PARISmagが気になる方々へ会いに行き、「小さなしあわせ」のヒントを教えてもらうインタビュー企画。今回のゲストは今年1月に出産後初の著書『今宿麻美のママライフ 39 Thank you』を出版したモデルの今宿麻美さんです。著書についてはもちろん、モデルのお仕事や息子の青馬くんや旦那さんとの日々についてのお話も伺ってきました。
今宿麻美(いまじゅく あさみ)
1996年、雑誌ananでモデルデビュー。その後、ストリートファッションのアイコン的な存在として国内外数々のファッション誌で活躍。女優としては2001年の「blue」を皮切りに「ナイン・ソウルズ」「空中庭園」など、映画を中心に活動。2006年公開の「LOVE MY LIFE」では主役を務めた。2012年10月からはラジオ番組の司会業にも挑戦。FMラジオJ-WAVE「HAPPINESS」のナビゲーターとして、1年間日曜の朝の顔として毎週4時間の生放送を務めた。
刊行物は、2002年初めての写真集「A.IMAJUKU」を皮切りに、2007年には自叙伝「ストリートモデル」を、2010年にここまでの集大成といえるフォトエッセイ「HEARTBALANCE」を発表。そして2013年には初のファッションスタイルブック「MY STYLE ASAMI IMAJUKU」(宝島社刊)も発表した。
一児の母となった現在も、変わらずファッションリーダーとして多岐にわたって活躍中。
HP:http://www.spacecraft.co.jp/imajuku_asami/
Instagram:https://www.instagram.com/imajuku0107/
『今宿麻美のママライフ 39 Thank you』について
—今回の著書は息子の青馬くんが生まれて初めての本ということで、出産までのお話や子育てについてもたくさん書かれていますね。どういった経緯で今回の本を作ることになったのでしょうか?
今宿麻美さん(以下、今宿):『nina’s』というママ雑誌で連載をさせていただいていて、いずれ本にできたらいいねと話していたんです。そこでこれまで掲載したものも含め、出産前から妊娠中、出産後までいろいろと紹介することができました。
もちろん今までのモデル今宿麻美としての姿もあるのですが、今回はママとしての今宿麻美を見てもらいたいという思いがありました。あと、本ならではのものにしたかったので、これまであまり話す機会のなかった妊娠、出産についてのエピソードや家族についての想い、自分なりの育児への想いを綴りつつ、プライベート写真をたくさんに掲載しています。
子どもができて分かることもあったなと、本を作ることで振り返ることができたのは良かったですね。
−今宿さんのinstagramでもプライベートをたくさん伺い知ることができますよね。青馬くんの天真爛漫な姿に癒やされている方も多いはず。青馬くんにこういう風に育って欲しいとか、教育方針のようなものはあるのですか?
今宿:こうして欲しい、こうなって欲しいというのはまだあまりないんですよね。元気で青馬らしくいてくれるのが一番うれしいです。もちろん常識的なことは教育しますが、この子がやりたいことを一番に考えて、道を作ってあげられたらと思っています。
自分もそうだったと思うんです。親も私に「こういう子に育って欲しい」というものがあったと思うんですけど、絶対その通りにはなっていないから(笑)。なので、「こうなって欲しい」というものはあまりなく、とにかく元気で青馬らしく生きなさいという感じですね。それはパパも同じだと思います。
−instagramでよく踊った青馬くんが登場しますが、青馬くんらしいとは例えば?
今宿:もうあのままですね。でも、ああやって踊っている姿をみなさんinstagramで見てくださっているので、会うと「踊って〜!」と言ってくれるんですけどすごく内弁慶で(笑)。少し時間がかかる場合もあります。彼なりのタイミングがあるみたいです!
これからどんどん大きくなっていくと友だちもできて、いろいろ学ぶだろうし、変わっていくと思うので。その中でものびのびと育っていってくれたらと思っています。
家族でひとつと思われるのはうれしい
−モデルのお仕事と育児で忙しい毎日かと思いますが、どのようにリフレッシュしているのでしょうか?
