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フランスのパンを日本の食卓に合うように!麻布十番『コメット』

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フランスのパンを日本の食卓に合うように!麻布十番『コメット』

赤羽橋駅から徒歩5分ほど。爽やかなブルーの外壁が街並みに映える、『Comète(ブーランジュリー コメット)』。

ブーランジュリーコメット

6年間、フランスでパンの修行をされてきたオーナーシェフの小林さんが2016年7月にオープンしたお店です。

 

フランスでのパン修行を経て、日本へ

奥さまのさやかさん(左)、オーナーシェフの小林健二さん(右)奥さまのさやかさん(左)、オーナーシェフの小林健二さん(右)

もともと飲食店をやりたいと考えていたという小林さん。大学生の頃、ちょうどカフェブームだったこともり、喫茶店のマスターをやりたいと思うようになったのだそうです。しかし、たまたま食べた『PAUL』のパンのおいしさに感動し、「よし!喫茶店とパンにしよう!」と決意。そこからパンの勉強をはじめたところ、パン作りが楽しくなり、パンの世界へと進むことになったのだとか。

ブーランジュリーコメットの店内に並ぶパン

大学卒業後はフランスへ行き、語学学校へ通いながら、パン学校で本場のパンを学びました。卒業後、当時はまだ無名だったパリの名店『デュ・パン・エ・デジデ』の門を叩いたのだそう。

「卒業後いくつかのお店を転々としましたが、『デジデ』のパンを食べたとき、ヴェノワズリーもハード系のパンも両方おいしいと思ったんです。フランスはパンが有名ですが、意外とどちらもおいしい店ってないんですよ。これは!と思って、修行させてくださいとお願いしてみたら、オーナーのクリストフさんが『いいよ、おいでよ!』と言ってくれたんです。本当に豪快な人なんですよ」と話す小林さん。

見習いから『デジデ』に入った小林さんが、自分で考えたパンを作らせてもらえるようになったのは2年ほど経ってから。朝早くから仕込みをしなくてはいけないクリスマスなどの繁忙期に、クリストフさんから「お店の屋根裏部屋に住みなよ!」と言われたのがきっかけなのだそう。

「屋根裏部屋と言っても、ベッドと洗面台くらいしかない部屋で(笑)。でも、おかげで休みの日も工房を自由に出入りできるようになって、そこで勝手にパンを作るようになったんです。見つかったら怒られるかな?とも思ったのですが、クリストフさんは意外と『何を作っているの?食べさせてよ』と言ってくれて。そこからいろいろと自分で研究して、おいしいものはお店に並べてもらえるようになりました」。

パリでの修行期間中は、本当にパンと密着した生活をされてきた小林さん。いつかは「日本でオープンする」という夢があったため、一度日本へ帰国し、日本パン屋でも働いたのだそうです。その後、再び渡仏し『デジデ』に戻り、今度は日本でのオープンを見据えた上での修行に励んだのだとか。日本とフランスの気候や材料の違いを踏まえながら、フランスの食卓のように日本の食卓に並ぶパンはどんなものだろう?と研究を重ねた小林さん。そして日本へ帰国し、2016年夏『コメット』がオープンしました。

 

国産小麦に米ぬか。日本の食卓にマッチする「コメット」

お店の名前を冠したメニュー「コメット」もまたパリの厨房で考えられたメニューのひとつ。

コメットのコメット

フランスで考えられたメニューということで、フランス産の材料を使用しているのかな?と思いきや、使用しているのは国産小麦。

「日本の食卓と合わせたパンを作りたいというのが僕の課題でもあり、やりたかったことでした。『デジデ』の人気商品に「パン・ザ・デミ」というメニューがありますが、これと同じものを作っても仕方がないなと思ったんです。フランスの材料を使ってフランスの食卓に合うように作ったものだから。僕は日本で、日本の小麦を使って、日本の食卓に合うものを作りたいと思ったんです」と小林さん。

コメットの米ぬかを使ったパン「コメット」(コメット1/4サイズ)

日本の食卓に合うようにと作られた「コメット」には、日本人には馴染みのある米ぬかがも使われているのだとか!

「米ぬかって米の捨てられる部分で、使われるとしてもぬか床ぐらいですよね。あまりいいイメージがないのかなと思ったんです。このパンの名前である『comète』は、フランス語で彗星という意味なんですけど、彗星も国や地域によってはマイナスイメージが持たれていて。でもあえてそこにスポットライトを当てていきたいなと思い、米ぬかを使うことにしました」。

米ぬかは米の外皮ということで栄養分も豊富。独特の甘みが出たり、油分もあるのでパンの持ちもよくなるのだそう。

「コメット」はその大きさのインパクトもあり、ホームパーティの手土産としてホールで買っていくお客さんも多いそうです。四角いフォルムに十字に入ったクープが、まるでプレゼントのようで素敵ですよね。

