シンプルで上質なライフスタイルを提案するWEBマガジン “パリマグ”
  • PARIS

    フランス語でメリークリスマス!年末年始に使えるフレーズ

    はじめまして。フランス家庭料理&テーブルコーディネートの教室、フランス語翻訳にフランス語教室など「フランスに関することならなんでもどうぞ!」のペレ信子と申します。現在は、フランス人の夫と3人の子供たちと一緒に日本に住んでいます。子供たちにフランスと日本の文化を伝えるべく、季節の行事を大切に暮らしています。

    もうすぐ心おどるクリスマスがやってきますね。フランスの伝統的なクリスマスやお正月の過ごし方はどんなものだと思いますか?今回は、フランスの昔ながらのクリスマスシーズンの過ごし方やこの時期のフランス語のあいさつについてお話しします。

     

    フランスに年末年始休暇はない!?

    フランスに住むまでは、バカンス好きなフランス人のことですから「クリスマスは長いお休みがあるのだろう」と思っていました。しかし実際のところお休みは12月25日と1月1日のみ。日本のように会社が決める年末年始休みというのもなく、12月25日から1月1日までの間にお休みしたければ有給休暇を取るしかないのです。

    どちらかと言うと、フランス人は、クリスマスシーズンはカレンダー通りに働きます。12月24日は仕事をいつもより早めに終わらせて、キリスト教徒の人たちは夜のミサに出かけます。25日は休み、26日には出社します。そして12月31日まで働き、祝日の1月1日だけ休んで2日は仕事に戻ります。

    日本に比べると「よく働いているなあ」という印象ですが、この期間はパーティーも多いですし、仕事のペースはゆっくりになります。

     

    フランスのクリスマスは日本のお正月のよう

    フランスでのクリスマスの位置付けは日本のお正月のようなもの。あらたまった気持ちで久しぶりに家族や親戚と集まり、お祝いの食事会をします。

    この日のテーブルには、真っ白なリネンのテーブルクロスに、その家で一番良い食器、銀器、グラスが並びます。前菜にはフォアグラや牡蠣などをいただき、メイン料理は七面鳥の丸焼き。デザートは「ビュッシュ・ド・ノエル」と呼ばれる薪形のロールケーキが並ぶのが伝統的なスタイルです。

    飲み物は乾杯のシャンパンに始まり、食事に合わせて白ワイン、赤ワイン、そしてデザートでまたシャンパンに戻り、最後はディジェスティフ(食後酒)までいただきます。夫のおじいさんがまだ元気だった時代には、食後酒をいただきながら紳士淑女は葉巻を愉しんだりしていました。

    大人は食事会の最後にプレゼント交換をします。子どもたちへのプレゼントは、24日の夜のミサから帰ってきたらクリスマスツリーの下に魔法のようにプレゼントが置かれていたり、25日の朝に目覚めるとプレゼントを見つけたりと、サンタさんが立ち寄る時間は家庭によってさまざま。

    クリスマスイブにごちそうを食べるか、24日は簡単な夕食で済ませて25日の昼にパーティーをするかは、地域やそれぞれの家庭によります。夫の実家では25日の昼がクリスマスパーティーでした。この日は多くの親戚が集まります。最初の頃は初めて会う親戚に紹介されたり、久しぶりに会う夫のおばさんに「私の姪」と呼ばれてときめいたりしました。ファミリーの一員としてのつながりを実感する日です。

    敬虔なカトリック教徒の家では、クリスマスには家族だけではなく、周りにいるクリスマスを1人で過ごしている人を招待すると言う習慣が昔からあります。クリスマスの日、あまり見かけない人が食卓にいると思ったら、お義母さんがたまたま前日に知り合ったばかりの人だったと言うこともありました。

     

    大晦日は友人たちとパーティー

    それに対して、12月31日の夜は友達とパーティーをして過ごします。友だち同士のカウントダウンパーティーでもフォアグラやシャンパンなど豪華な食事をすることが多く、食材をワリカンで買って、誰かの家に集合し、新年になる瞬間までおしゃべりと食事を楽しみます。年が明けたら「Bonne Année!(ボナネ!/あけまして おめでとう)」と叫び、お祝いのキスをして朝まで踊り明かす、と言うのが定番の過ごし方です。

