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    上大岡『ブーランジュリー オンニ』で見つけた、カレーパンと夏を味わうパン

    暑い季節になっても、パン好きはやっぱりパンが食べたいもの。今回、夏を感じるパンを求めてやってきたのは横浜駅から京急本線で10分、地下鉄ブルーラインでも15分ほどのところにある上大岡駅です。

    駅から歩くこと約10分。目的地である『boulangerie onni(オンニ)』に到着しました。

    店主の近賀さんと奥さま

    今回のお目当ては最近リニューアルされたというカレーパン。今回はリニューアルの理由やこだわり、そして夏におすすめのパンについて店主の近賀さんにお話を伺いました。

     

    パンを通じて届ける「幸せ」

    『オンニ』は、2015年7月にオープンしたパン屋さん。ここ上大岡は、近賀さんの地元から近く、知り合いも多いためよく来ていた場所なのだそう。

    「上大岡には、小さな個人店のパン屋がほとんどないので、みなさんが求めてらっしゃるという声も実際に聞いていたんです。それならぜひ自分がやりたいなと思ってずっと考えていました」と近賀さん。

    なかなか物件が決まらず、別の場所も考え始めたところ、知り合いの地元の不動産屋さんから連絡があったそう。奥さんと見に来て「もうここでしょ!」と即決されたのだとか。

    パンは質の良さにこだわっています。地場の野菜や食材を使ったもの、国産・外国産問わずおいしいと思ったその土地土地のものを取り入れているそう。また、焼きたてを出すということも大切にしています。

    「手に取ったとき、パンをのせたおぼんの下が『熱!』という感覚はうれしいものだと思うんですよね。だから、いつ来ても何か焼きたてのパンがあるように、15時頃まではずっと焼き続けています。そういうことができるのも、小さなお店だからこそと思っています」と近賀さん。

    はじめは「なんのお店?」と聞かれることも多かったのだとか。実は、あえて扉もすりガラスにして見えにくくしているのです。

    「お店の扉をあけたときに、目の前に並ぶパンを見て『わあ!』って驚いたり、現実からパンの世界に入り込むという感覚を味わったりしてもらいたいなと思い、こういう作りにしました」と近賀さん。

    お店までわざわざ来てくれるお客さんたちに、喜びや驚きを感じてほしいという思いからの生まれた店構えなのです。また、お店の名前『オンニ』という言葉はフィンランド語で「幸せ」という意味。「パンを通じて幸せを届けられたらいいなと思っています」と教えてくれました。

     

    ナビンと作る、onniオリジナルカレーパン

    この7月、リニューアルしたばかりの『オンニ』のカレーパン。どんなこだわりがあるのでしょうか?

    「今までのカレーパンよりも、もっとスパイスを効かせて、もっとマニアックなカレーにしたいなと思ったんです。そう考えていたとき、ちょうど大阪の老舗のインド料理屋『ナビン』さんから『うちのカレーで何か作ってみませんか?』とお話をいただいて、そこから始まりました。実際にお話してみると、知識も豊富でカレーに対する想いもあふれている方でとても惹き寄せられたんです。『この人のカレーだったら作ってみたい!』とどんなカレーパンにしたいのかを伝え、何度も試作を重ねてやっと完成しました」とうれしそうに近賀さんが話してくれました。

    カレーは、『ナビン』さんにベースを作ってもらい、お店で具材を合わせています。ベースだけだと、スパイスも辛味もガツンとくるそうで、そこに飴色まで炒めた玉ねぎを加え、ひき肉とベーコン、マッシュルームの4種類の具材を入れて、バランスよく仕上がるようにしています。また、カレーの固さにもこだわりがあります。

    「カレーパンを割ったときに、とろ〜っとルゥが出てくるとうれしくなるかなと思い、これまでのカレーよりもとろみをつけるように工夫しました。とろみがつきすぎちゃうとパンは破けやすく揚げにくくなってしまうし、固すぎるとルゥのおいしさがなくなってしまいます。その間の絶妙な固さにしています」と近賀さん。

    少しずつ揚げていて、常に揚げたてがお店に並ぶようにしているのだそうです。

     

