普段、身の回りにあるにもかかわらず、意識を向けることの少ない「ことば」という存在。忙しない毎日を送る中でも、心に深く刻まれることばとの出会いを私たちは求めているのではないでしょうか。今回は、“最果ての旅のオアシス”『HOTEL SHE, KYOTO』で行われている期間限定コラボレーション「詩のホテル。」をご紹介いたします。詩人・最果タヒがポツリと綴ったことばに浸る時間。世界で初めてのことばの宿泊体験をしてきました。
詩人・最果タヒとデザイナー・佐々木俊が手掛けることばの宿泊体験
“最果てにある旅のオアシス”というコンセプトで2019年にリニューアルした『HOTEL SHE, KYOTO』。ファッションブランド「RiLi.tokyo」や「LEBECCA boutique」との浴衣のコラボレーションなど、これまでも多くのアーティストやショップとの共同企画でも注目を集めてきました。そんな『HOTEL SHE, KYOTO』が今回手掛けたのは、詩人・最果タヒとの期間限定コラボレーション『詩のホテル。』。
最果タヒさんがTwitterで放った「詩のホテルをやりたい」という一言から始まり、『HOTEL SHE,』のプロデューサーである龍崎翔子さん、デザイナーの佐々木俊さんと、今注目の若手クリエイターのこだわりが詰まった宿泊体験です。
都会の喧騒を離れたどり着く“最果ての旅のオアシス”
夜遅くまで活気あふれる京都駅の裏、静かな烏丸通りを通ると『HOTEL SHE, KYOTO』が見えてきます。くすんだピンクやミントグリーンを基調に、アメリカのモーテルを連想させるどこか懐かしいノスタルジックな空間が広がります。
フロントで受付を済ませると、早速、最果さんからの招待状と詩が散りばめられたルームキーをもらい、いざお部屋へ…!
まるでことばの小宇宙!!?一室で発見する詩の新しい楽しみ方
扉を開けると、目に飛び込んでくることばの数々。あとでじっくり読むとして、まずはこれまで見たことないことばの小宇宙のような空間をぐるりと一周見渡します。
すぐに目に飛び込んでくるものから、家具やインテリアを少しズラしたり、カーテンを開けたり、寝そべってみたりしないと気づけない本当に細かい場所にまで…。1泊3部屋限定の今回のコンセプトルーム。どの部屋に宿泊するかで、詞の配置が少し異なるところも唯一無二の体験です。
「あ、ここにもあそこにもある!」と謎解きのように探し回ってしまいましたが、あえて探さず宿泊する中で、ふと詩に出会うのも粋な楽しみ方。京都観光で忙しい旅も、コーヒーを入れて何気なくそばにある詩をひとつ読んでみる。詩やことばの楽しみ方が広がった体験でした。
お部屋の世界観を少しお持ち帰りできるコラボアイテムも多数販売
『HOTEL,SHE』といえば、お部屋でレコードが聴けることで有名です。フロントでさまざまなレコードを借りることもできますが、今回のコラボレーションでは最果タヒさんの詩のレコード『こちら 99 等星』が販売されています。青柳いづみさんの優しい朗読と、温かくも時に冷たい最果タヒさんのことばに心も体も癒される時間。耳からも異空間が広がっていきます。
他にもフロントでは、最果タヒさんの詩集やコラボトートバック、コラボスイーツの用意も。お部屋の世界観を少しでも持ち帰りたい…!そんな方はぜひチェックしてみてくださいね。
『HOTEL SHE, KYOTO』のこだわりが詰まった朝食とスイーツたち
詩を読んで聴いて、ぐっすりと眠った翌朝。せっかくなら、そのホテルならではの朝食を楽しみたいですよね。『HOTEL SHE, KYOTO』では、ホテルの雰囲気とマッチした見た目もかわいく華やかな朝食やスイーツが楽しめます。
朝食は甘いメニューと、しょっぱい系のメニューが各2種、計4種から選べます。今回はツナとチーズ、野菜がたっぷりのオープンサンド「ツナメルト」をチョイス。オープンサンドにはめずらしく、パンがふわふわのワッフルなのがうれしいポイントです。新しい旅の始まりにふさわしくボリュームがたっぷり。温かいコーヒーといただきます。
朝食の他にも『HOTEL SHE, KYOTO』で欠かせないのが神奈川・新丸子の『BIG BABY ICE CREAM』とコラボしたスイーツ。チョコレートやバニラはもちろん、アーモンドやパンプキンなどちょっと変わった楽しいラインナップです。選びきれず悩んでしまいましたが、果肉が入った爽快なレモンと甘すぎず滑らかなストロベリーをチョイスしました。
温かくも刺激的。唯一無二の宿泊体験を『HOTEL SHE, KYOTO』で
普段の日常から少し離れ、ゆったりとノスタルジックな時間が流れる『HOTEL SHE, KYOTO』はまさに“最果ての旅のオアシス”。日常に持って帰りたくなるようなヒントやインスピレーションであふれ、温かくも刺激的な宿泊が楽しめます。ぜひ『HOTEL SHE, KYOTO』で新しい旅の楽しみ方、新しいことばとの出会いを味わってみてはいかがですか?