    私がフランスに住んでいたときの1月1日の思い出は、前日のパーティー疲れから家で寝ていたことが多く、日本の元旦の清々しい雰囲気とはずいぶん違うものでした。それでも1月2日に出社した時に、普段と違う「Bonne Année!」のあいさつを同僚と交わし、気持ちが引き締まる思いがしたものです。

     

    年末年始に使えるフランス語のフレーズ

    「メリークリスマス」「良いお年を」のような決まったフレーズをフランス語ではなんと言うのでしょう。それぞれの言葉を使うタイミングや、あいさつにまつわるフランスの習慣もご紹介します。クリスマス、年末年始のあいさつやSNSなどでぜひ使ってみてください。

     

    ■「良いお年を!」と言うタイミングで使う言葉

    来年までこのまま会わないだろうと思う人に12月から使えるフレーズです。日本でいうところの「良いお年を」のようなニュアンスで使うとよいでしょう。

    Bonnes fêtes de fin d’année!(ボンヌ・フェット・ドゥ・ファン・ダネ)
    年末の素敵なパーティーを! クリスマスも含んだお祝い事。

    Joyeuses fêtes !(ジョワイユーズ・フェット)
    楽しいパーティー(お祝い事)を!

    fêtesと言う言葉にはパーティーと言う意味と、お祝い事やお祭り事と言う意味があります。誰もがキリスト教のお祝いをするわけではありませんが、12月はクリスマスパーティーやカウントダウンパーティーのように家族や友達と集まる機会が多いので「良い時間を過ごしてね!」という気持ちを込めて使います。

     

    ■12月24日と25日のあいさつ

    Joyeux Noël! (ジョワイユー・ノエル)
    クリスマスおめでとう!

    この言葉はクリスマスシーズンにずっと使うと思われがちなのですが、実は24日から25日までくらいしか使いません。日本人が、年が明けないと「あけましておめでとう」と言わないのと同じ感覚です。

    ただしクリスマスカードを送る場合は、クリスマスと新年のあいさつを兼ねて「Joyeux Noël et Bonne Année」のように、両方のあいさつを書くことが多いです。

     

    ■年が明けてから1月末くらいまで

    Bonne Année !(ボナネ)
    良い年になりますように!

    Meilleurs vœux pour 2022 !(メイユール・ヴ・プール 2022)
    2022年に幸福が訪れますように!

    Bonne Annéeは「良い年」という意味です。「Je vous souhaite une bonne année(あなたにとって良い年になりますように)」という文章を省略したものですが、カードなどには「Bonne Année 2022(新しい年を数字で付け加える)」と書かれていることが多いです。

    フランス人は1月になってもクリスマスツリーをなかなか片付けないのですが、それと同じで新年のあいさつを交わす期間も長く、この2つのフレーズは、その年に初めて会う人に1月末くらいまで使えます。

     

    ■今の世の中の状況を考えると…

    Bonne Santé !(ボンヌ・サンテ)
    健康に恵まれますように!

    こちらを付け足すのもおすすめ。

    年始のあいさつに使うなら「Bonne Santé」単独ではなく「Bonne Année et Bonne Santé!(良い年と健康を)」のようにつなげて使うと良いと思います。家族や友達が、新しい年を幸せと健康に恵まれて過ごせることを祈りたいですね。

     

    どうぞ良いクリスマスシーズンをお迎えください。
    Bonnes fêtes de fin d’année!

    Photo by unsplash

     

    ■一緒に読みたい記事

    パリのクリスマスに遠慮はなし!吹き抜けを使った豪華なイルミネーション

    プレゼント選びに大忙し!フランスのクリスマス準備!

    クリスマスこそ!5つの基本を学んでテーブルコーディネート

    PARIS mag OFFICIAL Instagram
    キャラWalker