    選ぶたのしみを、ワクワクを

    『オンニ』では、1日約70〜80種類のパンを焼いているのだそう。

    並ぶパンの種類も豊富です。

    「甘いパンから調理パン、ハードパンにライ麦パン。小さなお子さまからおじいちゃんおばあちゃん、どっしり系のパンが好きな方まで、いろんな人に満足してもらえるような品揃えにしています。パンによっては、1日に2、3個だけ焼くものもあります」と近賀さんが教えてくれました。

    鎌倉野菜を使ったフォカッチャや、京都の九条ネギを使った調理パンもありました

    お店には、先ほど紹介した「揚げカレーパン」のほか、「焼きカレーパン」と「お子さまカレーパン」となんと3種類ものカレーパンがあります。「焼きカレーパン」は、リニューアルしたカレーを使い、上にはチーズがのっています。ヘルシーであり、チーズの香ばしさが味わえるパンで、「お子さまカレーパン」は、ルゥは全く違う甘口カレー。ウインナーとフライドオニオンが入っています。子どもたちもお小遣いで買えるようにと、小ぶりなサイズ感に。

    上大岡にはあまりない個人のパン屋さんということもあり、いろんな好みに答えられるようにと様々な種類のパンを用意。「どれにしようかな?」と迷ったり、選んだりする時間もまた楽しみのひとつです。

     

    夏や季節を味わうパン

    夏にぴったりなパンをご紹介しましょう。その名も「枝豆フランス」。

    オープン当初からのメニューで、毎年夏になると登場します。お客さんも「枝豆フランスが出たら夏だね」と思ってくれているのだとか。2年目を迎えて、そういった声を聞けるのはうれしいと近賀さんは言います。

    切ってみると枝豆がぎっしり!もっちりとしたフランスパンの生地に枝豆、そして表面にはお茶漬けでおなじみの「あられ」をつけています。夏に食べる枝豆をイメージして作ったというこちらのパン。あえて少し強めに効かせたというゲランドの塩とあられの香ばしさもマッチしていてたまらない!新感覚の味わいです。お酒のおつまみにもぴったり。

    こちらも夏のメニュー「パッションフルーツとドライパイン、ココナツのライ麦パン(ハーフ)」。

    ぎゅっと詰まったライ麦パンは噛むほどに味わいが広がります。パッションフルーツの種のサクサクとした食感に、ココナッツのシャキシャキとした食感と爽やかな後味が夏を感じさせるパンです。

    そして、フレッシュなフルーツをのせたデニッシュもお見逃しなく。春はいちご、秋は柿や栗、これからの季節はキウイやアメリカンチェリーなど、その季節のおいしいものを使っています。

     

    店内で過ごすひと時

    店内でイートインすることもできます。保育園の送り迎えのときなど、親子でいらっしゃるお客さんも多いのだとか。訪れたときも、店内で食べているお客さんがいらっしゃいました。

    店内に3席、そしてお店前のテラスにも3席あります。2台分の駐車スペースもあります。平日は近所の方が多いそうですが、週末になると遠方から訪れるお客さんも増えてきたそう。

    夏はアイスクリームドーナツというメニューも!いつもはカスタードクリームドーナツとして販売していますが、暑い夏の時期限定でアイスに変わります。

    実はドーナツ以外にも、メロンパンやクロワッサンなど好きなパンにサンドしてくれるそうです。常連さんはお気に入りのパンで楽しんでいるのだとか。子どもたちはもちろん、大人だってうれしくなるメニューですよね。

    また、和歌山の『観音山フルーツガーデン』の飲むゼリーや、『ガルヴァニーナ』のオーガニックジュースなど、近賀さんがセレクトしたおすすめドリンクもあります。もちろんコーヒーやカフェオレもいただくことができますよ。

    焼きたてのパンが並ぶ店内では、パンの種類の多さに驚くだけでなく「こんな食材を使っているんだ」「このドリンク初めて見た」など、新しい出会いもたくさんあります。きっとあなたのお気に入りが見つかるはずです。週末は、少し遠出して上大岡『オンニ』まで足を運んでみてはいかがでしょうか?

     

    ※記事の内容は取材当時のものです。 最新の情報は、お店のHP、SNSなどをご確認ください。

     

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