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    風情ある古民家と地元客が愛する和のパン。日暮里『カヤバベーカリー』

    昔ながらの下町の風情が漂う日暮里。駅から少し歩くと見えてくるのは、古民家をリノベーションした複合施設『上野桜木あたり』です。

    入ってすぐの場所にビアホール、その裏手の路地にあるのが、今回紹介する『カヤバベーカリー』です。

    もともと谷中にあった『カヤバコーヒー』の姉妹店として、2015年3月にオープン。趣のある建物とマッチするように、「日本のおいしいもの」をコンセプトにした和テイストのパンが並びます。

     

    和の食材を生かしたパンで日本の魅力を再発見

    ガラガラと引き戸を開けて店に入ると、まるでおばあちゃんの家のような懐かしい空間。

    もともと和室だったという部屋をリノベーションしているのでこぢんまりとしていますが、それがかえって親密な空気を醸し出しています。ラックにはおいしそうなパンがずらり。しっかり練った生地を低温で長時間発酵させ、こんがりと焼き上げているのが特徴です。

    「小麦など日本のおいしい食材にこだわったパンを作っています」と店長の村上慎吾さん。

    一番人気は、「桜大納言あんぱん」。塩漬けにした桜をあんこに練り込み、甘さと塩気のバランスが絶妙な一品。あんこも小豆からじっくり煮た本格派です。このお店の住所が桜木なので、「看板メニューに」ということで考案されたのだそう。

    甘いパンでは、ミルキーなカスタードクリームたっぷりの「クリームパン」、カリッとしたクッキー生地とふんわりした中身の対比が楽しい「メロンパン」といった昔ながらの菓子パンが人気なのだそう。

    もうひとつの人気商品は、「じゃがぱん」。ジャガイモがゴロゴロ入ったパンです。表面に振られている天然塩は、隣接する塩とオリーブオイルの専門店『おしおりーぶ』のものを使用。生地はもっちりとして、ジャガイモの甘みがあり食べ応えも充分な食事パンです。

    この「じゃがぱん」をベースに、谷中銀座商店街にある肉屋さんの名物コンビーフを入れた「コンビーフジャガぱん」も隠れた人気商品。取材中、常連さんが「やっと買えた!」と喜んでいました。なかなか手に入らない人気商品のようです。

    店長の村上さんのイチオシは、パリッと歯ごたえの良いソーセージにさっぱりした大葉の香りが効いた「大葉ハーブソーセージ」。お酒のお供としても相性抜群なのだそうです。残念ながら取材当日は売り切れておりました。

    同じくおつまみとして人気なのは、溶けたチーズのパリパリ食感が楽しい「七味チーズ」。

    特にハード系のパンはビアホールの人気メニュー「エビのアヒージョ」と相性抜群!

    もちろん店内では姉妹店のカヤバコーヒーも販売しており、隣の『おしおりーぶ』ではワインやココアの他、ビネガーを使ったちょっと変わったドリンクも楽しめます。ドリンク×パンの組み合わせが無限大に楽しめるのもこの場所ならではなのではないでしょうか。

     

    下町に溶け込むパン屋さん

    気に入ったパンとドリンクを持って中庭や路地のベンチに座って食べれば、昭和にタイムスリップしたような懐かしい気分になります。

    この建物の裏には保育園があるので、子供を迎えに来たお母さんやおばあちゃんが立ち寄ってくれることも多いのだそうです。焼きたての時間を狙って訪れる常連客も多いとのこと。

    地元の人たちに喜んでもらえる町のパン屋さんにしたいという思いから、オープン当初は、メディアへの取材を断っていたという徹底ぶり。メディアに取り上げられ観光客やマスコミが殺到してしまうと、地域の人たちに迷惑がかかるし、何より自慢のパンを日常的に食べてもらえないと思ったからなのだそう。

    メディア取材を解禁してからは観光客も増えたそうですが、それでも地元のお客さんが多いのは、この町に定着しているという証拠。これからも、ご近所付き合いを大切にしながら、パンを焼き続けて行くそうです。

     

    • ■ お店情報
    • カヤバベーカリー
    • 住所:東京都台東区上野桜木2-15-6 (地図
    • 電話:03-5809-0789
    • 営業時間:8:00~19:00
    • 定休日:月曜日
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    • ※記事の内容は取材当時のものです。
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