2015年3月にオープンしたばかりの麻布『メゾン・ランドゥメンヌ トーキョー』は、毎日行列ができる盛況ぶり。フランスの伝統的な技術で作られたパンが評判です。
フランス産と国産。2つのクロワッサン
お客さんのほとんどが購入していくという「クロワッサン」は、パリの『フィガロ』誌において、パリでもっともおいしいクロワッサン3位に選ばれた名品。
『メゾン・ランドゥメンヌ トーキョー』では、フランス産と国産、生地に使うバターの種類を変えて2種類のクロワッサンを作っています。
フランスの高級レストランで愛用されている「レスキュールバター」をたっぷり織り込んだ「クロワッサン」は、480円と高価格にもかかわらず、最初に売り切れてしまう一番の人気商品。フランス本店で食べられる「クロワッサン」と同じ本場の味を楽しめるのが魅力です。
クロワッサンの層を数えてみると、何と12層。薄く伸ばし生地に、厚めに伸ばしたバターを包みます。そうやって交互に重ねることで、バターの味と香りがよりいっそう引き立つのだそう。
食べてみると今までに感じたことのない香りがほわっと立ちのぼり、サクサクの食感とバターの自然な甘みが口の中いっぱいに広がります。
国産バターを使った「クロワッサン」は、両端がキュッと曲がった三日月のようなかたち。こちらは価格も250円とお手頃ですが、フランス仕込みの職人技と素材の良さを実感できます。ややあっさりとした口当たりと、優しく上品な甘みで日本人の好みにぴったり。日本オリジナルのレシピです。2種類のクロワッサンを食べ比べてみるのも、このお店ならではの楽しみ。
フランスの家庭の味タルトフィンヌ
クロワッサンが注目を集める『メゾン・ランドゥメンヌ トーキョー』ですが、他にもパリの味を楽しめる商品が揃っています。
こちらは薄いタルトという意味の「タルトフィンヌ」。日本ではあまり見かけませんが、フランスではおばあちゃんが作ってくれる家庭の味なんだそうです。
バターたっぷりの薄い生地に、季節の果物がたっぷり乗った素朴なお菓子は、クリームなどを挟んでいないので、さっぱりとした甘みが特徴。細かい粒子のグラニュー糖を使い、なめらかな舌触りに仕上げています。
コーヒーや紅茶と一緒に楽しむのはもちろん、休日はシャンパンやスパークリングワインのお供にしても良さそう。少しおしゃれなおもたせにもおすすめです。
こちらはミラベルの「タルトフィンヌ」。ミラベルはこけももの実です。日本ではなじみが薄い食材ですが、甘酸っぱい味はどこか懐かしく、いくらでも食べられそう。
日常で気軽に食べたい定番のパン
バゲットも1日1店舗で2000本~2500本を販売するほどの看板商品です。注目すべきはリーズナブルな価格。バゲットはフランス人にとっては主食。日常に気軽に食べてもらいたいという思いから、フランスで販売しているのと同じ価格にしているのだそう。小麦の豊かな味わいに、ほっとします。
総シェフ・ブーランジェのミカエル・マッションさんのおすすめは「トゥルト・ドゥ・セーグル」。そのまま食べるのもおいしく、牡蠣など海の幸と相性ぴったり。煮込み料理などとも合う食事パンです。大きめなので、何日かにわたって味の変化を楽しみながら食べるのがおすすめ。
日本のパン職人が腕をふるうパリの人気店
『メゾン・ランドゥメンヌ』のオーナーはパン職人の石川芳美さん。パティシエとして活躍するロドルフ・ランドゥメンヌさんと2人で2006年パリにオープン。現在では、パリ市内に8店舗を展開する人気店です。
日本でも、5年前よりパン教室を展開。そのお弟子さんたちからも「本場フランスの本格的なパンを提供するお店を出してほしい」という要望が高まったので日本進出を決めたのだそう。日本でもパリと同様、直営にこだわり『メゾン・ランドゥメンヌ』のアイデンティティを発信し続けています。
パリの今を楽しめる店内
こちらのお店はインテリアや食器にもパリならではのこだわりがいっぱい。アンティークの鏡や工業用のメタルの家具など、少し無骨なイメージの家具とタイルやヘリンボーンの床など、あたたかみのあるアイテムの組み合わせは「ネオアンデュストゥリエル」というパリのトレンド。
食器もフランスの蚤の市で手に入れたようなアンティークのものを使用。パンからもインテリアや食器からも、「パリの今」を味わえる数少ないショップのひとつです。
- ■ お店情報
- メゾン・ランドゥメンヌ トーキョー
- 住所:東京都港区麻布台3-1-5(地図)
- 電話:03-5797-7387
- 営業時間:[平日]7時~20時30分、[土日]9時~19時30分
- ランチタイム:[平日]11時30分~14時30分、ブランチタイム[土日]10時~14時
- ※記事の内容は取材当時のものです。 最新の情報は、お店のHP、SNSなどをご確認ください。