パリにいて思うのは、パリの人ってみんなよく働いているということ。
「えっ?フランス人って、働かないって良く聞くけど?」と思われる人も多いのでは?
でも私の経験上、たいていの家庭では共働きで、子どもが何人いようがあまり関係なく、ちゃんとお仕事をしています。もちろん産休は取りますよ!でも、仕事に復帰できる環境を整えたら、結構みんなサクサク仕事に戻っています。これって日本ではちょっと難しいことだったりしますよね。
そこで考えてみました。なんでだろう?と。もちろん、子どもを預ける環境が不十分だったり、子育てと両立できる仕事があまりないということが理由だと思います。それは、実はフランスでも同じことで、その辺りは社会問題にもなっていて、政治家の政策目標にはいつもこの問題は入っていますね。
フランス人に学ぶ仕事とプライベートのバランスの取り方
でも、もっと根本的なところで、パリの人々から学ぶことがありました。18年のフランス生活の中で、身をもって学んだのは「仕事とプライベートのバランスを取る」ということ。
どんなに仕事が好きな人でも、この国ではちゃんとヴァカンスを取ります。そこでしっかり新しいエネルギーを充電して、その後の仕事ではよりアクティブに!
ヴァカンスシーズンが到来しましたが、この前後のフランス人達の生き生きしていることといったら!笑顔が明るさが違います。考えるだけで楽しくて、仕事もエネルギッシュになるんでしょうね。
そして、ヴァカンスにはうれしい効果も。休暇中に新しいものに出会って新企画を思いついたり、趣味が仕事に繋がったり。経験豊富な人は、話もおもしろいことが多いですよね。いろいろな経験をしておけば、お得意先に営業に行っても、話すエピソードがたくさんあるので会話に困らない!そうやって少しずつ身につけていく文化や教養を、フランスはとても大事にしている国だと感じます。
普段の仕事でも、フランス人は仕事始めにまずカフェを1杯同僚と飲むんです。取材先でも、「まずカフェでもどう?」と言われることが多い!そして、仕事の本題に入る前に、その人の近況を聞いてにこやかに話すのです。その中にいると、この人たちは忙殺されていないなーといつも感じます。
3本柱を大切にすることで毎日のバランスを取る
とはいえ、仕事や子育てなどあまりにやることが多くて、「もう他に何もできない!」という瞬間、ありますよね。これを解消する鍵はフランス人が大切にしている暮らしの3本柱「家族」、「仕事」、そして「自分時間」にあると思うのです。
ひとつのことに目一杯時間を注ぎすぎると、消耗してしまう。だから、フランスは労働時間を、1日7時間と決めちゃいました。これは、世界から見てもかなり大胆なやり方ですが、意外にうまくいっているような気がしているのは、私だけでしょうか。
仕事を疲れすぎる前に切り上げて、家族との時間を過ごす。育児に疲れすぎる前に、子どもを預けて仕事に向かう。平日の仕事と家庭の雑務に追われて疲れ切る前に、週末や帰宅前の隙間時間は自分の好きなことをする。寝る前に自分の時間を持つ…。
この3本柱のどれも削らずに、どれかひとつを折れるほどやらずにしていけば、結構うまく小さな幸せのバランスが取れてくると思うのです。
3本柱を大切にするのは男性も同じ!
これは、男性も一緒です。もしかしたら、男性の方がこの3本柱を必要としているのかも?
この3本柱のバランスの中に、「子どもと過ごす時間」というのが入ってくるからなのか、フランスは育メンが多いです。
こんなイメージで「暮らし」を考えていくと、自然とフランス人が大切にしているものに通じていることが見えてきます。
たとえば、家族はインテリア、食。仕事&プライベートはファッションやカルチャー。自分時間はアート&音楽&文学など。どれもフランスの文化となっているものが、暮らしの3本柱に通じていますよね!
家族の時間も、仕事も、自分の時間も大切にするフランス人だからこそ、その文化が魅力的なものに発展していったのではないでしょうか。これからも、もっともっといろんな分野を通して、パリのシンプルライフをお伝えしていきますね!
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