前回ご紹介したパリからの日帰り旅、フランス第2の都市リヨン。素敵な古い街並みを散歩できる旧市街(世界遺産に登録)やリヨン名物のグルメたちが登場しましたが、リヨンにはもうひとつ「Trompe l’oeil(トロンプ・ルイユ=だまし絵)」という名物があります。実はリヨンはヨーロッパの中でも壁画が有名な街なんですよ!
ヨーロッパ1の大きさ!レ・ミュール・デ・カニュ
街中あちこちに壁画が隠れているリヨンの中から、今日は絶対に見逃せない2つをご紹介します。
ひとつ目はリヨンのクロワ・ルース地区にあるだまし絵『les Murs des Canuts(レ・ミュール・デ・カニュ)』。
なんと1200㎡もある大きな壁面に描かれただまし絵はヨーロッパ最大の規模だそう。
建物の間の階段を登って奥の建物へ…。ちょっと遠くから見たら完全に普通のアパート群に見えますよね!?建物の下の商店、階段を歩く人たち、飛び立つ鳩、工事中のクレーン車など何もかもがリアルです。
近づいてみると、実はいくつかだけ本物の窓があったりするのですが、「えっ、あれは本物だよね?あれ?違う?」なんて、近くで見ていても何度も確認しないとわからないくらい全体がリアルです。
壁画を描いたのはアーティスト集団シテ・ドゥ・ラ・クリアション
これはCité de la Création(シテ・ドゥ・ラ・クリアション)というアーティスト集団による作品で2013年に今の形に出来上がったようです。もともと殺風景な壁面に5つの広告パネルがあった場所に、広告を引き立たせるためにと描かれたもの。
1987年に最初のだまし絵が完成した時からの変化の様子をパネルで見ることができました。
リヨンにゆかりのある人がたくさん描かれたトロンプ・ルイユ
もうひとつ、見逃せないのがソーヌ川沿いにあるだまし絵『La Fresque des Lyonais(ラ・フレスク・デ・リヨネ)』。こちらも同じくCité de la Création によるもの。1994年から1995年に制作されたこちらの壁画には、リヨンにゆかりのある有名人などが描かれています。
建物の一番下でお出迎えしてくれる3つ星レストランの有名シェフ、ポール・ボキューズ氏をはじめ、世界で初めて実写映画を作ったリュミエール兄弟、『星の王子さま』とその作者のサン=テグジュペリなど知っている人物を探すお楽しみが。前回のリヨン案内でご紹介したフランスではおなじみの人形劇「ギニョール」の創設者なんかも隠れています。
人物の場所と説明が書かれているパネルを見ると、その他にもリヨン出身の映画監督、サッカー選手、建築家、詩人、政治家などが描かれているようです。
今回はパリからの日帰り旅だったので時間に限りもあり、必見のこの2つを訪ねましたが、リヨンには1日では時間が足りないほどの壁画名所があちこちに。みなさんも機会があったらぜひ「だまし絵」巡りを楽しんでみてくださいね!
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