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キーワードは“心地よさ”“ときめき”“上質”。『&Premium』トークショーレポート

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キーワードは“心地よさ”“ときめき”“上質”。『&Premium』トークショーレポート

ライフスタイルのさまざまなシーンに、自分にとっての“上質”を足していくことをコンセプトにした、新クオリティライフ誌『&Premium』。

その3月号「本屋が好き。」の発売を記念したトークイベントが下北沢の本屋B&Bで開催されるということで、『&Premium』の魅力的な企画はどのように作られているのかなどを探りに行ってきました。

02+左から編集長の芝崎信明さん、エグゼクティブディレクターの柴田隆寛さん、副編集長で今回の本屋特集の担当である渡辺泰介さん、B&Bの内沼晋太郎さん

―あまり開催されない『&Premium』トークイベントということもあり、会場は満席に。男性の方も半数ほどいらっしゃったのが少し意外でした。

今までにない雑誌を作りたい。そんな想いから生まれた『&Premium』

内沼さん(以下、内):さっそくですが、芝崎編集長から『&Premium』の簡単な説明をお願いいたします。

芝崎さん(以下、芝):『&Premium』は2013年11月に創刊したライフスタイル誌です。元々は『クロワッサンプレミアム』という雑誌をリニューアルするミッションだったのですが、どこをどう変えるかひとつひとつ検証していたら、跡形もなく全て変えることになってしまいました(笑)。

誌名も変えていいということになり、結果的には、限りなく新雑誌創刊に近いリニューアルになってしまったんです。まあ、読者から見れば新雑誌に見えるでしょうから、今では「新雑誌を創刊しました」と言っています。

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『&Premium』という名前ですが、『クロワッサンプレミアム』の “プレミアム”という言葉だけは引き継ぐという会社の方針でしたので、前に“&”を付けて、上質なものを日々に付け加えるという意味を込めて決めました。

創刊にあたり、今ある女性誌と同じことをしてもしょうがないなと思ったんです。そこで、既存の女性誌のように年齢や家族構成などでセグメントせず、むしろセグメントされたくない人たちのための雑誌ということで、対象年齢などもあえて言わないということを決めてスタートしました。

そして、これまでにない女性誌を作るためには、編集スタッフも既存の女性誌の作り方に染まってない人がいいのではないかと思いました。

なおかつ、これから雑誌が生き抜いていくためには、雑誌好きの人にきちんと買ってもらわないといけないとも感じていたので、一緒に作る人も雑誌をこよなく愛する人がいいということで、当時『HUGE』などを手がけていた柴田さんに声を掛けたんです。そして、雑誌のコンセプトから2人で考え、今の『&Premium』になりました。

 

心地よさ、ときめき、上質。コピーに込めた3つの想い

内:創刊時、表参道駅に貼られた3種類のポスターには『&Premium』のコンセプトとなるフレーズを添えたのだとか。そのキーワードとそこに込められた想いを紹介してください。

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芝:まず1つめが「“効率のよさ”より“心地よさ”」です。効率のよさを求めることが、本当に幸せなのか? というのは、みなさんもどこかで感じていることではないでしょうか。それよりも、心地よさを求めるほうがいいのではないかという提案を込めて。

2つめが「“ほっこり”より“ときめき”」。その頃、“ほっこり”ブームみたいなものがあったので、じゃあ僕らは“ほっこり”とは違うことを提案したいと思ったんです。それと、そろそろ“ほっこり”だけじゃなくて“ときめき”も欲しいななんてことも考えていました。“ときめき”だったり、ちょっと刺激があった方が心地いいこともあるんじゃないのかなと。

そして3つめが「“ゴージャス”よりも“上質”」。これは、華美なものより本質が大事だよねということです。このフレーズが一番『&Premium』を表現している気がします。

あと、裏テーマがあって「読むと機嫌がよくなる雑誌」にしようと。「“機嫌がいい”ことは、平和で幸福なこと」という根本的な考えを大切にしていこうと思っています。
創刊時から毎号最初のページは、花を持った女性の写真からはじまるのですが、そういった想いからです。

05顔が切れているモデルが季節の花を持っている写真から毎号はじまります。

内:あ、そうなんですね!気が付かなかったです。気が付いてない人、多いんじゃないですか?

芝:花を見るとほとんどの人が、気分がよくなるというか…機嫌がよくなるんじゃないかなと。この写真を選ぶ時も“ときめき”を感じるかどうか、というのを非常に意識しています。

 

スタイリッシュな表紙が印象的。気になる『&Premium』表紙デザインの話

芝:あと、よく聞かれる表紙のデザインについてですが、『&Premium』は上半分が色地になっていて、下半分が写真になっています。上の色は毎号変えていて、その色地部分にはマット加工を、下半分の写真部分には光沢のあるグロスのUV加工を施して、写真を貼付けたようなイメージにしているんです。

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紙の雑誌で勝負しているので、触った感じの違いとか、部屋に置いてあっても様になるようなデザインといった、“もの”としてのよさも出したいという気持ちがあります。背表紙にも色がついているので、棚に並ぶことでどんどんカラフルになるのも楽しいかなと。

表紙のモデルの顔がはっきり見えないようにしているのも、こだわりのひとつですね。主役はあくまで読んでくださる読者なので、誌面のモデルが主張し過ぎないようにあえて前面に出ないようにしています。

 

『&Premium』の本屋特集でやりたかったことは、「本屋で過ごす時間は、いいね。」ということ

内:僕が芝崎さんと初めてきちんとお仕事させていただいたのは、2011年に発売された雑誌『BRUTUS』の「本屋好き」特集の時。その時の副編集長が芝崎さんだったんですよね。この企画に僕と『ケトル』の嶋浩一郎さんが携わったことが、実は嶋さんと一緒にB&Bをはじめた大きなきっかけだったんです。

