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    もっと知りたい、楽しみたい!スパークリングワインの世界

     

    グラスの底から立ち上がる無数の小さな泡。黄金色にキラキラとひかる液体。見ているだけで幸せな気分にさせてくれるスパークリングワインは、これからの暑い季節にかかせない飲み物ですね。フランスのシャンパーニュをはじめ、イタリアのスプマンテやスペインのカヴァ、そして国産の微発泡ワインなど、今やおいしいスパークリングワインは世界各国で造られています。

    そこで今回は、スパークリングワインをもっと楽しむために知っておきたいポイントをいくつか解説したいと思います。

     

    スパークリングワインって何?

    スパークリングワインとは、その名の通り発泡したワインのこと。つまり、ブドウを原料として造られた発泡性ワインの総称です。

    フランスでは「Vin mousseux (ヴァンムスー)」、イタリアでは「Spumante(スプマンテ)、スペインでは「Espumoso(エスプモーソ)」と呼ばれています。

     

    スパークリングワインの製法による違い

    スパークリングワインの製法は大きく分けて3つありますが、実はこの製法の違いがスパークリングワインの価格に大きく影響します。 

    【トラディショナル方式(=シャンパーニュ方式)】

    スティルワイン(発泡していないワインのこと)を瓶に詰め、糖分と酵母を加え、密封して瓶内で発酵を起こさせる方式。糖は酵母の働きによってアルコールと二酸化炭素に変わりますから、アルコール発酵によって生まれた二酸化炭素を瓶内に閉じ込めてしまう方法ということです。

    フランスの「シャンパーニュ」の他、イタリアの「フランチャコルタ」、スペインの「カヴァ」がこの方式で造られます。スパークリングワインの製法としては、最も伝統的で手間のかかる方式です。

    【シャルマ方式】

    スティルワインを大きなタンクに密閉し、その中で糖分と酵母を加え発酵を起こさせて造る方式。短期間に製品化できることや、一度に多量に造ることができるので、コストを抑えたスパークリングワインを造る場合に広く用いられています。

    【トランスファー方式】

    いったん瓶内で発酵させた二酸化炭素含有のワインを加圧下のタンクに開け、冷却、濾過してから新しいボトルに詰め替える方式。トラディショナル方式の一部を簡略化した製法で、アメリカなどで行われています。

    その他には、タンクにワインを入れ炭酸ガスを吹き込む【炭酸ガス注入方式】などもあります。

    以上のような理由から、製造に最も時間と手間のかかる【トラディショナル方式】で造られたスパークリングワインが、品質も価格も高くなるのはもうおわかりでしょう。簡単に造れるものは価格もリーズナブルになるのです。

     

    シャンパーニュは特別?

    シャンパーニュはフランスのシャンパーニュ地方で造られている発泡性ワインのことを指します。言い換えれば、シャンパーニュもスパークリングワインの一種ということです。

    なだらかな斜面に広がるシャンパーニュ地方のブドウ畑

    では、なぜシャンパーニュには他のスパークリングワインと違って特別なイメージがあるのでしょうか?その理由をいくつかあげてみます。

     

    【シャンパーニュが特別な理由】

    • ◯原料となるブドウの品種が限定されている。
    • ◯ブドウの収穫は手摘みが義務づけられている。
    • ◯手間のかかるトラディショナル方式で製造されている。
    • ◯熟成期間が長い。(ノンヴィンテージシャンパーニュで最低15ヶ月、ヴィンテージシャンパーニュで最低3年の熟成義務がある。)
    • ◯多くのメゾン(シャンパーニュメーカー)がブランディングに力を入れている。
    • ◯歴史的人物、著名人でシャンパーニュを愛した人が多い。

    シャンパーニュには必ずエチケットに「Champagne」と明記されています。

    その他にもいろいろな理由が考えられますが、何よりおいしいことが一番の理由かもしれませんね。

    一方で、シャンパーニュと同じトラディショナル方式で製造されるスペインのカヴァは、高品質でありながらシャンパーニュに比べて価格が安いものが多いので大変おすすめです。

     

    スパークリングワインをもっとおいしく飲む方法

    まずは、しっかり冷やして飲むこと。これが一番大事です。飲む3時間前には、冷蔵庫に入れて冷やしておきます。理想の温度は辛口で8℃くらい、甘口はもっとしっかり冷やして飲むと味がしまっておいしいです。

    シャンパーニュメゾンもチューリップ型のグラスを推奨しています。

    グラスは美しい泡立ちを楽しむなら細長いフルートグラス、芳香な香りを楽しむならチューリップ型のグラスがおすすめです。高価なシャンパーニュなどを飲むときは、大きめの赤ワイン用のグラスを使い、複雑な香りや余韻を存分に堪能して下さいね。

    また、スパークリングワインは、前菜からデザートまで合わせられる唯一のワイン。合わせる食事を気にしなくてよい、使い勝手のよいお酒なので、常にストックしておくと便利です。また、スパークリングワインを食前に1杯飲めば、胃を刺激し、口の中がさっぱりして食欲が増進されますよ。

     

    スパークリングワインとフレッシュフルーツのディジェスティフ

    最後に、スパークリングワインを使ったディジェスティフ(食後酒)を紹介します。

    スパークリングワインは開栓したらできるだけ早く飲みきった方がよいので、もし残ってしまった場合は食後酒にアレンジすると、また違ったおいしさを楽しめます。

    1.イチゴを刻んでグラニュー糖をまぶし、キルシュ(他フルーツブランデー、コアントローなどでも代用可)をふりかけ、15分ほど冷凍庫で冷やす。

    2.グラスに[1]のイチゴのキルシュ漬けを入れ、スパークリングワインを注いででき上がり!

    フルーツはイチゴの他に、キウイフルーツ、桃、オレンジなどでもOKです。デザートのかわりにもう1杯、スパークリングワインのディジェスティフはいかがでしょうか?

    もうすぐやってくる暑い夏。よく冷えたスパークリングワインを飲んで、元気にのりきりましょう。

    参考文献:日本ソムリエ協会教本2018

     

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