HARISSAという調味料をご存知でしょうか?ハリッサやフランス語読みだとアリッサと発音します。アリッサは北アフリカ生まれの辛み調味料。わかりやすく説明すると、北アフリカの豆板醤のようなもの。チュニジア発祥の調味料ですが、アルジェリアやモロッコでも食べられています。
クスクスを食べる時に添えられる赤い唐辛子のペースト状のものがアリッサです。
フランスの食材屋さんにもアリッサはたくさん!
北アフリカはかつてはフランス領だった影響もあり、フランスのエスプリが混ざり合い、今もなお独特の文化が残っています。
またその逆も然り。フランスでも、モロッコ、チュニジア、アルジェリアなど北アフリカ各国のレストランがたくさんあり、クスクスはフランスの国民食とまで言われるほど。フランス人はクスクスが大好きです。
個人的には、実は本場のモロッコで食べるより、ずっと前にクスクスを食べたのがパリでした。その時のクスクスがおいしかったので、スパイスなど調味料を買って帰ろうとイズラエル(スパイス屋さん)やスーパー、ラファイエットやボンマルシェなどのデパートの食品売り場をはしごした思い出があります。
南フランスのカルパントラの北アフリカ系のエピスリーにて
そこには北アフリカ系の食材コーナーがちゃんとあり、種類も豊富!パリってすごいと感激したものです。そのとき、買って帰ったもののひとつがアリッサでした。それ以来、わたしのアリッサ収集がはじまったのです。
辛いだけじゃないうまみと清涼感を楽しめるアリッサ
フランスのマルシェで見つけたアリッサ。モロッコスタイル、チュニジアスタイル、オリーブが入ったオリジナルまで量り売りで購入できます。
そもそも、アリッサとは乾燥の唐辛子とクミンシードやコリアンダーシードなどのスパイスと塩、にんにく、オリーブオイルで作られるシンプルなペースト。ですが、辛さの中になんともいえないうまみとスパイスの清涼感が絶妙なバランスで混ざり合い、料理や素材の味を引き立ててくれるのが最大の魅力なんです。
南フランスのマルセイユのカヌビエール通りの市場。
また、フランスはパリ以外でもアフリカ系移民が多い南仏もまたアリッサの宝庫。もしかしたら、本場よりいろいろあるのではないかと思うくらいです!市場でもたくさん見かけました。
アリッサ味のオイルサーディンもあります。
アリッサのほか、アラブ系食材を始めキッチン雑貨も揃っており、クスクス用の鍋もこんなに売っていました!
実はなんににでも合う!?アリッサの使い方
さて、次にアリッサはどのように使われているかというのが気になるのではないでしょうか?アリッサを使った料理などをご紹介します。
クスクスを食べる時にスープに溶かして辛みをつけるのは定番の食べ方のひとつ。
ケフタ(モロッコ風ミートボール)の味つけに加えたり、ブロシェット(肉の串刺し)に付けて食べたりもおいしいです。
パリのアラブ系マルシェで見つけたアリッサが効いたチュニジア風のツナサンド。辛そうで、おいしそう!魚介とも相性がよいのです。
マルセイユの市場で見つけた、アリッサが入ったアルジェリア版クレープ
フランスでは街に出れば、身近にアリッサを使った料理を楽しむことができます。アリッサの楽しみ方はこれだけではありません。実はどんな料理にも合う万能調味料なんです!
中に半熟卵が入ったチュニジアのブリック(揚げ春巻き)。揚げ物や粉物ともアリッサはよく合います。
身近なところだと、焼いた厚揚げや冷ややっこ、おでんや餃子に添えたり。またいつものドレッシングやマヨネーズにちょっとプラスするだけでグッと深みのある味わいに!日本ではまだあまり知られてはいませんが、和洋中どんな味付けにもはまる調味料なので、アイデア次第でいろいろ楽しむことができます。この機会にぜひ、アリッサをお料理に取り入れてみませんか?
■お知らせ
今回紹介したアリッサを楽しむアイデアをまとめたレシピ本『辛くておいしい ハリッサレシピ』誠文堂新光社から発売されました!私もレシピでお手伝いしています。
アリッサの本場、チュニジアの料理から和洋中、さまざまなレシピが盛りだくさんの内容です。手作りアリッサのレシピもありますので、チェックしてみてください。
※プレゼントキャンペーンは終了いたしました。たくさんのご応募ありがとうございます!
- ■書籍情報
- 書名:辛くておいしい ハリッサレシピ
- 編者:誠文堂新光社
- 発売元:誠文堂新光社
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