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芝:これは偶然なんですけど、『BRUTUS』の本屋特集のタイトルは「本屋好き」、『ケトル』は「本屋が大好き!」。そして『&Premium』は「本屋が好き。」。雑誌のタイトルは、凝ったものよりストレートで短い方が分かりやすい場合が多いんですが、そうしたら結果的にみんな似ちゃって(笑)。

毎号そうなんですが、『&Premium』では伝えたいことを右上に書くんです。だから今回は「本屋で過ごす時間は、いいね。」ということを言いたかった。「本が好き」「読書が好き」「本屋が好き」って同じようで意味が違いますよね。僕は本屋が大好きで、買う目的がなくてもついつい立ち寄ってしまう。本屋って、ふらっと行ける気軽さがあるなと思います。書店員さんは「いらっしゃいませ」ってあまり言わないじゃないですか。個人的には放っておかれたいタイプなので「何かお探しですか?」とあれこれ聞かれないのもいい。ただ、こちらから聞くと丁寧に教えてくれる本屋は、いい本屋だなと思います。

 

本屋を営む理由、本を魅せる工夫を知りたかった

内:今回『&Premium』で本屋を特集すると決まった時、どのようなことを意識しましたか?

芝:出来るだけ新しくできた本屋を取材しようとは考えていましたね。出版不況である今の時代に、新たに本屋を開店するのは何か特別な理由や想いがあるに違いないということで。

それから、遠方からわざわざ足を運ぶほどの熱狂的ファンがいる本屋の人気の理由や、蔦屋書店のような複合型書店が行っている工夫や仕掛けにも興味がありました。それは、読者のみなさんもきっと興味があるんじゃないかなと。

内:たしかに実際に読んでみると、本や読書ではなくて、あくまで“本屋”という空間が好きという内容になっているなと感じました。本屋の、場所としての気持ちよさとか、そこに行きたくなる感じが伝わってきます。

芝:そういえば、この特集を作るにあたって内沼さんと「おもしろい本屋は本が魅力的に見えるよね」という話をしましたよね。その時、内沼さんがそれを動物園に例えたんですよ。動物園の入場者数が減っていた時期に、北海道の旭山動物園が行動展示という動物が生き生きと行動し魅力的に見える新しい試みをはじめたけれど、本屋もまさにそれだよねと。本はどの店に行っても、ものとしては同じだけど、どうやったらより魅力的に見せられるかということを考えているのが今の本屋ですよね。魅せ方が上手な本屋は人を集めているし、本も売れていると思います。

それは本屋に限らず、他のあらゆる店にも言えること。今、ものをいかに魅力的に見せるかが非常に重要になってきていると思います。同じものなんだけどよく見えるということは、魅力をちゃんと引き出せているということですよね。

柴田さん(以下、柴):ものを買うだけなら、今はどこでだって買えますから。店舗へ足を運ばなくてもネットで同じものが買える。そうなった場合、魅せ方って本当に重要。例えば本屋だと、隣にこういう本と雑貨が置いてあるから、この本はこういう内容なんだと気付かされたり、そのギミックに気付くと今度は「この店おもしろいな」「この店が選んだ本は間違いない」なんて、お店のファンになったり。そういう風にものの魅せ方を工夫できるのはやっぱり人なんですよね。

渡辺さん(以下、渡):今回の企画で、巻頭で紹介した本屋さんについてですが、セレクトする際に、ある仮説がありました。2011年にオープンした代官山蔦屋書店の存在感やスタイルが全国の書店に与えた影響は大きかったはずで、それから3年経つ現在までの間に新しくできた本屋には、何かしら強い意志やスタイルがあるはずだと。

あと、本屋をやっている人も本屋好きなんじゃないかという仮説もあったので、人の魅力を特に感じる本屋さんを巻頭に持ってきました。

 

本屋もコーヒーもパンも、全て繋がっている

柴:いい本屋がある街には、いいコーヒー屋さんがあるっていいますよね。

芝:ひとついいテイストのお店ができると、別の業種でも似たようなテイストでカルチャーを発信する店がその店の近所に出店してくるという、理想の街のでき方があると思います。おいしいコーヒーを飲むところがあると、そこで読む本が欲しくなるし、日用品だったり、パンだったり。同じような好みの人が集まる街ができてくるんですよね。

それは雑誌を作ることにもすごく似ている気がしています。こういう服を着る人は、こういうレストランで食事するのかな、こんな映画が好きで、こういう本屋さんに行くのかなと。『&Premium』はライフスタイル誌なので本屋の特集もするけど、コーヒーの特集もするし、ファッションの特集もするし、映画の特集もする。全部繋がっているんです。

 

―“読むと機嫌がよくなる雑誌”。“心地よさ”や“ときめき”、そして“上質”。憧れの『&Premium』編集部の方々の言葉はどれもシンプルでわかりやすく、ストレートなものばかりでした。

「パンはおいしいコーヒーと一緒に食べたいし、そこに本があったらもっと素敵な時間になる。」というような、素直な考え方で作られた日常をちょっと彩るためのガイドだからこそ、『&Premium』は多くの人に支持されているのだと納得。

2月20日に発売された4月号は、本屋特集に続き、インテリア特集。

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好きなものに囲まれた部屋づくりがテーマになっています。こちらも要チェックです。

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  • 雑誌名:&Premium
  • 出版社:マガジンハウス
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