シンプルで上質なライフスタイルを提案するWEBマガジン “パリマグ”
  • FOOD

    シンプル&おいしい!英国発ヴィクトリアケーキ。都内の名店もご紹介

    最近、人気のベイクショップで見かけるようになった「ヴィクトリアケーキ」。スポンジケーキにジャムが挟まれた、とてもシンプルなケーキです。その歴史は19世紀に遡ります。

    今回は、注目のヴィクトリアケーキの秘密と、都内で購入できるお店をチェック。シンプルだからこそ、素材の魅力がたっぷり詰まったケーキですよ。

     

    傷心の女王を癒した素朴なスイーツ

    ヴィクトリアケーキについて教えてくれるのは、人形町にある英国式ティールーム『Tiny Toria Tearoom(タイニートリア ティールーム)』のオーナー・慶本佐知子さん。こちらのお店はイギリスのカントリーサイドにあるティールームで過ごしているような時間を体験できる英国スタイルのティールーム。慶本さんがイギリスのティールームを巡り味わった、イギリスならではの素朴な味わいと、旬の果物や野菜を使った季節感あふれるお菓子や食事を提供しています。

    そもそもヴィクトリアケーキはどのようなケーキなのでしょうか?

    「19世紀のイギリスで生まれたケーキです。最愛の夫アルバート公を亡くし悲しみに暮れていたヴィクトリア女王がその味わいを気に入ったそうです。女王の悲しみを癒したケーキとして、女王の名前を冠し現代までイギリスで愛され続けています」(慶本さん)

    女王の名前がついていたのには、そのようなエピソードがあったのですね。そのくらいおいしいケーキはどのように作られるのでしょうか?

    「基本はバター、砂糖、卵、小麦粉を同量混ぜ、2枚に分けてスポンジを焼き上げます。そこにラズベリージャムをサンドしたものが本来のヴィクトリアケーキ。現代版では、季節の素材で作ったジャムを使用したり、バタークリームや生クリームをプラスすることも多いですね。イギリスでは『ヴィクトリアスポンジ』または『ヴィクトリアサンドイッチ』と呼ばれることが多く、ティールームには“必ず”と言っていいほど置いてある定番スイーツです」。

    慶本さんはイギリスで初めてヴィクトリアケーキを食べた際、日本のものとは全く異なるスポンジの味わいと食感に感動。お店のシグネチャーケーキにしようと思ったそうです。ちなみに店名に入っている『トリア』は“ヴィクトリア”が由来なんだとか。イギリスのティータイムにヴィクトリアケーキは欠かせない存在なんです。

     

    シンプルだからこそ個性が光るヴィクトリアケーキ

    この素朴なヴィクトリアケーキを購入できるお店を、PARISmag編集部がリサーチしました。こだわりの3店をご紹介します。

     

    ●幡ヶ谷の人気ベイクショップ『Sunday Bake Shop』

    幡ヶ谷駅近くの商店街を抜けた先にある『Sunday Bake Shop』は朝7:30からオープンしている人気店。常にお客さんが絶えず、テイクアウトする人、イートインする人で賑わっています。年齢層も性別もごちゃ混ぜで生活の一部になっているようなお店を目指しているというこちらのお店には、季節ごとのおいしい素材を使ったこだわりのお菓子が並んでいます。

    店主の嶋崎かづこさんがイギリスを旅して出合ったヴィクトリアケーキは、同店オープン以来の定番商品。写真は「ビクトリアスポンジ:たくさんのベリー」。ラズベリーやブルーベリーを使用したジャムがとても香り豊かです。季節感を大切にする同店らしく、定番の「たくさんのベリー」以外にシーズンごとのヴィクトリアケーキが店頭に並びます。訪れた日は「ビクトリアスポンジ:ルバーブ」が販売されていました。季節のジャムはその時々によって異なり、訪れるたびに新しい味に出合えますよ。

     

    • ■お店情報
    • Sunday Bake Shop
    • 住所:東京都渋谷区本町6-35-3
    • 営業時間:7:30〜17:00(水・金・日曜のみの営業)
    • HP
    • ※取材当時のものとなります。最新情報はお店のHPやSNSをご確認ください。

     

    ●ベイクショップの激戦区・西荻窪の『Kies』

    アンティークの街・西荻窪の通称“骨董通り”にある『Kies(キーズ)』。毎日食べたくなる、そして毎日食べても飽きないようなお菓子を目指しているというこちらのお店では、お客様が気軽に立ち寄れるように、焼き菓子を1枚から販売しています。お散歩や家に帰る途中で、ふらっと寄り道したくなるお店です。

    二層に挟まれたジャムが美しい『Kies』のヴィクトリアケーキは夏限定で、バタークリームを省いた“ジャムサンド”になります。バタークリームがない分さっぱりとしていて、爽やかなジャムの風味をダイレクトに感じることができます。甘すぎないので、飽きずにぺろりと食べ切れます。こちらのお店では、春になると『さくらクリーム』も登場するんだとか。日本ならではの味わいも気になりますね。

     

    • ■お店情報
    • Kies
    • 住所:東京都杉並区西荻北4-35-5 中村ビルA
    • 営業時間:12:00〜19:00(月・金)
    • 12:00〜18:00(土日祝、テイクアウトのみ)
    • HP
    • ※取材当時のものとなります。最新情報はお店のHPやSNSをご確認ください。

     

    ●人形町の名店『Tiny Toria Tearoom』

    ヴィクトリアケーキについて教えてくれた慶本さんのお店『Tiny Toria Tearoom』のヴィクトリアスポンジは、紹介するなかでもっともオーセンティック。日本の小麦粉ではふわふわになりすぎるため、ヴィクトリアケーキ本来の食感に近づけるため秋田県産の中力粉を使用しています。そのためしっかりとした食感で「スポンジを楽しむ!」という感覚。ほどよく焼き色がついた表面は、ややクリスピーでついつい食べ進めてしまいます。

    慶本さんがイギリスから持ち帰った専用の焼き型『サンドウィッチティン』を使用しているので、独特のさっくり、かつしっとりとした食感に焼き上がるのです。

    スポンジ挟まれているのは夏の定番ルバーブジャム。淡い色合いがかわらしいですね。ルバーブらしい爽やかな酸味、そしてルバーブ特有の繊維質を楽しめる食感が◎。こちらのお店でもシーズンごとに、いちご、ラズベリー、レモンカードのヴィクトリアスポンジが登場するので、季節が巡るたびに訪れたくなります。

     

    • ■お店情報
    • Tiny Toria Tearoom
    • 住所:東京都中央区日本橋人形町2-20-5 柿沼ビル1F
    • 営業時間:11:00〜17:30(月・火曜定休)
    • HP
    • ※取材当時のものとなります。最新情報はお店のHPやSNSをご確認ください。

     

     

    ヴィクトリアケーキで素敵なティータイムを!

    どのお店のヴィクトリアケーキも、共通するのは「スポンジの食感と風味を楽しむ」ということ。そこに季節感のあるジャムを合わせることで、おいしさの相乗効果が生まれます。素朴な味わいだからこそ、ふとした瞬間に「食べたい」と感じられるのがヴィクトリアケーキの魅力なのかもしれません。イギリスといえば紅茶文化の国。ぜひ紅茶とのペアリングを楽しんでくださいね。

     

    最近はヴィクトリアケーキを扱っているお店が増えています。もしかしたら近所のケーキ屋さんにもあるかも?ご紹介したお店を訪れるのはもちろん、おうちの近くでヴィクトリアケーキを探してみてはいかがでしょうか。

     

     

     

    PARIS mag OFFICIAL Instagram
    キャラWalker