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    「変わらない」がそこにある。神楽坂『トンボロ』のトースト

    観光客で賑わう新しいショップと、古き良き街並みがミックスされた街「神楽坂」。

    駅に降り立ち、坂を下った路地の先にある喫茶店が『トンボロ』です。

    草木が茂り、木のぬくもりを感じる山小屋風の外観は、店主が“ディープ”と評する趣のある建物。

    ステンドグラスの扉を開けて中に入れば、コポコポとお湯の沸く音が響く、密やかな空間が。

    欄間から溢れるあたたかな光が木のカウンターを照らし、厳かな雰囲気が漂います。ただ椅子に腰掛けているだけで心が浄化されるようです。

    ちなみに扉が2つあるのは、お客様を迎えるドアと、用事を済ませる勝手口を別々にするため。勝手口からは、ご近所の方がおすそ分けを下さることもある、地元に根付いた『トンボロ』らしいしつらえです。

     

    「変わらずそこにある」という安心感

    神楽坂で建築設計事務所を営んでいる店主の平岡伸三さん。すぐ隣にある町工場が閉鎖されるという話を聞き、以前からやりたいと思っていた喫茶店を開店することに。

    現在は設計をしつつ、喫茶店を運営。家族で住んでいるのは2階のスペース。店主の生活と一体となった店には、遠く海外からの観光客はもちろん、ご近所の常連さんも多く訪れます。

    流行と伝統が共存する神楽坂で、時代の流れに巻き込まれず店を守り抜く秘訣を聞くと、「『ここに来ればいつもの味が楽しめる』と、訪れる人が幸せになってくれたらうれしい。新しい物ばかり追い求めるばかりでは不完全になります。無理をしないのがコツ。」と、平岡さん。常連客が多いのは「変わらないいつもの味がある」という安心感があるからかもしれません。

    お客さんと目線が合うように、高さにこだわって作られたカウンターの向こうに立ち、構いすぎず、突き放しすぎず、ほどよい距離感でお客さんと接しています。
    この穏やかな空気に心癒されて、長い時間ここで過ごす人も多いそう。中には、朝モーニングを食べに来て、夕方の五時までいたという“ツワモノ”もいるのだとか。

     

    トーストを2度焼きした“さっくり食感”

    「お客さんには“いつ来ても変わらない”という安心感を与えたい」という思いから、トラディショナルなメニューが並びます。人気は創業時から変わらない「モーニングセット」。

    店主お手製のパンのカットガイド。縦に刺さっている棒が何本かによって厚みを変えられるそうです。ちなみに「モーニングセット」のトーストは3本なのだそう。

    トーストは焼き色が強め。その理由は、1度軽く焼いてバターを塗り、さらに焼いてバターの香りを立たせているから。
    2度焼くことで、食感もサクッと耳まで香ばしく、中身はふんわり。バターが甘く薫り幸せな気分にさせてくれます。

    「ほどよく厚みがあるのはパンでお腹いっぱいになってほしい」と厚みのあるパンですが、細長く切ってあるのでスマートに口に運びやすく、細かいところまで店主の心配りが感じられます。
    毎日食べに来る人もいるので、サラダは日替わり。付け合わせのイチゴジャムも懐かしく、その甘酸っぱさにホッとします。

    パンのメニューは、ココナッツバターに蜂蜜を練り込んだ新製品「ココナッツバターハニートースト」も優しい甘さで人気だそうです。

    この街で長く愛されてきたトーストをいただけば、気持ちも新たに1日をスタートできそうですね。

    • ■ お店情報
      トンボロ
      住所:東京都新宿区神楽坂6丁目16(地図
      電話:03-3267-4538
      営業時間:[月~土]11:00~23:30、[日・祝]11:00~18:00
      定休日:木曜日・第1水曜日
    • ※記事の内容は取材当時のものです。 最新の情報は、お店のHP、SNSなどをご確認ください。

     

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