今宿:仕事帰りに美容鍼や美容院など自分のメンテナンスをする時間を組み込むことで息抜きをしていますね。あと休日は家族といるので、その時間が仕事のリフレッシュになっています。
仕事をして家に帰ると「ママ」なので、その切り替えがちょうどいいのかもしれません。仕事している方が、バランス取れるんですよね。結構仕事していないと不安になるタイプなので、仕事もあって忙しくしている方がいろいろなことが浄化されるというか、リセットできるんです。
あと、パパのサポートがあって仕事ができているので、すごくありがたいですね。最近、家族でひとつと思ってもらえている部分もあるみたいなので、それもうれしいです。
—家族と過ごす時間で好きな時間はどんな時間ですか?
今宿:結構なんでもないときが私は好きかもしれないですね。家族で家でのんびりしているときとか。もちろん出かけたりするのも好きですけど、家でパパと青馬が楽しそうにお風呂入っているときとか、そういう他愛のないことが好きな時間ですよね。
−今宿さんのinstagramもそうですが、旦那さんのinstagramからも楽しそうな感じが伝わってきますよね。
今宿:旦那がね〜おもしろい人なのでね。私は助かっています。私が仕事のときはほとんど旦那が青馬を見ているので、男同士で仲良くしています。洋服もパパにお任せしていますし、洗濯など仕事柄*パパの方が得な家事はお願いしていますね。お互いがやれることをやる感じです。
いい意味で変わらない関係というか、パパとママであり、恋人の一面もあったり、友だちっぽいところもあったり。変わらない関係でいられています。
*旦那のMASAHさんはスタイリスト。
自分もまだ成長過程。一緒に成長していきたい
−本の中で「育児=育自」という言葉が紹介されていましたが、青馬くんを出産し、一緒に過ごす中で成長したなと思うことはありますか?
今宿:自分もまだ成長過程なので。でも、青馬と一緒に成長できたらいいなと思っていて、実際青馬の方が大人だったりするときもあるので、教えられることも多いです。この子が生まれて生活が180°変わったので。私にとってはすごくよかったと思うし、一緒に成長していけたらいいですね。
でも青馬が生まれて、ゆっくりごはんを食べれることや日常といった、当たり前のことが当たり前じゃなくなったと感じていて。でも逆にそういう些細なことをしあわせだと感じられるようにもなりましたよね。
あと、子ども中心になると、自分のことは後回しになっちゃったりしますよね。そこで、いい意味で割り切ることも大事だなと思うようになったり、柔軟性が鍛えられているなと感じています。青馬と向き合うことで、自分と向き合うことにもなるんだなと。
−この本には出産前、出産時、そして子育てをする中で壁にぶつかったエピソードも書かれていますよね。そういうときは、旦那さんに相談して解決していくのでしょうか?
今宿:パパには育児に関してのことや青馬のこと、1日のできごとは常に話しています。もちろん壁にぶつかったときも。あとは、パパだけじゃなく、同級生や同年代のママ友に相談することもありますね。
−本の中でもモデルのEMIさん、高見まなみさんとの対談も掲載されていますが、みなさん、同年代のお子さんをお持ちなんですね!
今宿:そうなんですよ。同年代が多いんですよ。心強いですね。よくママ友で集まったりします。パパだけの意見じゃわからないことも多いので、ママだからこそ分かり合えることもありますしね。ママになってより仲良くなった人もいます。
−青馬くんが大きくなったら一緒にやってみたいことはありますか?
