フランスでは、老いも若きも結構な量の甘い食後のデザートをみんな当たり前のようにいただきます。ただでさえフランス料理はボリュームがすごいのに、おじいちゃんやおばあちゃんもチョコレートたっぷりの巨大なケーキまで躊躇なくペロリ。そんな姿を見ると、どんなにお腹いっぱいでもデザートは欠かせない存在なのだと毎回驚かされます。胃袋の鍛え方が違う!?というのはさておき、フランス料理では和食のように調理の過程で砂糖を使わない分、みな最後に糖分を取るんだよという話をよく聞きます。
確かに和食のように砂糖やみりんを使って煮込む料理はあまりないのかも。でもそんなフランス料理で唯一、デザート以外に登場する甘いもの。それはさまざまなフルーツのコンフィやソースです。(これは彼らにとっては糖分という括りではないのかな…?)前菜に登場するフォアグラのペーストには必ず甘く煮詰めたコンフィなどが一緒に登場しますし、肉料理にはオレンジソースや赤いフルーツ(ベリー類)のソースを使うことが。メイン料理の後にいただくチーズもジャムやフルーツと相性が良いものが多いのです。
肉料理とほんのり甘いフルーツのソースやジャムの組み合わせ。私はパイナップルがハンバーグの上に乗ったハワイアンハンバーグや酢豚のパイナップルなど、料理のなかにフルーツが入っているものがあまり得意ではなかったので、「鴨肉のオレンジソース煮込み」なんて甘辛ミックスのメニューに対して最初は苦手意識があったのですが、フランス料理でのフルーツの使い方を知ってからは、その組み合わせのおいしさがわかるようになった気がします。いつもの味がもっともっと複雑に変化するマリアージュ!?ワインがどんどん進んでしまいます。
甘酸っぱいフルーツの香りでワインが進む!お庭のぶどうで作られたお料理たち
レストランだけでなく、料理上手なフランス人たちを見ていても、やっぱりフルーツの使い方が上手だなあと感心するのです。先日行われた友人の家でのバーベキュー。
この日は鴨を焼いてくれましたが、フランス人パパが用意したソースはやっぱりほんのり甘いフルーツのソース。
なんと庭になったぶどうを煮詰めて自家製ぶどうソースを作ったのだとか。甘酸っぱい香りが肉との相性バッチリ。見た目にも華やかになるしワインもどんどん進んでしまいます。
「お庭にあるぶどうは小粒でちょっと酸っぱいけれど、こういうのが料理やジャムにはすごく使いやすいよ」と教えてくれました。煮詰めてぶどうジュースまで作ってあり、本当においしかったです!
チーズの盛り合わせにもさりげなく同じぶどうが添えられ、みんなチーズを食べる間にパクッパクッと甘酸っぱいぶどうも一緒にいただきます。確かにレストランでもフランス人のおうちでも、チーズと一緒にフルーツやドライフルーツが出てくることが多々あります。相性バッチリの組み合わせです!
ついつい王道の味付けをしてしまう私。フルーツはフルーツで食べてしまう私。このフランス料理のフルーツの使い方をマスターしたいなあと思いながら、レストランのメニューやフランス家庭の料理を観察して勉強しています。
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