以前PARISmagでもご紹介したパリの人気パティスリー『Yann Couvreur(ヤン・クヴルー)』。「パリで一押しのパティスリー」として紹介されることも多いお店です。日本でもじわじわとその名前が知られるようになり、ついに4月には新宿伊勢丹で開催された「フランスウイーク フランス展」にも出店されました。
出店にともない、ヤン・クヴルーさんが来日!「ボンジュール フランス」の開幕をつげるオープニングソワレの合間に、お話を聞くことができました。
自然の色と香り、味を大切にしているスイーツ
パリ10区とマレ地区にある『Yann Couvreur』。連日、パリの方たちや観光で訪れる旅行客で賑わっています。その魅力はなんと言っても繊細な味と食感、そして美しいデザイン。ヤンさんにお菓子を作るときに大切にしていることを聞いてみました。
「最も大切にしていることはナチュラルであること。香料を使わず自然のもの、そして季節のものを使うこと、このふたつを大切にしています。
色をつけることは、目を騙すことなので良くないと思っています。天然の着色も人工的な着色も私は使いません。味で勝負したいので、なるべく人工的なものは使わず、自然なものを使っています」。
ナチュラルであることを大切にして作るということで、季節ごとに旬の食材を使用したスイーツも登場します。
「自然のものと季節のもの、そのことをとても考えるようにしています。例えば『季節のイチゴからどう感動を生み出すか?』のように。
シンプルなものと本質的なものをいかに追求するかというのはすごく大切なこと。私はもともとレストランで働いていたので、料理人が料理を作るときの考え方や方法を取り入れて、スイーツも作っています」。
シソを使ったレモンタルトに、限定のミルフィーユ!
そんなヤンさんの美学が反映された美しいスイーツの数々。どれもおいしそうで、悩んでしまう人も多いはず。ヤンさんのおすすめも聞いてみました。
「どんなスイーツが好きか、それによっておすすめするものも変わってきます。ただあえて言うなら、プラリネのサクサクした『パリブレスト』や、『ヘーゼルナッツ』、それから『レモンタルト』はシソをベースに作っているので日本の方にもおすすめです。もちろん店内でしか食べられない『ミルフィーユ』も楽しんでいただきたいです!」とヤンさん。
「ミルフィーユ」は、12時からの販売で1日50個限定品。パリの店頭では連日売り切れ必至の人気商品!伊勢丹で開催された「フランスウイーク フランス展」にも、多くの方がこの幻の「ミルフィーユ」を求め訪れていました。
ケーキは私のパーソナリティそのもの
今回はじめての来日だったというヤンさん。
「日本に来てすぐにびっくりしたことは、日本人の規律正しさ。交通機関、特に電車に乗っていると、みなさんルールに基づいて動いていますね。なので、すごく安心していられると感じました。時間を見つけて観光も楽しみたいです!」と、はじめての日本を楽しんでらっしゃる様子。
最後に、普段なかなか食べる機会のない日本でご自身のスイーツを実際に食べてもらう感想を聞いてみました。
「日本の方はスイーツが大好きと聞いているので、そんな方々に食べていただけるということは、とてもワクワクすることでした。
実際に食べてもらうことで、私たちがパリで作っていることをシェアできたのではないでしょうか。“ケーキ”というものは私自身のパーソナリティ、性格のひとつ。それをみなさんにご覧いただけたことはとても幸せなことでした」。
丁寧に言葉を選びながらお話してくれる姿は、繊細なケーキ作りに通じるものがありました。今回は期間限定の出店でしたが、日本でもヤンさんのお店がオープンするときが来るといいですね。そしてパリに旅行に行った際は、ぜひヤンさんのお店にもお立ち寄りください。
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