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    蚤の市でいわさあやかさんとときめくアンティーク&ブロカント探し

    繊細な装飾が美しいお皿、味わい深い変化を感じられるカトラリー、遠い時代への想像を掻き立てるポストカード…。アンティークやブロカントの品々には、新品にはない魅力を感じることができます。

    今回は、フードスタイリストのいわさあやかさんと一緒に、「赤坂蚤の市 in ARK HILLS」に訪れました。東京とパリを拠点に活動してきた、いわささんのご自宅には、フランスやベルギーの蚤の市で集めたというアンティーク食器がたくさんあり、食卓に華やかさを添えているのだそう。

    あやかさんがフランスなどで購入したブロカントとアンティーク食器たち

    「自分の“好き”を大切に選ぶのがポイント」と話すあやかさんに、蚤の市の楽しみ方を教えてもらいました。

    【プロフィール】
    いわさ あやか
    パリと東京を拠点に、フードスタイリストとして活動する。現在は東京で料理レッスンを行うほか、ポップアップのレストランを企画・開催するなど、さまざまな視点から「食の楽しさ」を提案する。
    Instagram:@ayakaiwasa

    ヨーロッパを中心としたアンティークが集まる「赤坂蚤の市 in ARK HILLS」

    アークヒルズのアーク・カラヤン広場で毎月開催されている「赤坂蚤の市 in ARK HILLS」。100回目の開催を迎えた7月は、これまでより規模を拡大し、約100のアンティークショップが軒を連ねました。こちらの蚤の市では、ヨーロッパを中心に買い付けされたアンティーク雑貨やブロカント、ヴィンテージファッションを手に取ることができます。そのジャンルも多岐に渡り、ガラス製のヴィンテージボタンやポストカードなどの小さなものから、エレガントな装飾が美しい食器やカトラリー、机や椅子などのインテリアまでさまざま。

    フランスをはじめ、ベルギー、ドイツ、スウェーデンなどの国から海を超えてやってきた品々を求めて、遠方から足を運ぶ人も少なくありません。開始時間前から会場内を散策し、品物をチェックしている人も多く見かけました。

    「好き」を基準に品物を選ぶことが、蚤の市回りのコツ

    海外でも大小さまざまな蚤の市をめぐってきた、あやかさん。たくさんの人の間を縫うように、会場全体を回った後、好みのお店に的を絞りました。

    「蚤の市に行ったら、まず品物のラインアップをざっと見て『自分好みのお店』を探します。『今日はこれを探そう』とほしいものを具体的にイメージしながら行く日もあれば、『良いものと出合えたらいいな』と散策を楽しむ日もあります」(あやかさん)。

    この日、あやかさんがもっとも気になったのは鳥モチーフのアイテムを多く並べている『La Perruche perle(ラ・ペルーシュ・ペルル)』というお店でした。

    さまざまな鳥モチーフの食器が並ぶ

    「鳥のモチーフが大好きで、つい手に取ってしまいます。それから楕円形のお皿も集めがち。ちょっと細長いシルエットのオーバル食器は、食卓のアクセントになってくれるのでおすすめです」(あやかさん)。

    店主の方に話を伺えば、「私も鳥モチーフが好きなんです」との答え。他のお店の方も、「現地で買い付ける際は、万人受けを狙うのではなく、自分が『好きだな』と思えるものを仕入れています」と話してくれました。店主の好みと、自分の好みがマッチする出合いを探すのも、蚤の市めぐりの楽しみ方といえそうです。

    お気に入りの店を後に、そのほかのお店もじっくり見ていくことに。

    「何度も蚤の市に足を向けるうちに、自分好みの形やモチーフ、カラートーンが明確になってくるはずです。蚤の市イベントの選び方も、主催者や出店者基準で選ぶのもおすすめ。いいな、と思う雰囲気のお店のSNSをチェックしていると、良いイベント情報をゲットできると思いますよ」(あやかさん)。

    古い食器類には、ヒビや欠けがあるものもありますが、あやかさんは「そこも味やアクセントとして魅力的」と話してくれました。どうしても気になる場合のみ、金継ぎを施して使っているそうです。

    ブロカント・アンティーク初心者には、シンプルな白い食器が取り入れやすいのでおすすめ

    「食器であれば、お気に入りの窯元を見つけてコレクションするのも楽しいです。お皿の裏に書いてあることが多いのでチェックしてみてください」とあやかさん。お気に入りのメーカーのものを発掘できたときは、宝探しのような気分になりそうですね。

