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    岸井ゆきのさんの日々の暮らしと小さなしあわせ

    PARISmagが気になる方々へ会いに行き、「小さなしあわせ」のヒントを教えてもらうインタビュー企画。今回は4月に公開される映画『愛がなんだ』のほか、数々のドラマ、映画に出演されている女優の岸井ゆきのさんです。

    好きな人のために真っ直ぐにパワフルに突っ走るテルコを演じた岸井さんに、映画についてのお話、そして日々の楽しみについて聞いてきました。

    岸井ゆきの(きしい ゆきの)

    1992年生まれ。神奈川県出身。2009年にドラマ「小公女セイラ」で女優デビュー。以降映画、ドラマ、舞台と様々な作品に出演、2016年、NHK大河ドラマ「真田丸」で主人公・真田信繁の側室・たかを演じ注目を集める。2017年、映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』で映画初主演を務め、第39回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を 受賞。同じく2017年の舞台「髑髏城の七人 Season風」の沙霧役も好評を博した。2018年連続テレビ小説「まんぷく」(NHK)では、主人公福子の姪・タカを演じ、登場時14歳の役を演じたことも話題に。今夏、映画『いちごの唄』も公開予定。

    好きなものに突っ走れるテルコを演じて

    ―今回岸井さんが演じるテルコは、かなり個性的なキャラクターでしたが、すぐにテルコの個性を理解できましたか?

    岸井さん(以下、敬称略):そうですね。はじめに台本を読んだときは「エキセントリックなおもしろい子だな」と思いましたが、理解できないという感じではありませんでした。私もいろんな感情を持って生きていますが、その感情が行き過ぎた延長線上にテルコがいるというような気がしたので、自分の感情を伸ばして行ったらテルコにたどり着くんだろうなと。私とはちょっと違うなとは思いましたけど、理解はできました。

    ―それはご自身の中にあるテルコ的な要素の種を探すような作業をされたのですか?

    岸井:最初はそうでしたね。でも、私も夢中になるときは夢中になってしまうんです。テルコはすべてを捨ててでも好きなものに向かっていく強さとか向こう見ずなところがあると思うのですが、私も考え込んで一歩踏み出せないだけで、同じようにそういう熱量は持っているなって。でも普通、突っ走れないですよね(笑)。あそこまで突っ走れる強さ、うらやましいなとも思いました。

    ―今回、長回しのシーンが多いですよね。実際に演じられてみてどうでしたか?

    岸井:今泉監督は割と長回しで撮られる方で、ラストの鍋焼きうどんのシーンは、8分の長回しでした。なかなかできることではないので、役者としてすごくおもしろかったですね。今泉監督からは「もっと抑えて、もっと抑えて」と言われていて、テルコの感情を押し殺さなくてはいけなかったシーンだったんです。私の中のテルコとしては「もっと出したい!もっと出したい!」という葛藤もあり…。あのシーンはその葛藤も含めて、画面に映っているかと思います。

    成田くんとも「おもしろかったね」と話していました。2回しか撮ってないんですけど、もっと撮りたかったです(笑)。映画って通常何回も同じシーンを撮影することが多いんですけど、あのシーンは2回で終わりだったので、「もうこのセリフ言えないんだ…」っていう切なさもありました。

    ―長回しの緊張感ってあるのでしょうか?

    岸井:ありました!それも含めて楽しかったです。長回し撮影なのに、1箇所間違えたら最初から全部撮り直し。時間に余裕がある現場だったということでもないのですが、それをやらせてもらえているというのはありがたいですよね。すごく贅沢な現場でした。

     

    テルコじゃないと表現できないものがある

    ―原作を読んでテルコを演じたくなったというお話を伺いました。どのあたりに惹かれたのでしょうか?

    岸井:そうなんです。マネージャーから「原作を読んだらテルコのことおもしろいって言うと思うよ」と言われたんですけど、その通りになりましたね。なかなか恋愛モノでこんなに振り切れている主人公っていないじゃないですか。この作品を読んで、「スタンダードな恋愛モノではない」と感じたので、テルコ以外でこういう役はもうないなと思って。もちろん他の役でも言えることではあるのですが、角田光代さんの『愛がなんだ』のテルコじゃないと表現できないものがあると思ったのでやりたいと思いました。

    ―テルコはエキセントリックで猪突猛進な女の子ですが、ところどころにあるテルコの切ない感じに共感もしました。岸井さんの中で好きなエピソードや気に入っているシーンがあったら教えてください。

    岸井:どこかな〜。あ、河口湖のシーンが好きです。別荘でマモちゃん(成田凌)がスミレさん(江口のりこ)のことを見ている様子を隣で見たり、「私なんでここにいるんだろう…」と思わされるシーンは、演じていても切なかったです。最初にスミレさんを紹介されたときもそうですよね。久しぶりに電話があって、行ったら、「こういうことか…」って…(笑)。

    「諦めた」と口では言っても、やっぱり振り向いてほしいし、マモちゃんの近くにいたいという気持ちは変わらない。すごく切ないですよね。私は耐えられないな…と思いました。こんな気持ちになってでも、マモちゃんの近くにいたいと思えるテルコは強い。

    ―『愛がなんだ』のテルコと先日までご出演されていた朝の連続テレビ小説の『まんぷく』のタカと、全然異なるキャラクターを演じられていますよね。好きな人のために突っ走るテルコと1歩1歩進んでいくタカ。どちらのキャラクターが岸井さんご自身に似ていますか? 

