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    シーリングスタンプの世界へ引き込まれる!ヨーロッパ輸入文具店、吉祥寺『ジョヴァンニ(Giovanni)』

    近頃、文具好き以外の方や若者から人気を集めている「シーリングスタンプ」をご存知でしょうか。

    蝋を熱で溶かし、さまざまな模様やモチーフが彫られたスタンプで判を押す、ヨーロッパで生まれた伝統的なアイテムです。このシーリングスタンプを専門に扱い、輸入文具店として吉祥寺に店舗を構える『ジョヴァンニ(Giovanni)』で、シーリングスタンプの奥深い世界を覗いてきました。

    デジタルのメモツールやメッセージアプリが一般化する一方で、便箋の封を蝋でとめたり、サイン代わりに判を押したり。シーリングスタンプで作られる温かくて美しい装飾や、大切な人を思いやる作業そのものに隠れた価値が見出されているようです。

    今回は『ジョヴァンニ』のオーナー・高梨さんに、お店の紹介とともにシーリングスタンプの使い方やその魅力を詳しく伺いました。

    中世へタイムトリップ。イタリアの物づくりの系譜を継ぐ『ジョヴァンニ』

    まず驚くのは、溜息がこぼれてしまうほどの美しい店内!丁寧な手仕事を思わせる美しい便箋やさまざまな模様が彫られたシーリングスタンプなど、“書くこと”にまつわるアイテムが揃います。アイテムひとつひとつに物語が宿っているようで、思わずうっとりしてしまいます。

    「この店で取り揃えているアイテムは、すべてヨーロッパから取り寄せています。その多くがイタリアの商品。歴史の古いシーリングスタンプは、ヨーロッパ全土で普及していますが、イタリアのものは中世からの製法をそのまま活用しているのが特徴です」と話す高梨さん。

    “今っぽい華やかさ”ではなく、中世の空気をそのまま運んできたかのような、重厚感あるアイテムがズラリと店内に並びます。西洋絵画の世界に吸い込まれたかのようで、「じっくりと眺めて味わいたい!」とそんな気持ちになってしまうはずです。

    最近では、文房具のチェーン店などで「シーリングスタンプ風シール」を手軽に見つけることができますが、シーリングスタンプが歩んできた歴史そのものを垣間見ることができる『ジョバンニ』では、「本物」を敬うセレクトと出合うことができます。

    もっともっと自由に、楽しく使うのがコツ

    手紙を書く機会がそもそも少ないという方が多いと思いますが、そんなシーリングスタンプを使うことにハードルを感じている方のために、高梨さんに使い方やコツを聞きました。

    「特に決まったルールはないんですよ。形に囚われず自由に使ってもらえたらうれしいです。例えば、手紙の封を閉じるイメージが強いと思いますが、ガラスや金属、紐など、どんな素材にも使えます」と高梨さん。

    ラッピングの紐を止めたり、ギフトのワインボトルにメッセージカードを貼りつけたり、コロナ禍でなかなか会えない大切な人へのプレゼントやお手紙に…。なんだか素敵なアイデアがたくさん湧いてくる気がしませんか?

    シーリングスタンプの使い方

    ビビットに使い方のイメージができたところで、高梨さんにシーリングスタンプの手順を教えていただきました。実践していただいた様子と合わせてご紹介します。

     【STEP1】
    蝋を火の点いたランプ等にかざして溶かします。蝋は、スプーンの底に軽く当てて火にかざすか、 好みの量を切り取りスプーンに入れて溶かしてください。ワックスに火が点かないように注意!

    じんわりと溶けていくので、焦らず静かに待ちましょう。

    【STEP2】
    固形の蝋がなくなって液化したら、ゆっくりと目的の場所にたらします。量は少し多めにたらすと綺麗な仕上がりになります。

    【STEP3】
    ワックスが固まらないうちにスタンプを数秒押します。ひと呼吸おいてから静かにスタンプを離しましょう!

    【FINISH】
    約1分後、蝋が固まって艶のあるスタンプが完成です!

    このように、初心者の方でも簡単に判を押すことができるんです。

    初心者の方からマニアの方まで楽しめる、おすすめアイテム

    店内の棚に並んだシーリングスタンプ用のカラフルな蝋

    約150色の蝋と数十種類のスタンプが揃う『ジョヴァンニ』。スタンプのマークは、昔のヨーロッパでは自身のサインとして使われていましたが、現在では星座やアルファベットなど種類豊富で自分好みのデザインを自由に選べるところがまた魅力。

    蝋も色を混ぜたり、好みの色を作成できます。スタンプのマークと蝋の色の組み合わせを考えるだけでも、とてもわくわくします!使うシチュエーションやシーズンなど、セレクトのヒントにしてみてもいいかもしれませんね。

    シーリングスタンプと蝋のセット

    「まずは手頃に試してみたい」という方には、蝋と既成のシーリングスタンプのセットがおすすめだそう。使い方に慣れながら、ご自身のペースで日常に取り入れてみてくださいね。

    高梨さんが実践で使っていたシーリングスタンプは、『ジョヴァンニ』のオリジナルマークが彫られたもの。こんなふうに、「自分らしさをぎゅっと閉じ込めたマークが作りたい!」という方向けに、オリジナルのシーリングスタンプ作成サービスも行っています。自分だけのシーリングスタンプは、日常をグッとロマンチックにしてくれそうな予感!

    シーリングスタンプの歴史はメソポタミア文明まで遡ります。本来は読み書きのできる貴族や将軍など限られた人たちだけの文化でしたが、長い年月を経て、世界中のだれでもが親しめるものになりました。

    メソポタミア文明から変わらないやり方だなんて、ひと押しひと押しに気持ちが溢れてしまいそう!輸入文房具専門店『ジョヴァンニ』では、そんなシーリングスタンプの奥深い歴史まで丁寧に教えてくれますよ。

    • ■お店情報
      『ジョヴァンニ(Giovanni)』
      住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町4-13-2
      営業時間:12:00〜19:00
      定休日:水曜日
      HP:https://www.giovanni.jp/
      Instagram: https://www.instagram.com/giovanni.tokyo/
      ※記事の内容は取材当時のものです。 最新の情報は、お店のHP、SNSなどをご確認ください。

     

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