のんびりとした雰囲気が漂う吉祥寺方面の井の頭線に揺られ、渋谷から20分ほど。
杉並区の富士見ヶ丘の閑静な住宅街の中に、真っ白な外観が目印の小さなパン屋さんがあります。名前は『ヨシダベーカリー』。
カウンターの上には、「軽い食感のパンが好き」という店主の吉田さんが、丁寧に作り上げたパンがひとつずつきれい並べられています。
「もの作りが好き」からはじまったパン作り
もともともの作りが好きであったこと、そして食べることやパンが好きだったこと、いつかお店を開きたかったこと。その思いがひとつになりパン職人の道を選んだという吉田さん。代々木上原の名店『カタネベーカリー』で修行を積み、2012年春にこの場所にお店をオープンさせました。
国産小麦の味と香りを楽しめるパン
食感、香り、味わいトータルのバランスを大切にしているというパンは、国産小麦を使用。小麦のおいしさを存分に堪能できるだけでなく、ポストハーベストの面からも安心して食べられるパンになっています。
他の食材もなるべく安全な素材を使用しているので、お子様も安心して食べられるのもうれしいですね。
いろんなパンを楽しんで欲しいということで、30種類前後のバリエーションションに富んだラインナップを揃えているのだそう。
メニューはいつも一緒ということではなく、季節や吉田さんの食べたいものなどで変動するとのことでした。取材に伺ったのは1月半ばということもあり、フランスの伝統菓子「ガレット・デ・ロワ」も。
シンプルだからこそ味わい深いバゲットリュスティック
おすすめ商品は「バゲットリュスティック」。まずはシンプルなこちらで『ヨシダベーカリー』の味を知ってみてとのこと。小麦の香ばしさと、軽い食感がくせになるおいしさです。食事に合わせるのはもちろん、そのままでもおいしいので朝食からディナーまで、シーンを選ばない1品です。
個性豊かな人気商品
「タルティーヌ」、「ミルクフランス」、「サンドイッチ」など、パンと具材のコラボレーションが楽しめるメニューが人気なのだとか。(この日は残念ながら、「サンドイッチ」は売り切れでした)
「タルティーヌ」は、バゲットにぎっしり載った具材が、まるで絵画のよう。
「『サンドイッチ』や『タルティーヌ』は、なるべく食事として満足感があるものにしたい」との言葉通り、具だくさんでボリューム満点。具材も作れるものはなるべく手作りしているのだそう。
今回は「イワシと玉ねぎのタルティーヌ」をいただきました。イワシのオイルサーディンと玉ねぎの甘み、マヨネーズのまろやかな酸味が相まって、レストランの1皿のよう。パンの軽さもあってか、油っぽさを感じさせず、あっという間に食べてしまいました。
「ミルクスティック(左)」と「ミルクフランス(右)」も人気。
柔らかなパン生地で作った「ミルクスティック」は優しい食感と味わいが特徴。パンのほんのりとした甘みとミルククリームで、スイーツを食べているかのような気分に。冷やして食べてもおいしそう!
もう一方の「ミルクフランス」を食べると、「こんなに印象が違うの!」とびっくり!香ばしいバゲットの味と歯ごたえが、クリームの印象も変えてしまうとは!歯ごたえと香ばしさで少し大人の味わいに。さらに大人味のラムレーズン入りもあります。食べ比べしてみるのも楽しいですよ。
その他、「クリームチーズとオレンジピール」、「さくらあんぱん」「ショコラあんぱん」などちょっとひねりのある組み合わせのパンも充実。
自分が食べたい「おいしいパン」を作りたい
「自分が楽しんで作れるくらいの範囲で、おいしいパンを作りたいですね。おなかが減ったけど食べたいものがないというのは嫌なので、そうならないようにいろいろなパンを作っています。とにかく、自分が食べたいと思えるようなものを作るようにしています」と吉田さん。
そんな想いが詰まった「おいしいパン」を求めて、この日もたくさんのお客さんが訪れていました。ぜひ、訪れてみてください。
- ■︎お店情報
- ヨシダベーカリー
- 住所:東京都杉並区久我山2丁目23−29 ハイネス富士見ヶ丘 1F(地図)
- 電話:03-6326-2754
- 営業時間:11:00〜19:00
- 定休日:日曜日、水曜日
※記事の内容は取材当時のものです。 最新の情報は、お店のHP、SNSなどをご確認ください。
■一緒に読みたい記事
おいしい食材を知っているからこそ作れるパン。代々木公園『365日』
ビールで作るパン!蔵元発のパン屋さんMOKICHI Baker & Sweets