おしゃれなカフェやショップが続々出店し、賑わいを見せる京王線の仙川駅前から徒歩10分。少し落ち着いた場所にある小さなパン屋さん『ムッシュ・ピエール』。
ガラスを前面に配した開放感のある佇まい。こじんまりした静かな店内には外とは違うおだやかな空気が流れており、ゆっくりとパンを選ぶことができます。
イラスト付きのプライスカードにほっこり。細やかな説明に、店主の丁寧な性格が伺えます。
ガラス窓越しに、店主が描いた子豚の「ピエール」がひょっこり覗いています。
身近な素材を使ってシンプルに、おいしくなるように
「おいしくなるように」と願いを込めて、少なめのイーストでゆっくりと熟成されたパンたち。
ぎゅっと締まったパンは小ぶりながら深い味わいです。あまり高価な素材は使わず、毎日食べられるようにとお手頃な価格設定にしているのだそう。
噛めば噛むほどおいしさが広がる新感覚のパン
『ムッシュ・ピエール』のパンは、こんがりとした焼き色と噛みごたえのある生地が特徴です。
フランスパンの生地を使ったソーセージ入りのパンは、香ばしい生地とソーセージの塩気、粒マスタードがほどよくマッチして噛めばかむほどに口の中においしさが広がります。ランチ代わりにはもちろん、ビールがすすむおつまみにも。
また、同じ硬めの生地でも食感の違うベーグル生地や、サワークリーム入りのソフトな生地を使ったパンもあるのだとか。具との相性を見て生地にも変化を加えるという店主の絶妙なさじ加減に驚いてしまいます。
自家製のカレーを味わう「カレーパン」
看板メニューはカレー好きの店主が作る「カレーパン」。「チキンカレー」「チーズカレー」「アンディアン」など毎日3種類作っているのだそうです。
店主一押しの「チキンカレー」を手に取ると小ぶりな割には重量感が。タマネギをじっくり炒めた特製カレーがたっぷりと詰まっているのがわかります。フワッとスパイスが香り、見た目を裏切らない濃いめの味付け。表面にはカリカリチーズがかかっています。歯ごたえしっかりの生地に包まれて食べ応えも充分。2~3個で立派なランチになりそう。スパイシーな味なので、甘めのお酒との相性も抜群です。
そのほかにも「クリームチーズとあずき」「ソーセージとしそ」など、個性的でユニークな組み合わせのパンも『ムッシュ・ピエール』ならでは。オリジナリティ溢れる具材と食感にすっかりファンになってしまった!というお客さんも後を絶たないのだとか。
「こうすればもっとおいしい」あれこれ試して理想の味に
店主の山本しろうさんは、元イラストレーター。同時にパン屋でもアルバイトをしていました。街で食べたパンを「こうしたらもっとおいしくなるのに…」という思いから、少しずつ家で作るようになったのだそう。試行錯誤を繰り返したパンが評判を呼び、「売ってみたら」と周囲にすすめられ、パン屋さんを開くことに。
「平日は1日1回、土日は2回、少しずつ心をこめて焼いています。」と山本さん。売り切れたら閉店してしまうので、早めに行くのがおすすめです。大量生産が苦手な店主が手ごねで作るパンは、他には出せないコシのある食感。初めて出会う食感なのに、どこか懐かしい感じがするのは日本のおせんべいやお餅などを彷彿とさせるから?
一度食べたらクセになってしまい、たびたび通う常連客が多いのも頷けますね。
- ■お店情報
- ムッシュ・ピエール
- 住所:東京都調布市若葉町2-25-36(地図)
- 電話:03-3309-7446
- 営業時間:11:30~18:00(売切れ次第終了)
- 定休日:月曜日、火曜日、金曜日
- ※記事の内容は取材当時のものです。 最新の情報は、お店のHP、SNSなどをご確認ください。