     

    「こうやって使うべき」というルールはない。自由に、自分好みに使い方を考える

    蚤の市では「これってなに?」「どう使えば良いの?」という品物もたくさん。店主に伺えば「自由に使って、愛でてあげてください」とのことでした。あやかさんも「使い方にルールはなくて良いと思います。自由に使えばいいんです」と続けます。

    紫の花がデザインされた小さな器。「何に使おうかな?」と考える時間を楽しむ

    あるお店で立ち止まったいわささんは、スミレ柄の豆皿を見つめながら、「ジュエリートレーにしようかな、それともナッツを盛り付けてワインと一緒にコーディネートしようかな」とアイデアが膨らませている様子。ギフトとしてもよく購入するのだとか。

    スミレのミニ深皿はポプリトレイに。食用のドライラベンダーとドライローズは香りが優しく漂うので、ポプリにしても◎!

    紫のお花の豆皿はジュエリートレイに。5年ほど前にパリで購入したアンティークのイヤリングと相性抜群!キートレイにもぴったり。

    同じお店で購入した蓋つきの陶器ケースにはキャンドルをイン。好みの精油を垂らして使えば、心地良い香りが漂います。夕暮れ時のアペロタイムに使いたいな、と思案中。

    古いお菓子の型は「お香入れに使いたい」と数個購入することにしたようです。

    「お香入れ」に、と4つ選んだ焼き菓子の型。くすみ具合が時間の経過を感じさせます。

    実際にお香入れに。コーン型やスティックタイプのお香入れにも良いですが、今回は紙のお香「パピエダルメニイ」を入れて使ってみました!

    ヴィンテージボタンは、アクセサリーとしてリメイクしたり、クッションカバーに縫い付けたり、用途が多彩!

    パリのインテリアショップで買ったクッションケースのボタンに。アクセントになって新たな魅力を発揮しています。

    あやかさんと並んで品物を見ていると、「お皿は食べ物以外のものを載せてもいい」「ボタンは服に付けなくてもいい」と固定観念が徐々に薄らいでいくのを感じました。

    「使用感のあるレースのテーブルクロスも、使われていた当時の時間を感じられて素敵。ソファの背もたれにバサっとかけたり、トレーの下に敷いたり…必ずしも『テーブルに敷く』と定義しないで。自由に使い方を考える時間を楽しんでください」(あやかさん)。

    レースの布小物を一点投入するだけで、その空間が一気に洗練されそう

    見つけたらラッキーな海外のランプシェードなどの照明器具は、部屋の雰囲気をガラリと変えられるアイテム。「日本用にソケットのお直しなどが必要な場合もありますが、一つあればインテリアの要になってくれますよ」(あやかさん)。

     

    予算を決めて「一期一会」の出合いを楽しもう

    「アンニュイな表情がたまらない」と、ぬいぐるみと向き合うあやかさん

    海外から買い付けられたアンティークやブロカントは、リーズナブルなものから、高価なものまで価格帯もさまざま。

    「例えば『今日は1万円』などと予算を決めて回るのがいいかもしれません。かわいい、ほしい、とアレコレ手に取るうちに気づけば散財していた…という可能性も。ある程度、計画的に回ることをおすすめします。どうしても迷ったときは『戻ってくるから、少しの間キープしておいて』と交渉してみても良いと思いますよ」(あやかさん)。

    予算についてアドバイスしてくれたあやかさんも、「コレ、絶対他では出合えない!」と直感したものは、多少高価でも即決で購入してしまうことがある、とこっそり教えてくれました。

    古いポストカードを複数壁に貼ったり、額装して飾ったりすれば、たちまちおしゃれなアート作品に

    出品されている物のすべてが、どこかの街の誰かの生活の中にあったもの。時間とともに育まれた思い出や記憶が、その物の表情をより豊かに変え、見るものを惹きつけるのかもしれません。自分にしっくりと馴染む「一期一会」を探しに、出かけてみてはいかがでしょうか。

     

    ■イベント情報
    赤坂蚤の市 in ARK HILLS

    開催予定:毎月第4日曜日

    開催時間:11:00〜17:00

    場所:アークヒルズ アーク・カラヤン広場

    https://www.arkhills.com/akasaka-nominoichi/

     

    ※記事公開時点の情報です。最新情報は公式HPをご確認ください。

     

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