シンプルで上質なライフスタイルを提案するWEBマガジン “パリマグ”
  • PARIS

    SALLE MÔMES!子どもと行きたくなる映画館がパリに誕生

    パリ19区の「ラ・ヴィレット公園」に、子どもと一緒に行けるとても楽しい映画館ができました。もともとあった『Le cinema Pathé la Villette』という映画館の中にできた、まるでおもちゃ箱のような映画館『SALLE MÔMES!(サル・モム!)』です。

    映画会社のゴーモン & パテ社が、「小さい頃から映画に親しんでほしい」とブロックのおもちゃで有名なレゴ社と共同開発した映画館ということで、2歳から14歳までの子ども達が楽しめるように、様々な工夫が施されています。今回はその『SALLE MÔMES!』をご紹介して行きましょう。

     

    上映前の空き時間に遊べるのがうれしい!

    小さいお子さんを初めて映画館に連れて行くとき、まず気になるのが待ち時間ですよね。お客さんの入れ替え時間や映画が始まる前に、 子どもが退屈してしまい、静かにさせておけなくて「ギブアップ…」というお母さんもいらっしゃるのでは?

    でも、『SALLE MÔMES!』なら大丈夫!上映室の前には子ども用のアトリエ空間があり、簡単なゲーム機やカードゲームなどを楽しむことができます。意外と普通の映画館には、こういう子ども達が時間を潰すスペースがないんですよね…。

    毎週水曜日、そして春休みや夏休みなどの学校の休暇時期には、様々なアトリエイベントも企画されているそうです。2〜6歳クラスでは塗り絵や切り絵、6〜12歳向けのアトリエでは、オブジェのクリエーションなど、かなり本格的!これなら子どもたちも退屈しませんね。

     

    おもちゃ箱のような映画館!?

    映画上映30分前から、入場開始されます。『SALLE MÔMES!』は、一番手前の1の部屋の部屋です。

    入り口では、レゴでできた黄色いムッシューがお出迎え。

    入り口の門や、絨毯までレゴ模様で、カラフルでかわいい!

    扉を開けて初めに目に飛び込んでくるのは、カラフルでいろいろな形のソファーたち。

    そして、なんと滑り台!?

    よく見ると…滑り台だと思ったものは人工芝にグリップがついていて、ロッククライミングのように、登って遊ぶものだとわかりました。グリップには、『LA SALLE MÔMES』の文字が。「MÔME」とは、フランス語の口語で「ちびっ子」を意味する言葉です。子どもの頃から、映画に親しんでもらいたいという気持ちがたくさん詰まった素敵な空間!

    子ども達は、それぞれ気になるブースに走って行きました!まるで、アスレチックか遊園地のような騒ぎです。小さい子ども達のために、スクリーンの下には大きなレゴが置いてありました。

    こちらは上の壁一面を使ったレゴアート。これ、すべてレゴで作られています!すごい!

    大きな子どもたちが楽しんでいました。

     

    座席選びも楽しい!居心地のいいイスたち

    席選びも楽しみのひとつです。一番前は、寝っころがって見られるマットスタイル。ここのエリアでは赤ちゃん連れのお母さんが、子どもを寝かしたり、ハイハイさせたりしているシーンを良く見かけました。

    中段あたりは、柔らかソファー。子どもと大人が2人で座るとちょうどすっぽり収まるサイズ感です。少し寝そべった体制で見られるので、まるで家でテレビの前にいるような開放感。

    一番上は、座るタイプのイスですが、色がカラフルでかわいい!ベビークッションも準備されているので、小さい子どもが後ろの列になっても、前の人の頭で見えなくなるという心配もありません。ちなみに子ども用おやつも予約することができるんです(2.50€)!子どもたちと一緒に映画を楽しむための便利なサービスがたくさん!お母さんたちにとってはとってもうれしいですね。

     

    子どももいい子に映画鑑賞!フランスの映画鑑賞のルール

    開場から10分くらい経ち、広告上映がはじまります。係員さんがやってきて、「映画が始まったら、レゴで遊んではいけません。おしゃべりもいけません。ちゃんと映画を観ましょうね!」と注意事項を伝えてくれました。

    これで、大騒ぎの中、映画を観ることもありませんね。ホッ…

    フランスの映画館では、もし子どもが泣いたり、静かにできなかったら、退出するという習慣があります。逆にちゃんと座っていられれば、小さい頃から映画やコンサート、レストランなどに行くことが許されています。もし、いい子にできなければ、おうちでベビーシッターとお留守番ということになるわけですから、子どもなりにがんばって静かにしてみようという気にもなるようです。

    明るかった光が暗くなり始めると、子どもたちは少しずつ席に着いていきました。映画が始まると、本当に静か。1時間半のアニメーションでも、トイレなどに出て行く人の行き来もほんの少しで、なかなか優秀!座りやすいソファーや、お母さんとくっついて座って観られる安心感など、従来の映画館にはない工夫が、子どもたちのストレスを少なくしているのかもしれませんね。

    映画が終わると、さあもうひと遊び!

     

    映画界を支える人たちの思いを感じられる映画館

    出入り口には、映画俳優のアラン・シャバが、2017年12月のオープニング時にサインと共に残していたメッセージプレートがありました。

    『みんな、映画を楽しんでね!映画万歳!』

    映画界を支えるみんなの気持ちが伝わってきますね。

    『SALLE MÔMES!』は、いろいろな世代の人に楽しんでもらえるように、上映プログラムが 日毎、時間毎に変わります。ぜひ、子どもたちと一緒に映画鑑賞を楽しんでみてくださいね!

     

    • ■施設情報
    • Cinéma Pathé La Villette
    • 住所:Centre commercial Vill’Up, 30 avenue Corentin Cariou 75019 Paris(地図
    • 公式HP

     

    ■一緒に読みたい記事

    おいしいパンと、映画と本と。新しいのに懐かしい不思議な『シネコヤ』

    飛び出す絵本のような夏のどたばたパリ巡り!映画『ロスト・イン・パリ』

    ジャック・タチにロメール!バカンス気分が高まるフランス映画5選

    PARIS mag OFFICIAL Instagram
    キャラWalker