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    ピンクの部屋に赤の部屋!ヴィランドリー城の中を見学

    前回、ヴィランドリー城のフランス式庭園を紹介しましたが、今日はお城の中をご紹介したいと思います。

    ヴィランドリー城は、ロワール川流域のお城の建築ブームがピークを迎えていた1536年に建造されました。それ以前には、中世のお城が建っていたそうですが、要塞のひとつの塔を残してすべて壊し、この新しいスタイルのお城が建てられたそうです。

     

    豪華だけどアットホームな空間づくり

    このお城は「貴族が暮らしやすいように考え尽くされた家」といったイメージ。どこか温かみがあり、落ち着く空間が広がっています。お城にもかかわらず、奇抜さや権力の誇示のような部分が前面に押し出されずに、居心地の良さが感じられます。

    ヴェルサイユ宮殿やその他の大きなお城では、控えの間があったり、寝室も落ち着かないくらい広かったりして、私たちの生活とはかけ離れたものばかり。実際、マリーアントワネットも、居心地が悪くてプチ・トリアノンに引っ込んでしまったんですよね!その点、ヴィランドリー城は作りや調度品などはもちろん素晴らしいのですが、規模をいえば、応接間、食卓の間、台所、書斎、寝室、子供部屋など、家族が暮らしていた感じが伝わってくる空間作りで、居心地がいいのです。

    家族写真やお花の絵、肖像画などもアットホームな印象。パリのアパルトマンでもこのくらいはありそうです。

    こちらがテーブルセッティングです。広すぎない6人テーブル。

    この食卓の間は18世紀スタイルにコーディネートされているそうです。サーモンピンクの壁や大理石の噴水などは、この時代のもので、イタリアやプロヴァンスの影響を受けています。

    窓からは、鑑賞用のすてきなお庭がみえます。

    こちらは当時の城主の仕事場でした。ここで菜園などの計画も練られたそうです。

    こちらが城で唯一の田舎風のスタイルの台所。むき出しの木が素朴で、温かみを感じますね!

    寝室は、城主、その妻、そして子どもたちのために、それぞれ個性的にデコレーションされています。

    ベッドがこぢんまりとカーテンで仕切られているのが印象的です。

    私のお気に入りは、この子供部屋!なんてかわいいんでしょう。息子の部屋にもこんな天蓋を付けてあげたいな〜。

    そして、子供部屋から愛の庭園が一望できます!

     

    当時の城主の絵画コレクションも

    ヴィランドリー城を当時の城主が所有することになる大きな理由が、彼の絵画コレクションを飾るためだったと言われますが、この回廊でそのコレクションの一部が見ることができます。

    そして、この見事な天井!これはスペインのトレドの宮殿から取り寄せたもので、他の国では美術館に保存されているくらいとても貴重なものだとか。

    この城の中で少し異色を放っている部屋がありました。真っ赤な寝室は、ナポレオンの末の弟のジェローム王子がこの城を所有していた時期に、帝政時代の様式である赤の光沢のある絹織物で壁が張り替えられました。マホガニーの家具、軍事用の槍などの装飾品もあります。歴史を物語っていますね!

    たった1日のショートトリップでしたが、日常から逸脱して、タイムスリップできた素敵な旅になりました。パリから3時間ほどで行けるので、みなさんもパリからちょっと足を伸ばして訪れてみてくださいね!

     

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