんに最適な食パン。「角の食パン」「山の食パン」「はちみつ食パン」の3種類が揃っています。「角の食パン」は国産小麦を使った優しい仕上がり。「角の食パン」は焼かずにそのまま、「山の食パン」はトーストで食べるのがおすすめなんだそう。

    3種類それぞれ使用している生地も異なっていて、はちみつ食パンはほんのり甘く、子どもにも人気な商品です。12時オープンのお店ですが、「角の食パン」は売り切れることも多々。バターも何もつけず、そのまま召し上がる方が多いようです。

    レジ横にはパンの耳のみの販売も

    なんと、食パン好きには嬉しい「角の食パン」の耳のみの販売も…!スティック状の耳の販売もあるようで、お店でおやつのようにそのままペロッと食べてしまう方もいるそう。

     

    人気のサンドイッチを作ったのも、食パンを食べてみてほしかったから

    お客さんからは、たまごサンドやハムチーズサンドも不動の人気。サンドイッチも「角食パン」が使用されています。手で持つのも慎重になってしまうくらい、柔らかくてフワッフワの食パン。少量のディジョネーズがほんのりかかったシンプルな味わいで、何より食パンの柔らかさに感動しました。

    「実は、これらのサンドイッチを作ったのも、お客さんに食パンを食べてみてほしかったからなんですよね。1回お店でサンドイッチを食べてくださった方が、『これどの食パン使ってるの?』と聞いてくれるようになって、だんだんと食パンが一番人気になっていった感じなんです。『おいしいよ!』と口頭で説明するよりも、実際に食べてみてもらうのが一番ですね(笑)」とゆかさん。

    サンドイッチ、食パン以外にも、こちらの大きな「白餡パン」も人気なんだそう。弾力のあるモチモチのパンに、ほんのり甘い白餡が。

    ズッシリとした重量感と、大きいけどペロッと食べ切れてしまうシンプルな味わい。ほんのり甘い白餡とコーヒーの相性も抜群です。

    素材はシンプルですが「自家製コーヒーチョコフランス」や「りんごとマカデミアナッツのカンパーニュ」など、ユニークな組み合わせのパンも多数ありました。その組み合わせの発想を伺うと、「自分が食べたいと思うものを作っているだけなんです」とゆかさん。
    「これ食べてみたい!とハッとアイデアが閃くようなイメージでしょうか(笑)。自分が食べてみたい組み合わせのものを作ってみて、ダメだと思ったらお客さんには絶対に出さない。そんなシンプルなルールで作っていますね」。

     

    選ぶ基準は「コーヒーが苦手な奥さんが飲めるもの」

    『三角屋根 パンとコーヒー』のもう1つの魅力は、やはりコーヒー。一道さんは、コーヒーのキオスクとも呼ばれる『BE A GOOD NEIGHBOR』でエスプレッソマシーンやドリップの勉強をしていたのだそう。
    「コーヒーに興味を持ったのは完全に奥さんの影響です。うちの奥さん、コーヒー飲めないんですよ。でも、そんな奥さんが『BE A GOOD NEIGHBOR』でカフェラテを飲んでみたら、これなら飲める!と。ちょうど店員募集が出ていたので、入るのを決めました」。

    コーヒーはブレンドが1種類、あとは各国のシングル豆が並んでいます。基本的には苦くないもの、コーヒーが嫌いな人でも飲めるものを選んでいるそう。
    「毎回、奥さんにカフェラテを飲んでみてもらって、味を調整しています。だから、選定基準は奥さんが飲めるかどうか(笑)。コーヒーが苦手な人でもここのなら飲めるとおっしゃってくれるお客さんも多いんですよね」。

    パンとコーヒーの組み合わせももちろんですが、お店のスタッフさん手作りのケーキと一緒にいただくことも。夕方には、自家製オニオングラタンスープとコーヒーを注文して、ほっとひと休みしていかれるお客さんも多いそうです。

     

    お客さんが思う存分くつろげるシンプルな空間づくり

    そんなゆかさん、一道さんそれぞれのこだわりと好きが詰まった『三角屋根 パンとコーヒー』。最後に、リラックスできる空間づくりについてもお伺いしました。

    「そもそも2人でやるつもりだったので、バタバタ忙しい感じの店内にはしたくなくて、静かにくつろいでもらいたいという思いがあったんです。だからコンセントつけたり、ゆらゆら揺れるロッキングチェアーを置いたりして、静かにゆったりすごしてね!という感じのインテリアにしています(笑)」と一道さん。

    ゆかさんと一道さんによれば、厨房内は1日中バタバタなのだとか。でも、まったくそうは感じさせない癒しの空間が『三角屋根 パンとコーヒー』には広がっています。日当たりも良く、パンを食べ終わった後はコーヒーを飲みながらロッキングチェアでゆらゆら。ゆかさんと一道さんの戦略通り、思わず長時間まったりと過ごしてしまいそうです。

    一道さんとゆかさんをイメージしたオリジナルキャラクター

    それぞれの得意分野を持ち寄って、夫婦二人三脚で営む『三角屋根 パンとコーヒー』。シンプルだけれども、ここでしか味わえない優しいパンとコーヒーが地元の人たちを虜にする理由なのかもしれません。ぜひ、葉山観光の際に訪れてみてはいかがでしょうか?

     

    • ■お店情報
      三角屋根 パンとコーヒー
      住所:〒240-0112 神奈川県三浦郡葉山町堀内1047-3
      営業時間:12:00〜17:00
      定休日:月曜、木曜、金曜
      HP: http://sankaku-yane.net/home/
      Instagram:@sankaku.yane

    ※記事の内容は取材当時のものです。 最新の情報は、お店のHP、SNSなどをご確認ください。

     

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