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    東日本橋のパン屋『ビーバーブレッド』で出会ったユニークでリッチな日本風パン

    東日本橋駅から徒歩5分の距離に、朝早くからたくさんの人が焼きたてパンを求めて足を運ぶ、小さなパン屋さんがあります。その名も『BEAVER BREAD(ビーバーブレッド)』。

    グレーのタイル調の外壁には、バゲットを抱えたビーバーのイラストが描かれたパン窯用のスコップが掛けられていました。

    目立った看板や告知はなくとも、絶え間なくお客さんが出入りしていました。

     

    “町のパン屋さん”として問屋街・東日本橋で開店

    『ビーバーブレッド』を立ち上げたのは、長年、銀座の有名ブーランジェリーでシェフを務めたカリスマシェフの割田健一さん。ビビッドなピンク色のエプロンで出迎えてくれた割田さんに、このお店を構えた経緯を伺いました。

    「東日本橋の街は、問屋街とオフィス、住宅地という3つの顔を持つめずらしいエリアです。しかしパン屋さんがほとんどないという情報を知人から聞かされ、それならばこの街に住む人、働く人が気軽に足を運べるような“町のパン屋”を作ろうと思ったんです」。

    2017年11月のオープンから約半年が経ち、午前中やお昼時には近隣の会社員が、午後には子育て世代の女性がベビーカーを押しながら来店するなど、町のパン屋として幅広い客層に親しまれています。中には、「ビーバー前で集合」と待ち合わせをするお子さん連れのママたちもいるそう。地元民のランドマークとして早くも定着しているようです。

     

    定番の日本風パンにひと工夫。ユニークなアイデアパンが勢ぞろい

    店内に並ぶ約40種類のパンは、メロンパンやクリームパンなどオーソドックスなものが多いのですが、パンの名前を表示したタグをじっくり見てみれば、「カカオニブメロン」「クリームパン+リコッタ」など、他のパン屋ではなかなかお目にかかれない食材が、日本風パンにアレンジされていることに気がつきます。

    「日本人に馴染み深いパンを現代風にアレンジしました。パンの新しい一面を見せられればと思い、メニューを考案しています」と割田さん。

    見た目は受け入れやすい形、でも中身はひと工夫したというアイデア溢れるパンたち。

    「フランス・ブルターニュ地方の伝統菓子だったクイニーアマンが、パリでもポピュラーになっていったように、新しい素材との組み合わせが楽しめるパンも、ここ『ビーバーブレッド』から広がって、親しんでもらえればうれしいです」。

    そう話す割田さんの思いとこだわりがぎゅっと詰まったパンが、訪れる人を温かく迎えます。

    人気の「カカオニブメロン」の表面には、まるでチョコチップのように散りばめられたカカオニブ。カカオニブとは、カカオ豆の胚乳部分を砕いてフレーク状にしたもので、美容効果が高いスーパーフードとして欧米で注目を集めている食材です。甘い菓子パンというイメージのメロンパンですが、カカオニブ特有のほろ苦さが、高級感を演出し、大人味のメロンパンとして、その可能性を広げます。

    「ワインとも合うパンを目指しました」と割田さんがオススメする「クリームパン+リコッタ」の中には、カスタードクリームとリコッタチーズがたっぷり。甘すぎないあっさりとしたカスタードクリームなので、リコッタチーズの風味とぶつからず、双方の調和を楽しめる味わいが魅力的。

    「THE あんぱん」

    「ミルクフランス」(右)

    他にも、ずっしりとした重みが中の餡の量を期待させる「THE あんぱん」や、補充するそばから売り切れていってしまう「ミルクフランス」、山梨県産の大粒巨峰を使用したフルーティーな「巨峰のレーズンパン」など、お子さんと一緒に楽しめるようなおやつ系パンも充実しています。

     

    予約してでも味わいたい!名店の味わいを詰め込んだ惣菜パン

    さらに注目なのが、さまざまな名店、老舗店とコラボしたお惣菜パン。六本木のビストロ『サロン・デ・サリュー』の赤ワイン煮込みのカレーを使ったカレーパンや、銀座のフレンチ『マルディ・グラ』に考案してもらったというソーセージを使った「MGドッグ」などは、予約必須の人気ぶりです。

    「MGドッグ」

    1つ1,000円という、パンにしては高級な値段のホットドッグですが、ひと口頬張れば、その値段も納得。肉の旨味がぎゅっと詰まったリッチでスパイシーな味わいのソーセージと粒マスタードを挟んだパンは、ホットドッグの概念を覆してくれるはず。予約してでも味わってほしい逸品です。

    お店オリジナルのビーバーのぬいぐるみ

    夏に向けて、抹茶チョコパンや、クレソンのガーリックトーストなど、新メニューを考案中とのこと。今後も驚きと感動を誘う、おいしくてユニークなパンで私たちを楽しませてくれることでしょう。

     

    ※記事の内容は取材当時のものです。 最新の情報は、お店のHP、SNSなどをご確認ください。

     

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