シンプルで上質なライフスタイルを提案するWEBマガジン “パリマグ”
  • BREAD

    84年続く広島『八天堂』の究極の「くりーむパン」とは?

    日本で昔から親しまれているクリームパン。今回紹介するのは、日本中で愛されているスイーツパンの専門店『八天堂』です。昭和8年に広島県三原市港町に誕生した『八天堂』。その看板商品が「くりーむパン」です。今では日本各地の駅などにも店舗展開しているので、食べたことがあるという方も多いはず。その『八天堂』、はじまりは和菓子屋さんだったということをご存知でしょうか?

    今回は『八天堂』のあゆみとともに、こだわりがつまった「くりーむパン」の魅力をあらためてご紹介したいと思います。

     

    時代とともに生きてきた『八天堂』

    創業した昭和8年というと、世界的な大恐慌まっただ中。その影響で暮らしが苦しくなっていく人々を見て、「甘くておいしい和菓子を通じて、少しでも周りの人たちを元気づけたい」という想いからお店を開いたのが『八天堂』はじまり。その後、初代の想いを継いだ2代目が「洋菓子」を取り入れます。未来に向かう希望に満ちていた昭和40年代、世界へ発展していく日本のようにと「和」と「洋」を融合した新しい『八天堂』を作っていきました。

    和菓子屋からスタートした『八天堂』ですが、現在の店主である3代目の森光孝雅さんがドイツパンの名店で修行していたこともあり、その後パン屋と変化を遂げます。『八天堂』は県内で10店舗を数えるまでのパン屋へと急成長。しかし、お店や品数が増える中、「良いパンを」よりも「売れるパンを」を意識するようになってしまったことに気づいたそう。

    そこで、当初の「お客様の笑顔のため」という原点に立ち返り、分散してしまった『八天堂』の想いを1つに集中させるべく「ひとつひとつの『お品』を徹底的に考え抜き、丁寧にお創りする」ということを大切にする今の『八天堂』へと軌道修正させたのです。

     

    ぬくもりいっぱい「くりーむパン」のこだわり

    『八天堂』がパン屋として展開していた頃からクリームパンは人気メニューのひとつだったのだそう。しかし、「もっともっとおいしいクリームパンができるはず。今よりもっとくちどけが良く、時間がたっても柔らかい、飽きの来ないパンができるはず」と改良を重ね、なんと3年の歳月をかけ2008年に完成したのが、今の「くりーむパン」なのです!

    生地を傷めないようにひとつひとつ手で丸められるパン

    「究極のクリームパン」を考えたときに行き着いたのは「究極の優しさ」。ふわふわのやわらかいパンにとろけそうなクリーム。食べたときに自然と笑顔になり、優しい気持ちになれる、そんな「究極のクリームパン」を目指しました。

    広島県三原市の工場では1日に4万個以上の「くりーむパン」を生産し、各店舗へと届けています。そして驚くことに、手作業にこだわって作られているのです。パンを作り、焼き上げ、クリームを炊き上げる。そしてパンにクリームを入れるのもひとつひとつ手作業で行っています。その後、丁寧に包装されていきますが、それも機械では形がつぶれてしまうということで、職人さんたちによる作業。早技で次々と包まれていきます!

    機械まかせにせず、人の手で作られている「くりーむパン」。それはおいしさと品質を追求しているからこそ。「おいしい」と「うれしい」を「安心・安全」とともにお届けすることを使命と考えているからだそうです。

    左から「くりーむパン 小倉」、「くりーむパン 抹茶」

    「くりーむパン」のクリームは、炊き上がったカスタードを冷まし、北海道産のフレッシュな生クリームのホイップを混ぜ合わせることで、とろけるような食感が実現。このクリームに、小倉や抹茶などの材料と混ぜ合わせることで様々な味を生み出しています。

     

    たっぷりつまったとろけるクリームが愛おしい

    包みを広げると「八天堂のふるさとは三原です」という言葉が。

    定番!「くりーむパン カスタード」

    ふわふわの「くりーむパン」をそっと手で半分に。中にはクリームがたっぷりと入っています。おいしい食べ方は、冷蔵庫で5〜10℃冷やしたものを15分程度常温に戻すことだそう。そうすることでよりしっとり感が増すのだとか!ひんやりしていて、口の中でふわっととろけるクリームがたまりません。

    『八天堂』のあゆみと「くりーむパン」ができるまでを知っていただくと、より一層おいしくなる気がするのは気のせいでしょうか?

     

    季節限定メニューも!

    「あまおうのくりーむパン」。形もイチゴのよう!

    定番メニューに加え、季節限定のメニューや地域限定のメニューもあります。今回いただいたのは春の限定メニュー「あまおうのくりーむパン」です。福岡県産のあまおうが贅沢に使われています。

    いちごの果肉感たっぷりのジャムとカスタードクリームがぎっしり!いちごの程よい酸味とまろやかなクリームが絶妙にマッチします。

     

    進化を続ける「くりーむパン」

    「フレンチトースト」

    なんと「くりーむパン」のフレンチトーストもあります!こちらの「フレンチトースト」は、広島県三原市にある「Hattendo カフェリエ」のほか秋葉原「HACHI PAN CAFE」の看板メニューです。表面はカリカリで、中からはとろけるクリームが…!

    「くりーむグラパン」

    オンラインショップでは、「フレンチトースト」や、甘くないパン「くりーむグラパン」といった個性豊かなメニューやスイーツがお取り寄せできるので、気になる方はぜひその味を楽しんでみてはいかがでしょうか?

    今年で84年続く『八天堂』。時代の移り変わりとともに成長を続け、変わらずある想いは「お客様に笑顔になってもらいたい」ということ。「くりーむパン」の優しさに思わず笑顔があふれるのではないでしょうか。

     

     

    ■一緒に読みたい記事

    日本の食パンはここから始まった!元町『ウチキパン』へ

    お好みの具材をサンド!亀有にあるコッペパン専門店『吉田パン』

    レトロパン&ローカルパンを現代風にアレンジ!学芸大学『サンチノ』へ

    PARIS mag OFFICIAL Instagram
    キャラWalker