実際に食べてみようと持ち帰ると、食べる前からその香りの良さに驚きました!食べてみると、北海道産小麦の特徴であるもっちりとした食感が楽しめます。しっとりとしていて、噛むほどに感じられる米ぬかの甘みも。

コメットのタルティーヌ左:ドライトマト、紫タマネギ、枝豆、チーズ。 右:カレーチキン、パプリカ、グラナパダーノ

「コメット」をトーストして、色とりどりの具材をのせたタルティーヌもあります。

「食べ方の提案にもなりますし、オフィス街なのでそのまま食べてもらうことを考えたときに、見た目にも華やかなパンがあったらいいなと思って作ってみました」。

自宅で「コメット」をいただく際は、スープと一緒に食べるのがおすすめと教えてくれました。「だいたい何にでも合うはず」とのことですが、特にお野菜のスープやチキンのスープなどと合わせるとおいしいとのこと。

ちょっと変わった組み合わせでは、小林さんは以前味噌漬けのモッツァレラチーズと一緒に食べてみたところ、意外にもマッチしておいしかったのだそう。スープはもちろん、和の食材を合わせてみたり、いろいろな組み合わせを探してみるのも楽しいかもしれませんね。まさに毎日の食卓のお供にぴったりなパンなのです。

 

パンのおいしさを引き出すために食材を選ぶ

コメットのチーズフォカッチャとフォカッチャ(左:チーズフォカッチャ。 右:フォカッチャ)

その他にもいろいろなパンが並ぶ『コメット』。小林さんにお好きなパンを伺ったところ、「『フォカッチャ』が好きです。モチモチしていて甘みもあって、ザ・北海道産小麦という味わいを楽しめるはずです」とのこと。

お店には「フォカッチャ」と「チーズフォカッチャ」、さらにフォカッチャを使ったサンドイッチがあります。

もちっとした食感のコメットのフォカッチャフォカッチャ

上に乗っているのは、紫玉ねぎと白ごま。こんがり香ばしい玉ねぎが食欲をそそります。塩気がちょうどよく、もちっと噛みしめる感じがやみつきになりそうです。玉ねぎの甘みがアクセントになっており、ちょうどよい塩加減でお食事のお供としても、そのままでもおいしくいただけます。

コメットのバゲット生地で作ったフルーツのパン「カクテル」

こちらは、奥さまのさやかさんにおすすめしていただいた「カクテル」。

「バゲット生地にフルーツがいっぱい入ったパンで、フルーツのおいしさがギュッと詰まっているんです。ハード系だから、硬いでしょ?と思われる方もいらっしゃいますが、フルーツがとてもジューシーで、ファンも多いんですよ」とさやかさん。

食べてみると、本当にフルーツがたっぷり。レーズン、ブルーベリー、クランベリー、グリーンレーズンとヘーゼルナッツが入っています。ひと口食べるごとに異なるフルーツの味わいが楽しめ、さらにナッツの歯ごたえと香ばしさが絶妙!食べていて楽しいパンです。

コメットの「カクテル」と「バゲット」

フランスで修行をされた小林さんですが、極力日本ものを使うようにしているのだそう。ただ、バゲットはフランス産小麦を使用したり、ものによってはフランス産のものもチョイス。当初は、日本の材料を使うことにこだわるがために、苦悩も多かったそうですがある時、フランス人の友人がお土産にくれたフランスのクロワッサンを食べて考えが変わったそう。

「そのパンがいやなっちゃうくらいおいしくて(笑)。そこからは、求めるおいしさを出すために国産であることにこだわりすぎず、フランス産のバターや粉も適宜使うことにしました」。フランスと日本の味のいいところを使えるのは、フランスで修行を積まれた小林さんならではのパン作りなのかもしれませんね。

 

気軽に立ち寄れる「いつのまにかいつものパン屋」に

ブーランジュリーコメットの店内

小林さんとさやかさんの優しい人柄で接客してくれ、毎日食べても飽きないおいしいパンが並ぶ『コメット』は、フランスの人たちが毎日会話を楽しみながらパンを買うその風景を再現したよう。

「『いつの間にかいつものパン屋』がお店のコンセプトなんです。夕食や普段の食卓のシーンにパンが登場すればいいなと思っています。会社帰りにさっと寄って、ちょっと買って帰って、自宅で食べるみたいに使っていただけるお店になりたいですね」と小林さん。

取材に訪れた際も、「どれを買おうかしら。あのパンは明後日買おうかな」と、すでに「いつものパン屋」として訪れているお客様がいらっしゃっていました。

 

いつもの食卓にパンが、コメットがある風景。小林さんのお話しを聞いていると、そんな日も遠くないように思えてきます。ぜひ、気軽に立ち寄ってみてはいかがでしょうか? 気づけば、「いつも」のように通っているかもしれませんね。

 

 

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