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ユーモラスとハッピーが満載!ナタリー・レテのメゾンへ

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ユーモラスとハッピーが満載!ナタリー・レテのメゾンへ

ポップな色使いと花や動物などのかわいいキャラクター、ちょっと毒っけのある不思議なイラスト、懐かしさと斬新さを感じるオブジェ。今回は、そんな乙女心をくすぐる作品の数々を生み出しているパリ生まれのアーティスト、ナタリー・レテさんにお会いしてきました。

ナタリー・レテさんが直接手描きしたというアーチナタリーさんが直接手描きしたというアーチ

この秋、表参道にオープンしたナタリー・レテのオンリーショップ『Le monde de Nathalie(ル・モンド・ドゥ・ナタリー=ナタリーの世界)』と合わせてご紹介したいと思います。

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Nathalie Lété(ナタリー・レテ)

1964年、フランス・パリ生まれのアーティスト。絵本やセラミック、テキスタイル、リトグラフなど様々な作品を手掛ける。子供の頃の思い出や毎日の暮らしの中からインスピレーションを得た彼女の作品はユーモラスでハッピー、そしてどことなくシニカルな雰囲気を持ち合わせている。その作風はフランスだけでなく世界中で愛され各国のブランドと様々なコラボレーションを行っている。同じパリのASTIER de VILLATTE(アスティエ・ド・ヴィラット)とも毎年一緒に作品を発表するなどアーティスト達からも絶大な支持を得ている。

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表参道にできたナタリーの小さなメゾン

表参道のLe monde de Nathalie(ル・モンド・ドゥ・ナタリー)

今回は、『Le monde de Nathalie』でお話を伺ってきました。ここは表参道と青山通りをつなぐ通称“青参道”と呼ばれる場所に位置しており、大通りの裏側の小さなスケール感が魅力的なエリア。以前、取材でお伺いした『H.P.DECO』のすぐお向かいの場所にあります。

表参道のLe monde de Nathalie(ル・モンド・ドゥ・ナタリー)

ベッドルームやキッチンもあり、なんだかナタリーさんのおうちに遊びに来たかのような気分に。ちなみに、この中においてある絵やオブジェ、ラグ、食器、タオル、ファッションアイテムなどはほとんどのアイテムが購入することができるんですよ。じっくり見たい気持ちを抑え、さっそくお話を聞くことにしました。

 

東京の小さなメゾン『Le monde de Nathalie』

表参道のLe monde de Nathalie(ル・モンド・ドゥ・ナタリー)

—まず、今回、日本にご自身のお店ができることに対して、どのような想いがありますか?

ナタリー・レテさん(以下、ナタリー):とても感動しています。今回、出店をサポートしてくれた、アッシュ・ペー・フランスとは25年のお付き合いになりますが、互いに協力しあってきたので、私のパーソナリティを尊重してくれていることをとても感謝しています。この場所も、商業的な意味よりも私の世界観のオマージュという側面を重要視してくれました。

—まるでナタリーさんのご自宅に来ているかのような気分になりますね。お店のコンセプトを教えてください。

ナタリー:ここはショールームではなく、ショールーム以上の存在と言えます。おっしゃるとおり、私の東京の小さなメゾン(家)がコンセプトです。パリにも同じくらいの大きさのショールームがあるのですが、アッシュ・ペー・フランスさんがそこをとても気に入ってくれたので、同じようなものを東京にも作ろうということで実現しました。

 

小さい頃の思い出をインスピレーションに

表参道のLe monde de Nathalie(ル・モンド・ドゥ・ナタリー)にある、パリのショールームの写真パリのショールームの写真

—ナタリーさんの作品は、子どもの頃の思い出や毎日の暮らしの中からインスピレーションを受けて作っているものが多いとのことですが、普段の作品作りで大切にしていることはありますか?

ナタリー:自然と湧いてきた自分の気持ちや感情をとても大切にしていて、何かを深く考えて作ると言うよりは、自分の気持ちを素直に感じたままに表すようにしています。

特にしあわせな気持ちというのは重要なインスピレーションのひとつです。子どもの頃はあまり悩みもなく、自由に楽しんでいますよね。私の中ではその頃の自由な世界を楽しむような感覚がインスピレーションになっています。当時の自由な世界を作品の中に作っているというか。

もちろんモノ作りに関しては、当時よりプロフェッショナルなやり方になっていますが、今でも作品を作るときは子どもの頃と同じように自分の気持ちに素直になることが大切だと思っています。

表参道のLe monde de Nathalie(ル・モンド・ドゥ・ナタリー)にある、家族の写真

また、あらゆるクリエイターがそうですが、家族(夫、子ども)とのパーソナルな生活も自分の作品のインスピレーションになりますので、このお店にはプライベートの写真も展示しています。

—子どもの頃からモノ作りが好きだったのですか?

