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    球根と器があればOK!初心者でも始めやすい「水耕栽培」で春準備

    初心者でも手軽に室内で育てられ、成長を間近に感じられる水耕栽培。ヒヤシンスやクロッカスなど、春に開花を迎える球根植物を育てるなら、寒くなってきた12月頃がオススメです。

    今回は、都内最大規模のガーデンセンター『オザキフラワーパーク』で野菜部門を担当する倉田さんに、水耕栽培に適した品種と、元気に花を咲かせるためのポイントを伺いました。インテリアのアクセントになる水耕栽培用の花器もご紹介します!

     

    初心者はヒヤシンスとクロッカスから。水耕栽培にオススメの球根植物

    都内最大規模の品揃えで園芸文化を発信する『オザキフラワーパーク』

    ピンク、紫、黄色…、春の窓辺を彩ってくれるヒヤシンスやクロッカスの水耕栽培。鉢植えや地植えのように、土や土底ネットなどの資材は不要で、手軽に始めることができます。また、庭やベランダのように広いスペースも必要なく、オシャレな見た目を楽しめることから、近年人気が高まっているそうです。

    「初めて水耕栽培にトライするなら、ヒヤシンスとクロッカスから始めてみるのが良いでしょう。ムスカリやチューリップ、スイセンも水耕栽培可能な球根植物ですが、草丈が高いため、管理するのに注意が必要です」(倉田さん)

    ■倉田さんおすすめの花

    <初心者>
    ・ヒヤシンス
    ・クロッカス

    <中級者>
    ・チューリップ ※原種系(品種改良されていない野生種)が◎
    ・ムスカリ
    ・スイセン

    めずらしい色や形の花も多く取り扱っている。見ているだけで楽しい!

    特にチューリップは原種系でなければ50cm程度に伸びることもあり、器とのバランスが悪いと転倒の恐れも。根がきちんと水に浸かっているか、葉にまんべんなく光が当たっているかを意識しなければいけません。

    また、球根植物ならどんな品種でもOKというわけではありません。品種によっては乾燥気味の土壌を好む植物もあり、ずっと根が水に使った状態では成長が難しいものもあるとのこと。球根の原産地を確認するのも1つの判断方法ですが、迷った場合はお店の人に聞いてみるのがおすすめです。

    「買える植物園」とも称される店内。2階はジャングルのように観葉植物が生い茂っています

     

    「草丈=根の長さ」と心得よう!花に適した「器選び」のポイント

    水耕栽培用の器コーナー。最近ではデザイン性の高いものも豊富

    球根と器さえあればスタートできる水耕栽培ですが、倉田さんは「器選びが重要なポイント」と話します。

    「大切なのは、栽培に適した器を選ぶこと。球根植物の根は、草丈とほぼ同じ長さで伸びていきます。選んだ植物がどの程度の大きさに成長するか事前に調べた上で器を選ぶようにしましょう」(倉田さん)。

    デザイン重視で器を選ぶと、気づけば伸びた根でパンパンになってしまった…なんてことも。球根植物の根は折れやすく、とてもデリケート。成長過程で「やっぱり一回り大きい器に移し替えよう」と思っても、器の中でパンパンになった根を取り出すことは難しく、根を傷つけてしまいます。そうすると、開花に影響を与える可能性があります。なので「草丈が20cmの植物は、根の長さも20cm」などと想定して、それに適した器を用意するようにしてください。

     

    冷蔵庫と段ボールで、「冬」と「土の中」を擬似体験!

    必要なアイテムはこれと器だけ!手軽に始められるのも水耕栽培の魅力

    お気に入りの球根と器を選んだら、さっそく栽培スタート!

     

    1:球根を冷蔵庫に入れる

    栽培を始める前に球根を新聞紙などに包み、冷蔵庫の野菜室に1カ月程度保管するのが重要なポイント。球根を寒さに当てて「冬」を経験させることで、室温に戻したときに「春がきた!」と目を覚まし、元気に成長してくれるそうです。

    球根は通気性の良い新聞紙や紙袋に包んで、冷蔵庫の野菜室に1カ月保管

     

    2:球根を器に入れ、暗くする

    寒さに当てた球根を器にセットしたら、水を球根のお尻に当たる程度入れます。たっぷり浸かりすぎるとカビの発生や、球根を傷めてしまう原因に。根が出てくるまでは、土の中にいる環境を作るために、布や段ボールなどで遮光しましょう。根が出てきたら、遮光を外します。

    好みの器に球根をセットして、水を入れれば準備完了!

