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    森きみさんに聞く!パンのある暮らしと大切にしていること

    「森きみ」の愛称で親しまれ、現在は5歳になるお子さんのママでもあるモデルの森貴美子さん。子どもの頃からパン好きという森さんが、実際に1年間撮りためてきた日々のパンの写真をもとに書き下ろしたエッセイ集『森きみのパンダイアリー 毎日がパン日和』を出版されたということでお話を伺ってきました。

    パンのお話だけでなく、日々の暮らしや楽しみについてもお話を伺ってきました。

    森 貴美子(もり きみこ)

    神奈川県出身。『non-no』モデルとして、17歳でモデルデビュー。以後12年間レギュラー出演し、2010年3月に卒業。現在は、数々のファッション誌やCMで活躍中。

    誌面では「森きみ」の愛称で親しまれ、ブログ「モリキミニッキ☆」は、1日70万アクセスを超える人気ブログとなっている。書籍『森きみのハッピーエブリデイ』『森きみタイム』『ICELANDIC HONEYMOON』『humming life』などがある。

    ブログ「モリキミニッキ☆」|https://ameblo.jp/morikimi-morikimi/

    『森きみのパンダイアリー 毎日がパン日和』について

    —今回の著書『森きみのパンダイアリー 毎日がパン日和』は、森さんが食べてきたパンのことはもちろん、ご家族との生活や森さんの子どもの頃についても書かれていますよね。どういった経緯で今回の本を作ることになったのでしょうか?

    森貴美子さん(以下、森きみ):この本は、私が前に出した日常のことや思っていることを綴ったエッセイ『森きみタイム』という本がきっかけになっているんです。その本の中に1つだけパンの話が入っていて、それを読んだライターさんが「こういう話をもっと書いてほしい!」と、すごく気に入ってくださって。出版社が決まる前から、ライターさんが動いてくださり、作ることになりました。

    —そうなんですね。本の中で、保育園の頃はパン屋さんになりたかったとありましたが、パンを好きになったきっかけを教えてください。

    森きみ:実は、子どもの頃は食が細くて、贅沢な話なのですが食事の時間が少しめんどうに感じていたんです。でもパンは、選ぶところから楽しくて。

    パン屋さんへ行くと、その日によって並んでいるパンが違うし、1種のアトラクションみたいなものでウキウキしていましたね。私が幼い頃に通っていたパン屋さんは、お店に入ると小麦粉のいい香りがしていました。いつもニコニコしているおばさんがいて、会うたびに元気をもらえるような方だったんです。だからお店に行くのも楽しみでしたし、「幸せな空間」というのがパン屋さんのイメージになって、その頃からパン屋さんに憧れていました。

    —今はどんな風にパン屋さんを楽しんでいるのでしょうか?

    森きみ:最近は、見知らぬパン屋さんがあるとつい入りたくなっちゃいますね。

    —仕事やプライベートなど旅先でもパン屋さんを探したりするのですか?

    森きみ:しますね。私、食パンが特に好きで、中でもフルーツサンドが大好きなんです!旅先でも、フルーツサンドを求めて喫茶店に行ったりします。あと、関東ではゆで卵をつぶしたたまごサンドが一般的ですが、関西へ行くとたまごサンドが厚焼きたまごだったりするので、その土地ごとのパンを楽しんでいますね。

    —お気に入りのフルーツサンドのお店もあるのでしょうか?

    森きみ:京都だと『ヤオイソ』という果物屋さんがやっているパーラーがあるんですが、そこのフルーツサンドは生クリームのバランスやフルーツの大きさが絶妙なんです!あと、手軽に食べられる『メルヘン』のフルーツサンドも好きですね。

    この間、代官山で撮影があったときは、『フツウニフルウツ』(代官山)のフルーツサンドを食べてみたかったんですけど完売していて…。その日は「どうしてもフルーツサンドが食べたい!」って思って、ちょっと歩いて『Bird』(代官山)に行って食べてきました(笑)。

    —フルーツサンドへの熱がすごいですね!

