赤、白、そしてロゼ。ワインは大きく分けるとこの3種類があります。まだまだ日本では、赤ワイン、白ワインが定番ですが、ロゼワインを専門に取り揃えたお店が中目黒と池尻大橋の間のエリア“中目尻”に登場。近頃、世界的にもロゼワインが空前のブームということで、さっそく気になるお店に行ってきました!
ビストロシェフが手がけるロゼワインとサンドイッチのお店
2017年10月13日にオープンした『sandwich store(サンドイッチ ストア)』。ランチタイムはもちろん、15時からはおつまみと一緒に、ディナーでもサンドイッチとともにロゼワインをじっくり堪能することができるお店です。
オーナーシェフの菅原さんは、『sandwich store』と道路を挟んで真向かいにある『bistrot 13区(ビストロ ジュウサンク)』のオーナーでもあります。もともとディナータイムをメインにビストロで料理を作ってきた菅原さん。新たに、昼時から始まる『sandwich store』をオープンされたきっかけや、ロゼワインの魅力についてお話を聞いてきました。
おいしいロゼを知るきっかけに
『sandwich store』で取り扱うワインはロゼワインのみ。菅原さんにその理由を伺いました。
「ロゼワインは本当においしいんですよ。ここ最近、おいしいロゼワインが増えてきて、実際に試飲会に行っていろいろなワインを見てきたなかでも『こんなにおいしいワインがあるんだ!』と実感しています。
でも、お店でワインリストを赤・白・ロゼでおすすめを持っていくと、決まってロゼがはじかれてしまうんですよ。そこで、どうしたらロゼワインを飲んでもらえるかな…と考えて、赤・白をなくし、ロゼワインだけにしたんです(笑)」と菅原さん。
肉料理と言えば赤ワイン、魚介なら白ワインというように、つい定番の組み合わせを選びがち。ですが、案外その定番にはまらないものもあるのだそうです。
そのなかでも、ロゼワインはとても万能。お魚を食べてお肉も食べて、ちょっとずついろんなものを食べる日本の食事のスタイルのなかで、さまざまな料理に寄り添ってくれるワインなのだそうです。
お店では、常時60種類くらいのロゼワインを用意。すべて菅原さんがセレクトしています。
「ひと口に“ロゼワイン”と言っても、色も味も本当にさまざまなので、おもしろいですよ。ロゼワインというジャンルの曖昧さも魅力だと思います。常温でお出ししている、限りなく赤ワインに近いものもあれば、冷やしておいしい白ワインのようなものもある。最近はオレンジワインに近い作り方をしているものもありますし、作り手さんの個性や特徴もあって。全部“ロゼワイン”なのに、全然違うんですよね」と教えてくれました。
もともとは、ボトルでの提供をメインに考えていたそうですが、最近は「いろいろな種類のロゼワインを飲んでもらいたい!」と、グラスで楽しんでもらうことをおすすめしているそう。日ごとにワインリストもありますが、お客さんの好みやお料理、その日の気温や湿度に合わせて菅原さんがおすすめを教えてくれますよ。
フレンチをサンドしたサンドイッチ
お昼の時間帯から楽しめるメニューをということで、「ビストロでの経験を活かせて、おいしくて、お客さんに喜んでもらえるもの」を考え、フレンチのエスプリが詰め込まれたサンドイッチのメニューに。
ランチメニューのサンドイッチは5種類。そのうち1種類は週替わりで、毎週テーマが変わります。
訪れたときの週替わりサンドは「スモークチキンとポテトのラヴィゴットソース」。
ラヴィゴットソースは、フレンチの定番ソースで、ピクルスやケッパーを刻み合わせた酸味が効いたさっぱりとしたソースです。スモークの香りにうまみが詰まったしっとりとしたチキン、ダイス状にカットされたジャガイモと、それぞれの違った食感もまたおもしろい!