    根が出るまでは、遮光して「土の中」を擬似体験させます

     

    3:日の当たる、室温15度の場所へ

    球根を器に設置したら、次は場所選び!水耕植物では「暖房が効いていない部屋の明るい窓辺」がベストポジションです。室温が暖かすぎると、一気に成長が進み、春を待たずに開花してしまうからです。リビングなどの暖房が効いている部屋は避け、「室温15度程度」の場所選ぶと、緩やかに成長し、春頃にちょうどよく開花してくれるそうです。

    「日照時間が足りないと、徒長(とちょう)の原因にもなります。徒長とは、太陽の光を求めて必要以上にヒョロヒョロと茎や枝が伸びすぎてしまう状態のこと。本来の姿で咲くことができず、バランスも悪いため、半日以上日が当たる場所で管理するようにしましょう」

    涼しくて明るい場所に置くのが上手に育てるポイント。水に接するのは根の部分だけでOK!

     

    4:1週間に1度の水替え

    発根後は「根の先端」が水に浸かるよう水位を調整し、1週間に1回程度水替えを行います。球根内に開花までの栄養分が含まれているので、液体肥料などを与える必要はありませんが、気になる場合は「メネデール」という活力剤を使うと、発根の促進や花色を良くする効果が期待できるそうです。

    涼しい場所で管理するため、頻繁に器の中を洗う必要はないですが、ぬるつきが出てきてしまったら、根を傷つけないように水で軽く揺すり洗いをしましょう。

    水替えは根を傷めないよう、小さなすき間からゆっくりと

    水耕栽培は、難しいテクニックは必要ありません!日当たりと室温に気をつければ、簡単に花を楽しむことができます。

     

    デザイン性の高い器で、インテリアにアクセントを

    小学生時代に、理科の授業で使用したタイプの器もノスタルジックですが、最近はデザイン性の高い器も豊富。そこでインテリアのアクセントにもなる、水耕栽培用の器をご紹介します。

     

    ●繊細な薄いガラスが美しい『CUT BOTTLE VASE 14』

    ボトルのようなストレートな容器と、漏斗(ろうと)のようなユニークなシェイプの球根受けがセット。高級グラスのような繊細なガラス製で、どんなインテリアにもマッチします。

     

    ■コルクがポイント『SOAK HYDROPONICS POT』

    下部がコルク製になっていて、デザイン製はもちろん、滑りにくく使い勝手の良さも魅力。コルク部分は取り外し可能なので、お手入れも簡単です。ミニサボテンなどの多肉植物の栽培にもおすすめ。

     

    ●オランダ製のミニマムデザイン『PROPAGATION VASE』

    オランダのガーデニングブランド『ESSCHERT DESIGN』。球根受けが浅く、球根そのものも楽しむデザインになっています。サイズも豊富なので、色々な種類の球根栽培が楽しめます。

     

    ●ワイヤーを使ったアレンジも◎

    好みのグラスや花瓶を使う場合は、ワイヤーを使って球根を固定する

    自宅にある花瓶や器を使う場合、球根が滑り落ちないようにワイヤーで土台を作ると◎。ワイヤーは100円ショップで購入できるものでOK!ワイングラスなどを使うと、また違った表情を見せてくれます。

     

    気軽に始められ、室内で育てられる水耕栽培。この時期スタートすれば、春には愛らしい花を楽しむことができます。お気に入りの花器を手に入れて、水耕栽培を始めてみませんか?

     

    • ■店舗情報
    • オザキフラワーパーク
    • 住所:東京都練馬区石神井台4-6-32
    • 営業時間:9:00~19:00
    • 定休日:1/1〜1/2
    • TEL:03-3929-0544
    • HP:https://ozaki-flowerpark.co.jp/

     

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