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    日常に寄り添う、おもしろいガラクタ。駒沢の古道具屋『TOKYO DANCE.』

    駒沢大学駅から、徒歩15分。おしゃれなカフェや駒沢公園を通り過ぎ、見えてくるのは古道具屋『TOKYO DANCE.(トウキョウダンス)』です。店内にはオーナーの土居健さんが集めた日本の古道具が、所狭しと並んでいます。ガラス食器、マグカップ、木の器に、キラキラ光るアクセサリー。おや?これは一体、何に使うんだろう…?首を傾げながらも、思わず「かわいい!」と手に取りたくなる雑貨や家具たち。

    モノが溢れる世の中だからこそ、自分の目で見て触れて、「モノの価値」を感じてほしい。そんな土居さんの想いがぎゅっと詰まった、古道具屋『TOKYO DANCE.』をご紹介します。

     

    「好きなことしかやりたくない」頑固さが入り口だった古道具の世界

    駒沢大学駅から徒歩15分。こじんまりと佇むお店

    学生時代から“古いもの”が好きだったという土居さん。古道具屋の世界に入ったのは、“好き”を貫く気持ちが大きかったからと言います。

    「高校生のときから古着や古道具が好きで、大学生になると古道具屋でアルバイトをしていました。卒業を控えた頃、『そんなに古いものが好きならうちで働く?』と店主に誘ってもらったのが、古道具屋を生業にしたきっかけです。当時は就職活動をするイメージが湧かなくて、『好きなことしかやりたいくない!』という頑固さがあったんです。店主はそんな僕を見かねて声をかけてくれたんだと思います(笑)」。

    そうして大学卒業と同時に、古道具屋の見習いとして働き始めた土居さん。経験を積むこと1年8ヶ月、そのお店を辞めます。退職後は日雇いのアルバイトをしながら、週末に骨董市へ出かけ、解体している建物があれば声をかけたり。地道に古道具を集め続けたそうです。

    窓際には、美しいマグカップや食器が並ぶ

    「最初は自宅に置いていたんですが、だんだんスペースがなくなってきて。イベントやポップアップを催して売りたいなと、場所を探していたんです。そんななか出合ったのが、今の場所でした」。

    とある展示会開催中は、名前が『TOKYO FLADANCE.』になるというユニークな試みも

    実際に4日間の展示販売をすると、友人のみならずInstagramを見てくれた人や、近所の人も多く来店してくれたんです、とうれしそうに話す土居さん。「ここでならやっていけそう」その気持ちを信じオープンしたのが『TOKYO DANCE.』でした。

     

    「かわいい!欲しい!」と思った古道具を、気軽に買えるお店に

    仕入れ先はバラバラなお皿や陶器たち。古道具の魅力を引き出す陳列も見どころ

    重厚感のある家具や、独特な雰囲気を醸し出すおしゃれな雑貨。色合いや形がおもしろい古道具が店内を彩る『TOKYO DANCE.』。惹きつけられるように思わずじっくり眺めたくなる品揃えには、見習い時代から変わっていない、こだわりの仕入れと陳列方法があると言います。

    「古道具店の仕入れは、市場に買い付けに行くことが一般的です。でも『TOKYO DANCE.』の場合は、解体前の民家や施設、工場がほとんど。閉店しているお店にピンポンを押して、買わせてもらえますか?と尋ねることもあれば、友人やお客さんから『家を壊すから全部引き取ってほしい』と声をかけてもらい、お宅に出向くこともありますね」。

    「近所のおばあちゃん家からもらった家具や雑貨も並んでますよ」と気さくに笑う土居さん。おしゃれな店内からは想像もつかない、仕入先に驚きです。

    他の人に取られたくない、目を引く古道具は同じ種類であっても全て引き取るのが仕入れのこだわり

    「日常使いされていた家具や、生活感たっぷりな雑貨、何に使うのかわからない小物まで。それ単体で見たら買いたい!と思わないものもあります。だからこそ、仕入れた古道具をディスプレイするまでが僕の仕事。どうしたら古道具の価値がお客さんに伝わるか?モノの魅力を引き出せるのか?組み合わせたり、並び替えたりしながら、古道具同士が持つ相性を見極めるんです」。

