ここ数年、日本を訪れる海外旅行者がとても多くなり、観光地でなくてもいろいろなところで見かけるようになりましたね。スクラブル交差点や歩道橋、新幹線など日本では当たり前のものも海外からのお客さんには珍しいよう。そういえば、以前、リサとガスパールの作者であるアンさんとゲオルグさんが来日された際も意外なものに興味を持たれていたました。
そんな海外から訪れる旅行者はみんな一体どんなおみやげを買っているのかも気になりますよね。今回は、銀座という土地柄、海外からのお客さんも多いブック&スーベニアショップ『NADiff du Champ(ナディッフ デュ シャン)』に伺い、人気のおみやげを教えてもらいました。
百貨店や家電量販店とはまた違うラインナップですので、海外旅行者ならではの視点が垣間見えるかもしれませんよ。
日本の風景を思い出す花のキューブ
植物の一瞬の姿をアクリル樹脂におさめたアイテムです。インテリアとしてお部屋に飾ったり、標本のように見て楽しむこともできます。
「特にタンポポが人気。なぜだか40代以上の男性が気に入って購入されることが多いです。一切気泡の入っていない高い技術と、タンポポの綿毛の状態を壊すことなく、おさめられていることに、とても驚いているようです」とのことでした。
タンポポや桜など、日本で日常に近いお花が封じ込められているので、自国に帰ったあとも日本を思い出せるのが人気の秘密かもしれませんね。
写真好きが購入!紙製ピンホールカメラ
こちらは自分で組み立てる紙製のピンホールカメラ。35ミリフィルムをセットして実際に撮影することができます。
「うちのお店はソニーのイメージギャラリーが隣接している場所柄、カメラに親しみのある方が多く来店します。みなさん珍しいおもちゃを手にしたような様子で、買って行かれます。いくつかまとめてお土産にする方も多いです」
すっかりスマートフォンやデジタルカメラで撮影することが多くなりましたが、たまにはフィルムもいいですよね。日本での思い出をこのカメラで撮影して帰られるのでしょうか?どんな写真が撮られたかも見てみたいものですね。
まるで提灯のような花瓶
楮紙(こうぞがみ)でできたボトルカバーも人気。上下にひっぱると、提灯のように延びて、グラスやペットボトルにかぶせると、素敵な和の花瓶に早変わりという商品です。
「提灯を彷彿とさせるフォルムと、自宅のグラスなどにかぶせるだけ!という手軽さが人気の理由です。持ち帰るのに『軽い』というのもおみやげとしてはうれしいですよね」
その繊細なフォルムと和紙の質感で日本らしさ溢れるアイテムですが、シンプルなデザインで海外のインテリアにも映えそうなデザインです。
海外のお客さんはロックなグラフィックがお好み?
現代アーティストである大竹伸朗の作品をモチーフにしたTシャツですが、日本人に人気の「ニューシャネルTシャツ」よりも、海外の方は、こちらのグラフィックなモチーフのほうがお好きのよう。
「若い方だけでなく、かなり年配の方も購入されるので、日本人との違いを感じます。ロックな好み方が多いようです」
アート作品の好みには国民性が出るのでしょうか。おもしろい違いですね。
何に使うのか気になるバードコール
タモやメープルなど、家具製作に使われる木材の端材を再利用したバードコール。バードコールとは、もともとヨーロッパで鳥寄せとして狩猟の際に使われていた道具で、近年では、鳥を観察する際に鳥を呼ぶための道具として野鳥ファンに人気です。
「店内のラインナップの中では割と控えめな商品ですが、みなさん見つけ出して購入してくださいます。サンプルを出しているので、店内ではよく鳥のさえずりが聞こえます」
海外の雑貨のように見えるパッケージですが、きちんと「Made in Japan」という表記が書いてあります。みなさん野鳥ファンなのでしょうか。使い道が気になりますね。
おもしろ顔が作れるポップな折り紙
ポップなカラーリングが目を引くこちらは1枚の紙を自由に折ると、無限にいろんな表情の顔が作り出せるカードです。
「折り紙は海外の方に人気のアイテムですが、中でもこのファニーフェイスは1番人気です。王道の和柄より、おもしろ系の方がお好きのよう」。ユーモア満点の表情で、思わず作ってみたくなりますね。意外と複雑な折り紙も、これなら楽しく作ることができそう!
地元再発見!?フランスの写真集
海外旅行のおみやげとして本は荷物になりそうと思ってしまうのは私だけ?
意外と本のおみやげを買って行かれる方も多いようです。フランスの写真家シャルル・フレジェによる、欧州各国の伝統的な儀式に登場する獣人(ワイルドマン)のポートレートをおさめた写真集。まずはその表紙のインパクトで、心をつかまれる方続出です。
「約2年前に出版されたものなので、日本人の反応はだいぶ落ち着いてきましたが、海外の方へはまだまだ人気です。地元再発見みたいな気持ちもあるのかもしれませんね」。
ちなみに近々、お隣のメゾンエルメスでは、日本固有の仮面神や鬼たちの姿をおさめたシリーズ「YOKAINOSHIMA」をメインに「シャルル・フレジェ展」も開催されるので、さらに注目が高まりそう。『NADiff du Champ』でも特集を組んで、シャルル・フレジェのブックフェアも開催するとのこと。ぜひチェックしてみて。
海外旅行者ならずとも欲しくなるアイテムが多いのでは?『NADiff du Champ』は、その他国内外の珍しいアートブックや雑貨がたくさん並んでいます。同じアイテムでも海外からのお客さんと日本に住んでいる私たちとは視点が違うかもしれないし、同じところに興味を持つかもしれない。そんなことを気にしながら見てみると、今まで見落としていた魅力やおもしろさを再発見できるのではないでしょうか。
- ■お店情報
- NADiff du Champ (ナディッフ デュ シャン)
- 住所:東京都中央区銀座 5-3-1 ソニービル 6F
- TEL&FAX:03-6264-6869
- 営業時間:11:00〜19:00
- 定休日:なし(※1/1、年2回法定点検を除く)
- ※記事の内容は取材当時のものです。
■一緒に読みたい記事