表参道のLe monde de Nathalie(ル・モンド・ドゥ・ナタリー)にある、ナタリーさんの幼少期の写真ナタリーさんの幼少期のお写真も

ナタリー:もちろんです。小さい頃からいろいろなモノを作ってきています。私は1人っ子だったので、小さい頃から1人で夢中になっていろいろなものを作ってきましたね。

—絵本やセラミック、テキスタイル、リトグラフなどさまざまな表現で作品を作っていますが、今一番関心のある表現方法や挑戦してみたい表現方法はありますか?

H.P.DECOで開催中のナタリー・レテ原画展「アトリエから、ナタリー。」

ナタリー:いろいろなことに関心はあるのですが、最近は特に建築家とのコラボレーションに興味があります。レストラン、ホテルなどの建物に自分の世界観を作っていくことに興味を持っています。私の世界観を作り込むというよりは、建物の中に自分の作品を導入するようなことをしたいですね。

表参道のLe monde de Nathalie(ル・モンド・ドゥ・ナタリー) のベッドルーム

—このお店はナタリーさんの部屋を彷彿とさせる空間になっているということですが、特にこだわったところやお気に入りのところがあったら教えてください。

ナタリー:この空間は、私の家を表現したものです。なので、今もまるで自分の家にいるような気分になっています。実は、好きな国に自分の家を持つことが私の夢だったんです。今回、こういうかたちで大好きな街である東京に自分の家が持てて、非常にうれしいです。

私のお気に入りはこのベッド。寝るのが大好きなんですよ。小さい頃からベッドは自分の空間だったので、そこでいろいろな想像をしてきました。例えば、空飛ぶ絨毯についての想像とか。自分の想像の世界に入れる場所なので、ベッドはとても大好きです。

表参道のLe monde de Nathalie(ル・モンド・ドゥ・ナタリー) のベッドに座るナタリー・レテさんベッドのイラストは日本に来てから描いたのだそう!

想像を膨らませながらの散歩

—ナタリーさんの普段の生活についてもお話を伺いたいのですが、日々の中で大切にしている時間や日課などはありますか?

ナタリー:私は散歩がとても好きなんです。パリの都市部に住んでいるのですが、週末は夫と子どもと犬と一緒に森の中を散歩するのが好きですね。パリにはヴァンセンヌの森とブローニュの森という2つの大きな森があります。ヴァンセンヌの森が自宅からすぐなので、よく散歩するんです。あと、水があるところが好きなのでセーヌ川も行きます。

表参道のLe monde de Nathalie(ル・モンド・ドゥ・ナタリー)

—森をお散歩なんて素敵ですね。他にパリのお気に入りのスポットやエリアはありますか?

ナタリー:パン屋さんと教会は大好きでよく行きます。パリのショールームからパレ・ロワイヤルに行く途中にある、とても小さなパン屋さん『Le moulin de la Vierge(ムーラン・ド・ラ・ヴィエルジュ)』は、パリの昔ながらのパン屋さんという雰囲気で、店内ではお茶とお菓子も楽しむことができます。壁のタイル模様がとても素敵なんです。お菓子が好きなので、そこでよく時間を過ごしています。

ここは朝食にクロワッサンなどを食べに来るお客さんが多いので、のんびり過ごすというよりは、ぱっと来てさっと帰るようなお店ではあるのですが、とても居心地のよいお店ですね。

パリの中では、小さな村を想起させるような空間が好きなので、そういう意味では古き良き時代のパリをイメージさせるパレ・ロワイヤルもお気に入りです。

あと、パリにいるときは石畳だったり、大通りから1本入った裏路地だったり、田舎を想起させるものをよく探しています。大通りではなく、1本後ろの小さな路地を選んだり、観光客の少ない住宅街を探すのが好きです。それは東京や別の街にいるときも同じですね。

パリにはパッサージュというアーケード街があるのですが、そこにいると男性がシックな帽子と装いをしていたり、女性が素敵なドレスを着ていたような19世紀の想像を膨らませることができます。なので、パッサージュも私のとっておきのスポットのひとつですね。

表参道のLe monde de Nathalie(ル・モンド・ドゥ・ナタリー)

—裏路地が好きということですが、今回のお店は表参道と青山通りから1本入ったところにありますね。このあたりもお散歩されたんですか?