- ■お店情報
- HOTEL SHE, KYOTO
- 住所:京都府京都市南区東九条南烏丸町 16 番地
- アクセス:JR「京都」駅八条口から徒歩 10 分、京都市営地下鉄「九条」駅から徒歩2 分
- 期間:2019年12月9日(月) 〜 2020 年 7 月 5 日(日)
- ご予約はこちら:
- https://tahi.chillnn.com/hotel/d349581b1e2748e0a9a8b618e62e11771572238126776/plan/ d349581b 1e27 48e0 a9a8b618e62e11771572239274728
- 最果タヒからのコメント:
帰るということが、大人になるたびに難しくなる。家の鍵を持ったって、帰り道を覚えたって、鍵も持たなかった、道もわからなかった子どもの頃よりずっと、「帰る」ことがわからない。自分で選んだ家具や家電で部屋を作っていったところで、どうしてか、そこに収まるだけが「帰る」ではないように思う。自分が、ちょうどよく作った場所が、私の本当の「ちょうどいい場所」ではないのかもしれないと思うたび、すこし、遠出がしたくなります。詩のホテルを、HOTEL SHE, さん、佐々木俊さんとともに作ることになりました。 - 佐々木さんが最初にツイッターにあげてくれた「詩のホテル」というアイデアが、こんなにも早く実現するとは夢のようです!詩は、その人の暮らしや、息遣いに溶け込んでいくような、その人自身の言葉として溢れてきたようなものであってほしいと思います。それは、もしかしたらこうした「部屋」としての詩のあり方に、つながっていくのかもしれません。自分の部屋にいても、ちゃんと帰れていない気がする。そこから逃れて、ホテルの部屋に飛び込んでみる。そこが本当の帰るべき場所だった、なんてことは思えないけれど 、でも 、「今はどこにも帰る必要がないのだ」ということだけは確かに思うことができる。
- 帰れていなくても、「ちょうどいい場所」を作り出せなくても、わたしはずっとずっと、自分の暮らしをそれなりにやっていたんじゃないかなあ。生きてはいるのだって、そんな風にそんなふうに思うとき、天井に見える言葉を書いています。
- ■コラボアイテム情報
- 詩のレコード『 こちら 99 等星 』
- 詩:最果タヒ/朗読:青柳いづみ/デザイン:佐々木俊/制作・発売:リトルモア
- 12インチ アナログレコード 定価: 2000 円+税
- 2019年 12 月 9 日(月)全国発売、 2019 年 11 月 22 日(金)予約開始/詳細 発表
- その 他 、 期間中は客室のために特別制作するいくつかのオリジナルコラボアイテムの販売や 、「HOTEL SHE, KYOTO 」の 1 階にあるカフェ「 PARLOR SHE, SIDE 」でのスペシャルメニューもご用意する予定です 。
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