    森きみ:そうですね(笑)。フルーツサンドは大人になってから出会ったパンなんです。今までパンは、食事パンのようなお惣菜がはさんであるサンドイッチがベーシックだと思っていたんですよね。だからフルーツサンドのちょっとしょっぱい食パンに甘クリームやフレッシュなフルーツというその組み合わせが…もう、なんていうんでしょう…私にとって子どもの頃、絵本で見た、手に届かないキラキラしたものに近いんです。

    私がファッションを好きになるきっかけになった『あしながおじさん』という本があるんですが、小学生の頃、そこに登場するシルクのストッキングが欲しくて欲しくて…。フルーツサンドもそういうキラキラした憧れの対象に近い感じです。

    —すごく憧れるけど、実際には手が届かない感じでしょうか?

    森きみ:そう!でもそのキラキラを手に入れることができるのがフルーツサンドかなって思うんです。ケーキほどかしこまっていなくて、手軽に食べられて、でもキラキラしているっていう。

    —たしかにそうかもしれませんね。ちなみに、最近気になっているパンはありますか?

    森きみ:まだ食べたことがないんですけど、友達が写真で送ってきてくれたパンがすごくおいしそうだったんです!仙台のパン屋さんで『日和ベーカリー』というお店で、見てくださいこれ!(葡萄パンにバターがサンドされたパンを見せてくれました)

    丸い葡萄パンにバターがサンドされているんですが、この形は珍しいんですよ。固形バターがサンドされていて、もう最高の組み合わせですよね!このパンを食べてみたいです。

    —大きなバターがサンドされていましたが、お気に入りのパンのお供はやはり…?

    森きみ:バターですね!もうパンの厚みと同じくらいたっぷり塗っています。塗るというか、のせる感覚で食べるのがおすすめです(笑)。

     

    日々の食事とその楽しみ

    —モデルというお仕事柄体型も気にされたりすると思うんですが、気をつけていることはありますか?

    森きみ:気をつけていること…。強いて言えば、食べ過ぎないようにしていることです。本当に気をつけなきゃなって思っています(笑)。でもあまりストイックにやるのが性格に合わないので、好きなものは食べるけど、量で調節しています。

    あとは、お酒も飲まないですね。昔からおばあちゃんみたいな生活をしているので、夜更かしもあまりしないですし、冷たい飲み物を飲まないで、日頃から白湯を飲むようにしています。

    —それが習慣になっているのが、いいのかもしれないですね。

    森きみ:あと、夫が割と素食好きなので、家での食事は和食が多いんです。私は中華が大好きなんですけどね(笑)。

    —では、結婚されてから食生活も変わったのですか?

    森きみ:変わりましたね。家では和食中心なのですが、仕事先などひとりで食べるときは、その場所その場所のおいしいラーメン屋さんを探したりします。あと、「帰りにどこのパン屋さんに寄って行こう?」って探すのも楽しみになっていますね。

    —お子さんもパンが好きなのだそうですね。

    森きみ:そうなんです。小さいときからパンが大好きで「ぱーんー」って言っていたんです。かわいかったな〜!パパ、ママの次にはっきり言えたのは「パン」でしたね。「パン」しかしゃべれなかった子が、今は5歳になってよくしゃべるようになって成長に驚いています(笑)。

    娘もお料理するのが好きなので、一緒に作ったりもしていますね。彼女自身は料理もお手伝いしたいし、全部自分でできると思っているみたいですけど(笑)。お昼ごはんも、どこへ連れていくっていうよりも「何が食べたい?」って聞いて彼女の意見を尊重しています。

     

    無理しない、ライフスタイルに合うファッション

    —森さんの普段のファッションのこだわりを教えてください。

    森きみ:好きなものを着ることですね(笑)。こだわりというか、動きやすさや歩きやすさ、疲れない格好が好きです。

    —それは昔からなのでしょうか?

    森きみ:いえ、無理してヒールを履いていた時期もあったんですけど、疲れちゃうのでだんだんとスニーカーになっていったり、小さいバッグじゃ荷物が収まらないのでリュックになっていったり(笑)。

    仕事の時はどこへでも電車とバスと歩きで行くんです。だから動きやすくて、荷物が多くなっても、距離が長くなっても、疲れないような自分のライフスタイルに合った格好をしています。

    森きみ:そういえばこの間、仲の良いスタイリストさんに「なんでモデルさんって、撮影のときアクセサリー外さなきゃいけないのに付けて撮影に来るの?」って言われて、「たしかに!なんでだろう?」って考えたんです。どうせ着替えるからといって気にかけないと、それが人生になってしまう気がするなって。ちょっとの距離でもいつでもお気に入りを着ていたいなと思っています。

    —なるほど!