今宿:なんだろう。すごく大きくなったら一緒にお酒を飲んでみたいですね。すごく先だけど。
でも、どうなるんだろう。この子がどう育っていくのか全然分からないですね。反抗期とかもあるんですかね。やっぱり男の子ですからね。女の子だとちょっとは理解できるけど。でも反抗期になったら、そこはもうパパに任せます(笑)。
がんばって無理して続けるよりもストレスフリーで
−ここからはちょっと美容やファッションについてもお話を伺えればと思います。今日、お会いして、お肌のきれいさにびっくりしました!どんなケアをされているんですか?
今宿:鍼ですね!お肌のケアは何か特別話せることがあればいいのですが…。食事はしっかり3食食べます。私だけではなく家族の栄養も考えつつ、野菜、お魚もたくさん摂るようにしています。メイクは休みの日はあまりしません。休みの日は全部休ませたいんです。メイクすると仕事!というスイッチの切り替えにもなっています。
あまりがんばって無理して続けるよりもストレスなく続けられることをやろうというくらいですね。その点、鍼は合いましたね。他力本願ですが(笑)。
−ブランドもプロデュースされていますよね。今宿さんというとストリートファッションのイメージが強いですが、普段はどういうファッションが好きなのですか?
今宿:そうですね。ストリートファッションは今も好きですよ。シンプルだけどデザイン性があるものが好きです。子どもが生まれたからということで特に着る服が変わったということもないですね。
プロデュースするときは自分が着たいものを作ることが多いです。色だったり、柄だったりを変えて、自分が着て気持ちいいものがいいですよね。この春夏は、ちょっと色モノが気になっています。でもシンプルでデザイン性のあるものというのは変わらないですね。
仕事のありがたみを感じる日々
−モデルをはじめて21年目になるんですね。
今宿:10代の頃はまだモデルという自覚があまりなく、自分の名前が外に出はじめた頃くらいから意識は変わりました。子どもができたこともあり、30代後半になって仕事のありがたみを感じています。続けていられることはありがたいことですよね。私はとにかく仕事をしていることが楽しいので。
−そのモデル人生の中で、ターニングポイントのようなものはあったのでしょうか?
今宿:30歳のときですね。今の事務所に移籍したタイミングです。それまで私は割と受け身な部分があったんです。でも、30歳にもなったこともあり、こういう仕事をしていきたいとか映画をやっていきたいとか自分のやりたいことや仕事の幅を広げたいと思いました。
—なるほど。今後やっていきたいことはありますか?
今宿:ラジオのナビゲーターの仕事は私の中でとても印象深く、声にまつわる仕事はまたやってみたいですね。見えない相手に声だけで伝えるというのは、モデルとも役者とも違う能力が必要なので、奥深くて難しいですよね。ラジオはやってみたいです。あと、家族でできることもいろいろやりたいです。
−来年40歳ということで、何か思うことってありますか?
今宿:自分が40歳というのが不思議です。もっとしっかりしなきゃなあという部分もあります。30代後半に結婚、出産があったので、30代は怒涛でしたが楽しかったので、40代も楽しめたらいいなと思います。
家族団らんがしあわせ
—今宿さんの「小さなしあわせ」は?
今宿:ふたりのごはんを作っているときはすごくしあわせですね。最初は旦那ひとりにごはんを作っていたのが、息子が生まれてふたりのために作るようになって、それを3人で食べているのはしあわせだなと感じます。やっぱり家族団らんは大事だなと思います。
まさか自分が子どものごはんを作るなんて想像もしていなかったし、おやつなんかを作っていると「あ、自分母親になったんだ」って実感してきて。同時に「こういうのもいいよな」としみじみ思いますね。
あとは寝顔!寝顔を見ながら、今日1日イライラして怒りすぎちゃったなあ、明日は気をつけようって反省して。その繰り返しです。でも、なんか子育てだったり仕事だったりで、バタバタしているのはしあわせなことですよね。充実しています。
今宿さん、素敵なお話どうもありがとうございました!
- ■書籍情報
- 今宿麻美のママライフ 39 Thank you
- 著者:今宿麻美
- 出版社:祥伝社
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