    素人では思いつかない「モノの組合せ」が、店内の雰囲気を際立たせる

    ディズプレイまでが勝負。そう言い切る土居さん。だからこそ、あえて接客もしない、と言います。

    「説明なしで買えるディスプレイを心がけています。僕が出て行かなくても、買いたい!と心が動く。そんなお店の雰囲気を作りたいですね」。

    古道具を心がときめく直感のまま、買ってもらいたい。そんな土居さんのこだわりは、仕入れや陳列だけじゃない。価格設定にも宿っています。

    「“ただ古いものが好き”と骨董市に足を運んでいた頃は、手が届く価格の古道具を見つけられるとうれしかったんですよね。その感覚を大事にしたくて。手頃な価格であれば、『もっと見てみようかな!』とお客さんは、ぐっと古道具に近づいてくれると思うんです。アンティークや骨董品と聞くと、高級品なイメージを持つ人も少なくありません。でも自分には手が出ないもの、と敬遠してほしくなくて」。

    何に使うのだろう?そんな小物も、土居さんのディスプレイにかかれば味のある古道具に変身する

    「500円」「1000円」と値札のついた古道具。たしかに、一気に親近感が湧き、自宅に迎え入れたくなります。

    「『TOKYO DANCE.』の屋号には、楽しいとか遊びっていうイメージも含んでいるんです。僕が集める古道具は、日常に寄り添う、おもしろいガラクタ。遊び心を持ってモノを楽しんでほしい。そんな気持ちを込めています」。

     

    足を運んで、目で見て、触れて。「モノの価値」を感じてほしい

    古道具との偶然の出合いにワクワクする、店内の様子

    情報が溢れ、わざわざお店に行かずともスマホ1つで買い物ができる時代。「だからこそ、駅から徒歩15分のこの場所に足を運んでくれる人を大事にしたい」と話す土居さん。そこに、「モノの価値」が隠れていると言います。

    「ディスプレイを含めて商品だと思っているので、オンラインで購入できるWebサイトは展開していません。写真で見る“モノの魅力”だけでなく、足を運んで、見て、触れて、お店の雰囲気を感じて。想像しながら買う行為を楽しんでほしいと思っています」。

    ネット上で口コミを確認し、他のブランドと価格を比べ、サイズや色、形を把握してから、ぴったりな家具や雑貨を選びたいと、合理的に買い物をする人が増えた昨今。

    「直感的に欲しい!と思ったモノを手に取る。それも1つの楽しみ方だと思っています。少しの“ズレ”も含めて楽しめる。そんな遊び心を持った家具や雑貨の選び方も味わってみてほしいです」。

    自分の部屋に置くとしたら…?そんな想像をしながら店内を見回すのも楽しみ方のひとつ

    「これ欲しい…!でもあと3センチ小さければなぁ…。そんな家具や雑貨に出合ったら、

    まず買ってみる、それから使い方を考える。配置しようと思っていた位置を変えてみたり、右に左に向きをずらしてみたり。そうやって、モノの持つおもしろさを引き出すのも楽しいですよ。まさに僕のディスプレイもそんな感じです(笑)」。

    店内に降り注ぐ太陽光が、ガラス棚に陳列された古道具たちをキラキラと輝かせる

    店内で偶然出会ったものを手に取り、「どう使えばいいかわからないけど、おもしろそうだから買ってみよう!」そう思ってもらえる古道具を取り揃えていきたい。そう話す土居さんが目指す、これからの挑戦とは。

    「実は、店舗を移転する予定なんです。駒沢での営業は6月1日までとなります。もう少し大きな店舗を構えたくて。扱いたい古道具も増えてきて、もう倉庫もいっぱいなんですよ(笑)。店舗が大きくなれば、入荷の頻度も上がり、ディスプレイも変わってきます。そこからどんなお店になっていくのか───。『TOKYO DANCE.』として新しい挑戦をしていきたいですね」。

    色とりどりの美しい壺や花瓶が、品よく佇み店内を彩る

    ただ安ければいい、使えればいい。そんな物差しだけでは測れない「モノの価値」。『TOKYO DANCE.』が醸しだす、古道具の魅力を引き出す空気感を味わいに、ぜひ一度お店へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

     

    • ■お店情報
    • TOKYO DANCE.
    • 住所:東京都世田谷区駒沢5丁目17−13
    • 営業時間:12:00〜19:00
    • 定休日:水・木・金
    • Instagram:https://www.instagram.com/tokyo_dance_/?hl=ja
    • ※取材当時の内容となります。最新情報はお店のHPやSNSをご確認ください。

     

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