ナタリー:もちろんです。ここのエリアは私も本当に大好きで、しょっちゅう散歩しています。迷子になるのも楽しいエリアですよね。

—日本へは何回か来ているのですか?

ナタリー:25歳の頃から10回以上来ていますね。お寿司ももちろん好きですが、やっぱりサロン・ド・テ(喫茶店)が好きです。先日連れて行ってもらったスパイラルの『call』というカフェがとても気に入りました。モダンな建築物が好きなので、そういう意味でも『call』はとても素敵でしたね。あと温泉や鎌倉も好きです。

—今後、挑戦していきたいことはありますか?

ナタリー:ダンスですね!もともとダンスとピアノが大好きで、やっていました。特にダンスは若い頃のようにはできなくなってきてはいるのですが、ダンスを踊っているところをビデオに撮ってみたり、インテリアと融合させるようなことをやってみたいと思っています。今はそのビジュアリストを探しているところです。これまでのモノ作りとは異なる表現手法も積極的に探していきたいと思います。

 

小さなメゾンにナタリーさんの作品がいっぱい

表参道のLe monde de Nathalie(ル・モンド・ドゥ・ナタリー)

ナタリーさんの創作の秘密を伺ったところで、店内を見せてもらいました。店内には絵本やシルクスクリーン、企業とコラボレーションした雑貨やファッションアイテムの他、原画も展示されています。

表参道のLe monde de Nathalie(ル・モンド・ドゥ・ナタリー)

こちらはフレーム入りのデジタルプリント。ナタリーさん直筆のサインとシリアルナンバー入り。

表参道のLe monde de Nathalie(ル・モンド・ドゥ・ナタリー)

とってもシュールなお肉の人形も!

表参道のLe monde de Nathalie(ル・モンド・ドゥ・ナタリー)

白いオブジェはフランスの陶器ブランド『ASTIER de VILLATTE(アスティエ・ド・ヴィラット)』とのコラボレーション。素材ごとに違った味があり、どれも欲しくなってしまいます。

表参道のLe monde de Nathalie(ル・モンド・ドゥ・ナタリー)

今後はステーショナリーやキッチンファブリックなども増えていくそうですよ。

 

約100点の原画展示販売も!

こちらの『Le monde de Nathalie』は常設のお店ですが、現在お向かいの『H.P.DECO』では期間限定で、原画の展示販売『アトリエから、ナタリー。』も開催されているとのことで、そちらも行ってみました。

『H.P.DECO』で開催中のナタリー・レテ原画展『アトリエから、ナタリー。』

店内にずらりと並んだ鮮やかな色彩の原画たち。実は、ナタリーさんが原画を販売するのは今回がはじめて。昨年、フランスで開催されたご自身の大規模な回顧展で、これまでの作品を一堂に展示し、多くの方々に見てもらう機会を得たというナタリーさん。その回顧展を経て、ここから新しいステップということで、今回、今まで手元に置いていた過去の作品を販売することにしたのだそう。

『H.P.DECO』で開催中のナタリー・レテ原画展『アトリエから、ナタリー。』

ナタリーさんの原画を間近で見られるだけでなく、お気に入りを自分の家に買って帰れるなんてうれしいですよね。

『H.P.DECO』で開催中のナタリー・レテ原画展『アトリエから、ナタリー。』

こちらはナタリーさんのアイデアノートのコピーです。譜面のノートに写真やイラストがぎっしりコラージュされています。ナタリーさんの頭の中を見ているような気分に。こちらの展示と原画の販売は11月6日までなので、お見逃しなく!

『H.P.DECO』で開催中のナタリー・レテ原画展『アトリエから、ナタリー。』

ユーモアとハッピーに満ちたナタリーさんの作品を探しに『Le monde de Nathalie』へ訪れてみては?パリのおうちに遊びに来たような気分を味わってみてください。

 

  • ※記事の内容は取材当時のものです。
  • 【移転情報】 住所:東京都渋谷区神宮前 4-28-15

 

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