    森きみ:以前は、そんなこと考えもせずすごく自由な格好をしていましたけどね。雑誌『non-no』のモデルをやっていた頃は、毎日のように撮影だったので、朝ロケバスに乗って、寝て、仕事をして夜に帰るという感じでした。だからTシャツに短パンかジーパンでいいやって思っていた時期もありましたね。

    今は、娘を毎日保育園に送り迎えしていて、そこで先生やお友達のママさん、娘のお友達にも会うので、ガチガチにおしゃれをすることはないですが、どうでもいい格好はしないようにしようって思ったんです。

    あと、子育てに追われていた頃にどうしても適当な格好やすっぴんでいることが多かったのですが、ふと鏡に映った自分がみすぼらしくて…。「あっ、きれいでいよう」って思うようになり、日頃からきちんとメイクするようになりました。

    —そういう、きれいでいようって思う瞬間や今日何着ようって選んだり考えたりするのが大切なのかもしれないですね。

    森きみ:そう!心がける時間は大切だと思います。特に予定がなくて本を読もうかなと思ったときもわざわざコーヒーショップに出かけて読むようにしています。家で読むとダラダラしちゃうし、姿勢も悪くなるなって思って。見栄っ張りだから、あえて人の目を気にする場所に行ってきちんとしようとしています(笑)。

    —わざわざ出かけて行くって大事ですよね。

    森きみ:人に会うということが大事だなって思います。娘はどちらかというとインドアなんですけど、家で過ごすときもちょっとDVD借りに行ったり、スーパーに行ったりと、1日1回は外に出て、人に会うようにしています。

     

    子どもが生まれて変わったこと

    —今回の著書やブログ『モリキミニッキ☆』にも、お子さんとの楽しそうな日々が紹介されていますね。

    森きみ:今は彼女の日々の成長が本当に楽しみです。もちろんそれだけではきれいごとに聞こえてしまうかもしれないんですけど、でもやっぱり娘を通して気づくことや学びがたくさんあるんですよね。毎日一緒にいることができて、かわいくてハッピーというよりは、子どもと一緒にいることで、また自分も1から成長していける気がしているので、それはすごいことだなと日々思っています。

    —やはり、お子さんが生まれる前と今では違いますか?

    森きみ:違います。あの頃は、自由だったな〜と思いますね(笑)。あと、怖がりになりました。守るものができたら自然と強くなるのかなって思っていたんです。子どもが生まれて、肝が据わった部分ももちろんあるんですけど、この子が成人する姿を見たい、それまで元気でいないとって思うと、飛行機や高い場所など何もかも怖いというか慎重になりましたね。1番大事な存在だから、どうしたら彼女がハッピーでいられるかっていうことを考えると、自分も元気でいなきゃいけないなって思うし、自分もハッピーでいようって思うようになりました。

     

    行ってみたい場所も、やってみたいこともたくさん

    —お仕事でもプライベートでも、何かやってみたいことや始めたことはありますか?

    森きみ:そうですね〜、やってみたいことや行ってみたい場所もそうですが、読んでみたい本や会いたい人も多くて、時間が足りないです(笑)。でも、最近、昔習っていたピアノをまた習い始めました。娘が今ピアノを習っていて、この前発表会に出たんです。それを見ていたら、自分もまた弾きたくなって。2人で連弾したり、娘と一緒に学べるのは楽しいです。

    行ってみたい場所では、野生動物が見たいですね。タスマニアやアフリカ、マダガスカルとか自然があるところに行ってみたいです。

    —動物お好きなんですか?

    森きみ:私こんなに動物大好きなんだ!って、最近改めて気づいたんです(笑)。この間、久しぶりにひとりで動物園に行ったんですけど、じっくりと動物の動きを観察していると、泳いだりとか寝たりとか繰り返していて、たまにあくびをしたりしていて、それが楽しかったですね。多分40分くらいずーっとカバを見てました(笑)。

    —そんなにじっくりと!きっと、そういった時間もリフレッシュになっているんですね。

    森きみ:そうですね。あまり根詰めずに、そういう時間を大切にしています。

    —森さんたくさんのお話、ありがとうございました!

     

    • ■書籍情報
    • 『森きみのパンダイアリー 毎日がパン日和』
    • 著者:森貴美子
    • 出版社:文藝春秋
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