サンドするパンは、菅原さんが好きだという武蔵小山のベーカリー『nemo(ネモ)』のうまみが強いバゲットを。
「サンドイッチは、言わば和食で言う丼(どんぶり)のようなものだと思うんです。“主菜と副菜が一緒になって食べておいしいもの”としてサンドイッチを考えると、自分たちがこれまで作ってきたフランス料理のオードブルだったりメインディッシュだったり、そういうものとパンを合わせることで、無限大の可能性があるんじゃないのかなと」と話す菅原さん。
もう1種類、「スモーブロー(北欧オープンサンドイッチ)」をオーダー。自家製のスモークサーモンとアボカドがたっぷりのったメニューです。通常デザートに使われる手法のアングレーズソースを、お食事用にサワークリームと塩で作ったソースにアレンジしています。
スモーブローや、テイクアウト用のサンドイッチには自家製のカンパーニュを。ライ麦をふんだんに使ったパンで、日々進化しているのだとか!バゲットとは対照的に加水率を高めて、しっとりモチモチとした食感のやわらかいパンに仕上がるよう意識したそう。
この肉厚なスモークサーモンも自家製です。サーモンをさばくところからお店で手がけているそう。
ディナータイムにはランチのサンドイッチメニューに加え、ハムやソーセージ、ローストポークといった自家製のシャルキュトリーなど、サンドできる具材が6種類増えて、サンドイッチは11種類に(さらにトッピングもあるそう)!
「夜のサンドイッチには、ソースを別添えにしています。フランスはソースの文化なので、アクセントを加える意味でもフレンチのテイストを取り入れています。ソーセージには自家製ケチャップ、ローストポークには香草マスタードを添えて。サンドイッチ自体は味がついているので、まずはそのまま、途中からソースをつけて食べていただくと1つで2度おいしさを味わっていただけるかなと思います」と菅原さん。
今回、それぞれのサンドイッチに合わせてロゼワインをセレクトしてもらいましたが、「実は、どちらに合わせてもおいしいと思います」と菅原さん。どんなお料理にも合わせやすいロゼワインならでは。カジュアルに、いろいろな料理と組み合わせて楽しむにはぴったりのワインなんですね。
ゆっくりと昼飲みを気軽に楽しんでほしい
日が高いうちから、おつまみと一緒にキラキラと輝くロゼを。
「ロゼワインの良さって、日が高いところで飲んでいる方が、色もきれいですし、気持ち良さがあるのかなと思っています。
でも、ランチタイムはどうしても忙しくてせかせかしていたり、時間が限定されていたりますよね。のんびり活動し始める休日だと、ランチタイムに間に合わないこともあるなと。そこで、うちではランチ後でもお店を開けているんです。15時からはおつまみのメニューも始まるので、遅めのランチや早めの夕食におつまみとお酒が飲めたら楽しんでもらえたらといいなと思っています」。
夕方ふらっと訪れたときにおすすめのメニューをいただきました。山形の天元豚とひよこ豆の煮込みです。
「“明るいうちから飲む”というと、赤提灯のイメージがありませんか?そういうお店ではレモンサワーやハイボールと煮込み料理を頼むじゃないですか。そのオマージュじゃないですけど、ロゼワインに合わせるときに、洋食の煮込みスタイルを…と、考えたのがこのメニューなんです」と菅原さん。
隠し味にコブミカンを使っているそう。タイ料理によく使われている東南アジアのハーブです。こういったエスニックテイストともロゼワインは相性抜群!
ロゼワインのほかに、「こちらもぜひ」とおすすめしてもらったのが「自家製コーラ」。オリジナルのシロップには、カルダモン、クローブ、シナモンなどのスパイスをたっぷり使っているそう!
しっかり混ぜてまずひと口。そしてレモンを絞っていただくと、また違った爽やかなあと味。軽やかな甘さでごくごくと飲めちゃいます。
「ロゼワインを飲むきっかけになれたらうれしい」そう話す菅原さん。お客さんから、お店でロゼワインを飲んだことで、自宅用にロゼワインを買ったなど、うれしい声を耳にすることも増えたそうです。
まだ飲んだことがないというだけで、ロゼワインの魅力を見過ごしている人も少なくないはず。サンドイッチと一緒に、おつまみと一緒に、まずは1杯のロゼから体験してみてはいかがでしょうか?
- ■お店情報
- sandwich store(サンドイッチ ストア)
- 住所:東京都目黒区青葉台3-22-1 1F
- TEL:03-3710-5377
- 営業時間: 11:00〜22:00
- 定休日:不定休
※記事の内容は取材当時のものです。 最新の情報は、お店のHP、SNSなどをご確認ください。
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