    岸井:テルコではないので…タカちゃんかな。テルコはこじらせまくっているところからはじまるので、タカがいいです(笑)。

     

    台本をはじめて読んだときの温度感

    ―岸井さんはこれまでもいろいろな役を演じられていますが、それぞれのキャラクターはどのように作っていくのですか?

    岸井:台本をはじめて読んだときの温度感を大切にしたいと思っています。タカは関西弁だし、14歳。時代も今とは違うのでスタッフの方に助けられたところは大きいです。

    この役だからこうしようという感じはなく、この人こういう言葉を使うんだというところからキャラクターの変化を付けていきます。この人、若者言葉使うけど、意外としっかりしているなとか、語尾や言い回し…いろんなところからキャラクターを理解したいなと思っています。

    ―なるほど〜!今後こういう役をやってみたいというのはありますか?

    岸井:以前、『SICKS〜みんながみんな、何かの病気〜』というコントドラマに出演させていただいたんですけど、ぜひシリーズ化してもらってまた出演したいですね。最初コントからはじまり、だんだんドラマになっていくというものだったんですけど、演じていてすごくおもしろかったです。

    あと、芸人さんとの共演だったので、俳優さんとはまた違う返しがくるのも面白かった。「この脚本ってこういう角度から読めるんだ!」という発見があって楽しかったです。予想がつかないのでヒヤヒヤもするし、コントを俳優が演るという緊張感もあり。私自身コントも好きでよく見るので、芸人さんに演ってもらいたい気持ちもありつつ、私がお邪魔させていただいている感覚ですね。そういう緊張感も含めて、またやりたいですね。

    役柄だと…、パイロットとか操縦士とかやってみたいですね。制服着て!祖父がヘリコプターの整備士だったので!

     

    テンションがあがる音楽を聴いて

    ―テルコほどはいかなくても、プライベートで熱中するものってありますか?

    岸井:ほとんどないですけど…。すごく好きなシリーズものの映画や海外ドラマで、好きな人が亡くなってしまったりすると引きずっちゃいます(笑)。「嘘でしょ…」っていう感覚になるくらい、熱中してしまうこともあるんですけど、それが実は『アベンジャーズ』とかなので、あんまり落ち込んでしまうと「大丈夫かな?」と心配されてしまうことも(笑)。

    ―そうなんですね!そういう風にメンタルで落ち込んでしまったときに、切り替える方法ってあるんですか?

    岸井:まだ模索しているんですけど、音楽を聴くことが多いです。いつもテンションをあげるためにEdwin Starrの『War』という曲を聴いているんですけど、ずーっとその曲を聴いているので、その曲を聴くと切り替えられますね。過去の経験の蓄積だと思います。何かの暗示にかけられるみたいにテンションがあがりますね。

    かなり古い曲なので、街で流れることも少ないんですけど、たまたま街で流れたりすると「私、応援されている!」という気持ちになります(笑)。

     

    岸井ゆきのさんの小さなしあわせ

    ―いろいろな作品に出られていて、忙しい日々かと思いますが、これをやっている時間はリラックスできるというような「小さなしあわせ」があったら教えてください。

    岸井:先程もお話しましたが、映画や何かしらの作品は毎日観ていますね。忙しいときは15分のアニメを観たり、映画が観られなくても本を読んだり。それで保てている部分はあると思います。だから仕事以外の物語を感じる時間を大切にしています。

    あと、お風呂は絶対に毎日入ります。『愛がなんだ』の撮影中も1時間だけ家に帰れる日があったんですけど、それでも30分お風呂に入りました。1日も欠かさずシャワーじゃなくてお風呂に浸かっていますね。時間があるときはサウナにも行って、リフレッシュしています!

    ―サウナ!昔からお好きなんですか?

    岸井:3年くらい前に大阪で撮影しているときに、出演者のみんなと行ったのがきっかけです。そこから東京でもときどき行くようになりました。

    でも、私はサウナに行くというよりは水風呂に入りに行くという感じです。7往復くらいしちゃいます(笑)。

    たくさん汗をかいて、水風呂に入ると、「よし!」って整う感覚。落ち込んでいるときも、サウナ入っていると前向きになってくるんです。おすすめです!

     

    岸井さん、素敵なお話どうもありがとうございました!

     

    • ・ヘアメイク:藤垣結圭
    • ・スタイリスト:須貝朗子

     

    • ■映画情報
    • 映画『愛がなんだ
    • 岸井ゆきの 成田 凌
    • 深川麻衣 若葉竜也 穂志もえか 中島 歩
    • 片岡礼子 筒井真理子 / 江口のりこ
    • 監督:今泉力哉  原作:角田光代「愛がなんだ」(角川文庫刊) 脚本:澤井香織、今泉力哉 音楽:ゲイリー芦屋
    • 撮影:岩永 洋 照明:加藤大輝 録音:根本飛鳥 美術:禪洲幸久  装飾:うてなまさたか スタイリスト:馬場恭子 ヘアメイク:寺沢ルミ 編集:佐藤 崇  助監督:八神隆治 制作担当:柴野淳
    • 企画協力:KADOKAWA   企画・制作・プロデュース:アニモプロデュース  制作プロダクション:アンリコ  製作:映画「愛がなんだ」製作委員会  配給:エレファントハウス
    • (c)2019映画「愛がなんだ」製作委員会
    • 2019年4月19日テアトル新宿ほか全国ロードショー

     

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